木曜時代劇『ちかえもん』6話のネタバレ感想まとめである。
(いや、ほら一応タイトルだから)
(むしろ活躍したのはこっちである)
関連リンク
・『ちかえもん』5話、業深き人形浄瑠璃書き・近松門左衛門。
・『ちかえもん』4話、たぎる妄想、深まる謎、赤うなる朝の沢庵の残り。
・『ちかえもん』3話、なかなか討ち入らない赤穂義士に生きた人間を垣間見る。
『あさが来た』『あまちゃん』他、朝ドラ関係の記事はこちら。
・朝ドラ感想記事のまとめ。
他大河ドラマ、民放ドラマ、NHKスペシャルはこちら。
・少々真面目で結構ゲスいテレビっ子の備忘録まとめ。
■『義太夫些少活躍』
<えらいことになってしもた…。父親の仇である平野屋の旦さんとお初が、同じ部屋で向き合うとる>
<どないする~?わしやったらどないして展開させる~?>
お初と平野屋忠右衛門が対峙してるのを分かりやすく覗き見しながら、生粋の物書きモノローグからはじまる第6回。
※タイトルは「義太夫わりと活躍」です。
「義太夫、わりと活躍」です。
「義太夫、わりと、活躍」です。
(大事なことなので3回言いました)
■あのとき助けてもらったシリーズ
「旦さん…今日まで黙っておりましたが…。実は私…いつか山で旦さんに命を助けて頂いた狸でございます。」
「御恩返しと思て仕えてまいりましたが、こうしてお守りできてよかっ…」
「そんなアホな!!」
な に が ど う し て こ う な っ た 。
「替え歌なんだろな」とwktkしてたらいきなり喜助刺されてびっくり。
ポンっと狸に変身。
えっ何事?
ちかえもんの妄想オチ。
今回も頭からぶっ飛んでるwww
■平野屋の力
お初の正体に勘付いていた忠右衛門。
結城格之進の娘だと確信したのはその顔を思い出したとき……
ってここまでお初とそっくりの子役ちゃんだったら確信するわな、と。
「ここの主人にはわしが話をつける。それ持ってどこへなど行て好きに暮らせ。二度と大阪へは来るな」
お初の計画にも気付いていた。
にらみ合うふたりの目線に目が離せなかった。
「父を死に追いやったと認めますのやな?」
「大坂一の豪商平野屋にそないな口聞ける身分やあれへんぞ。わきまえい!」
問い詰めるお初の視線の強さと、平野屋忠右衛門の迫力。
お初の視線を外そうとしないこの目力。
絶対泣くもんか、って覚悟を感じた。
■ピュアなのかアホなのか
で、そのころ徳兵衛は。
ちかえもんに喉輪とられてました。
足止めのため、「お袖を身請けしたいから金を貸してくれ」と2人で話すちかえもんと徳兵衛ですが。
「このおなごの過去に何があったかは知らん。けどこの先はきっと私が守る」
「生涯愛し続ける…てな」
<あほな分だけハートはピュアや>
どこか心中を匂わせるピュアな徳兵衛。
もう台詞にカタカナがっつり混ざってるのとか気にしなくなってきたww
■天然のアホ
しびれを切らした徳兵衛が、お初と忠右衛門のいる部屋へ。
そのときっ。
<えぇ~……>
お初が忠右衛門に匕首をつきつける!
それをとっさに徳兵衛!
「なんで親父がお初を身請けすんのや!」
「汚い!大人は汚い~!」
ピュア通り越したアホwww
アホなの?ピュアなの?www
■うた・近松門左衛門
一件落着、と思いきや(何がだ)
「待ちなはれ!まだ仇討ちは終わってまへんで。わい何しに来たかわかりまへんがな」
そう、替え歌がまだです。
そういえばなんで万吉がそこにいる、と思ったら色合い的に擬態してたww
第6話の替え歌は、菅原洋一『知りたくないの』。
歌詞を変えずに来ました、が。
この緊迫の場面で!
替え歌ねじこむ!
違和感がおかしいwww
フォークソングのしばりが外れて、まさかの翻訳曲。
もはや予測不能の替え歌シリーズ。
これ次週や最終回は洋楽でもアニソンでもなんでもくるんじゃないの。
松尾さんのイケボとちかえもんのかいらしさのこのギャップ。
■狸危ない!
「お初は父親を失うた!親父は伜を失う!そんであいこやろ!」
「旦さん危ない!」
「狸危ない!」
徳兵衛の『出来ること』が切なくて胸を打たれる。
と思ったらその直後の「狸危ない!」がかっさらった感www
父子が握る匕首の刃先は……
(ちかえもんのお尻にプニュッと。)
だ か ら な に が ど う し て こ う な る ん だ ww
効果音が完っ全にふざけきってたww
いやでも、ここで刺されるのはちかえもんしかいない(キリッ
■朝鮮人参の真実
もう芝居はしなくていいとお初を見つめる徳兵衛……
ストーブ感溢れかえってた……
鼠の親分押し通し、ワカメハチマキで真相に気付いた万吉。
万吉は全て知ってんじゃないか。
これからどうなるかも全て知ってるんじゃないかと。
■喜助大活躍
徳兵衛のために隠す真実、お寮さんのための真実。
あほボンが知ったら可哀想な真実と、もう知るべき頃合いの真実。
時間差置いた対比がうまいなあ。うーん。
喜助さんが語る真実。
幼い頃に亡くした母を救えるのが朝鮮人参だった。
でもそれには手が届かなかった。
気持ちいい語り口だなあ。
喜助さんが大活躍じゃん。
■『出世景清』
妻を亡くした悲しみに暮れる忠右衛門。
立ち寄った芝居小屋で見たのは『出世景清』。
「神や仏はなき世かの。さりとては許してくれよ。やれ兄弟よ我が妻よと鬼を欺く景清も声を上げてぞ泣きいたり」
義太夫節が切なく聞こえてくる。
■平野屋忠右衛門の「仇討ち」
「復讐に燃える悪七兵衛景清の姿が生き生きと描かれたこの人形浄瑠璃を見て、旦さんはご決心をなさったんでおます」
復讐に燃える景清。
生き生きと描かれる浄瑠璃、。
そこで生きる活力を取り戻していく忠右衛門。
ここ岸部さんのわずかな表情の変化がすごい。
「もう侍に都合のええようにはさせん。どないな手ぇ使てものし上がって、武士をひれ伏させる。豪商になったる。それが…ご寮さんのための仇討ちや」
まさか忠右衛門まで……なんって作り込まれた筋。
■大坂という町で生きていくこと
因縁の朝鮮人参を闇取引するようになり、やがて大坂でも指折りの豪商に。
2話の時点では確実にサクセスストーリーのはずだったのに、切ない。
竹本座の金主となり、純粋な友として出会った格之進と忠右衛門。
でも因縁の朝鮮人参こそが仇討ちである忠右衛門、その闇取引を看過できない格之進は対立を深めてしまい……。
「大坂は銭が物言う町や」
「格之進が侍でわしが商人っちゅうこっちゃ」
大坂は銭が物を言う町だと主張する商人。
蔵役人としての仕事を全うしようとする武士。
その身分がふたりの道を分けた。
「旦さんは決して格之進様を陥れてなどおらんということです」
「やめい!……何を言うたかて遅い」
それでも忠右衛門は格之進を陥れることはしなかった。
格之進を陥れたのは別の役人。
でも、何にしても今はもう遅い、と。
障子越しの夕陽に浮かぶ忠右衛門の表情がどこか悲しくも優しくて。
で、その役人って誰。
■「仇討ち」
「根っからの商人にはこないなことしかでけんのや」
お初に金を渡すのは、忠右衛門がお初に、格之進に『出来ること』。
子供のような『きれいなこと』。
でもお初はそれを受け取らない。
だって父が認めなかったお金だから。
お初は武士・格之進の娘だから。
「私は結城格之進の娘でございます」
「これが定めと受け入れ…生きて参ります。」
「それが…私のあなたへの仇討ち。そして…父への孝行にございます」
たとえ遊女であっても、父は侍。
侍の娘・お初。
そうやって生きていくのが忠右衛門への仇討ち、そして父への孝行だ、と……
先週、ちかえもんは「仇討ちは親不孝」と言っていた。
お初は「不孝糖を口にした」。
でもお初は「仇討ち」と同時に、「孝行」をした。
それまで死んだように生きてたお初の時間までもが救われる「仇討ち」。
誰も血を流さない仇討ち。
なんだこれすごいぞ。
徳兵衛のお初を見つめる視線がなあ……。
一瞬絶望の色に染まり、それでもお初の過去を受け入れ、未来を祈る。
徳兵衛の願いはかなわなかった。
自分に刃を向けたり、別れの言葉を言ったり。
徳兵衛は間違いなくお初を愛していた。
(えっでもこれどうなるの)
お袖の優しい目。
万吉の何かを睨んでるような、でも切なそうな目。
それからちかえもん、何かに気付いたか。
■引き金
皆どこか苦しそうだ、がんじがらめだ、とちかえもん。
万吉が不孝糖売り歩くことのほうが正しいんじゃないかとちかえもん。
「うーん!やっと分かったか!」
万吉……可愛いんだけど、なぜか意味深。
『鼠の親分の子分』(なんだそれ)の話。
親分は『出世景清』を観て生きる気力を取り戻したこと。
それは大したことだと万吉。
にっと笑う万吉、だけれどちかえもん一瞬寂しそうに。
お初の人生を変えたのは良くも悪くもちかえもんか。
「誰も褒めてくれない、ニックネームで呼んでくれない」と拗ねていた中年スランプ浄瑠璃作家・ちかえもん。
かつての名声『出世景清』が、忠右衛門やお初に与えたものは、忠義や孝行のトリガーだったんでしょう。
■タイトル詐欺
義太夫……?と思ったら。
ちかえもんちにいました。
信盛(ちかえもん)のことを心配する母上。
「近松っつあんは当代きっての浄瑠璃作者です。当代きっての太夫の私が言うんやさかい間違いおまへん」
活躍すんの遅っ!!
義太夫の言葉に涙をこぼす母上。
優しい活躍の仕方。
ちくせう、タイトル詐欺だ。
「あっ精一杯男前に化けた狐の人!」
すすり泣く母上と、どこか愉快な万吉とちかえもん。
ほのぼのと小さなコタツを囲む一同が、物語の辛さを忘れさせくれて。
うんやっぱり「義太夫わりと活躍」。大活躍じゃない「些少活躍」
狐…?狸…?
■来週への引きが大切です
ほのぼのエンディングと、思ったら。
<木曜時代劇『ちかえもん』は連続ドラマ。来週への引きが不可欠です>
突 然 の メ タ ナ レ ー シ ョ ン 。
主人公が「次回への引きが不可欠」とか言うんじゃないよwww
■「筋書き」
忘れられていたのは義太夫だけではありませんでした。
この人、黒田屋。
「おかげでまた…筋書きを変えなくてはならなくなった」
<ここにこれ置いたらまた話動くんとちゃうの?>
お初の心を読むように「筋書きを変えなくてはならない」と黒田屋。
曽根崎心中の筋に向かうちかえもん。
ちかえもんが相関図の中に置いたように、物語に食い込んでくる黒田屋。
少し混乱するけれど。なんか不思議な気分。
「さあお初の運命やいかに!…ってな陳腐な言い回しはわしのプライドが許さんのである」
ゲスいぞ黒田屋……!
でも最高に色っぽいぞ…!!
■信じられないのである。
次回、第7話は「賢母喜里潔決断」
っても、タイトルも予告も信じられないのである。
あと2回だなんて信じられないし、曽根崎心中が完成するなんてもっと信じられないのである。
■予測不可能なのである
6話ラテ欄。
再放送はまた変えてくるからなあ、ラテ欄も楽しみ。
絶対に当たらない替え歌予想。
(いや、ほら一応タイトルだから)
(むしろ活躍したのはこっちである)
関連リンク
・『ちかえもん』5話、業深き人形浄瑠璃書き・近松門左衛門。
・『ちかえもん』4話、たぎる妄想、深まる謎、赤うなる朝の沢庵の残り。
・『ちかえもん』3話、なかなか討ち入らない赤穂義士に生きた人間を垣間見る。
『あさが来た』『あまちゃん』他、朝ドラ関係の記事はこちら。
・朝ドラ感想記事のまとめ。
他大河ドラマ、民放ドラマ、NHKスペシャルはこちら。
・少々真面目で結構ゲスいテレビっ子の備忘録まとめ。
■『義太夫些少活躍』
<えらいことになってしもた…。父親の仇である平野屋の旦さんとお初が、同じ部屋で向き合うとる>
<どないする~?わしやったらどないして展開させる~?>
お初と平野屋忠右衛門が対峙してるのを分かりやすく覗き見しながら、生粋の物書きモノローグからはじまる第6回。
※タイトルは「義太夫わりと活躍」です。
「義太夫、わりと活躍」です。
「義太夫、わりと、活躍」です。
(大事なことなので3回言いました)
■あのとき助けてもらったシリーズ
「旦さん…今日まで黙っておりましたが…。実は私…いつか山で旦さんに命を助けて頂いた狸でございます。」
「御恩返しと思て仕えてまいりましたが、こうしてお守りできてよかっ…」
「そんなアホな!!」
な に が ど う し て こ う な っ た 。
「替え歌なんだろな」とwktkしてたらいきなり喜助刺されてびっくり。
ポンっと狸に変身。
えっ何事?
ちかえもんの妄想オチ。
今回も頭からぶっ飛んでるwww
■平野屋の力
お初の正体に勘付いていた忠右衛門。
結城格之進の娘だと確信したのはその顔を思い出したとき……
ってここまでお初とそっくりの子役ちゃんだったら確信するわな、と。
「ここの主人にはわしが話をつける。それ持ってどこへなど行て好きに暮らせ。二度と大阪へは来るな」
お初の計画にも気付いていた。
にらみ合うふたりの目線に目が離せなかった。
「父を死に追いやったと認めますのやな?」
「大坂一の豪商平野屋にそないな口聞ける身分やあれへんぞ。わきまえい!」
問い詰めるお初の視線の強さと、平野屋忠右衛門の迫力。
お初の視線を外そうとしないこの目力。
絶対泣くもんか、って覚悟を感じた。
■ピュアなのかアホなのか
で、そのころ徳兵衛は。
ちかえもんに喉輪とられてました。
足止めのため、「お袖を身請けしたいから金を貸してくれ」と2人で話すちかえもんと徳兵衛ですが。
「このおなごの過去に何があったかは知らん。けどこの先はきっと私が守る」
「生涯愛し続ける…てな」
<あほな分だけハートはピュアや>
どこか心中を匂わせるピュアな徳兵衛。
もう台詞にカタカナがっつり混ざってるのとか気にしなくなってきたww
■天然のアホ
しびれを切らした徳兵衛が、お初と忠右衛門のいる部屋へ。
そのときっ。
<えぇ~……>
お初が忠右衛門に匕首をつきつける!
それをとっさに徳兵衛!
「なんで親父がお初を身請けすんのや!」
「汚い!大人は汚い~!」
ピュア通り越したアホwww
アホなの?ピュアなの?www
■うた・近松門左衛門
一件落着、と思いきや(何がだ)
「待ちなはれ!まだ仇討ちは終わってまへんで。わい何しに来たかわかりまへんがな」
そう、替え歌がまだです。
そういえばなんで万吉がそこにいる、と思ったら色合い的に擬態してたww
第6話の替え歌は、菅原洋一『知りたくないの』。
歌詞を変えずに来ました、が。
この緊迫の場面で!
替え歌ねじこむ!
違和感がおかしいwww
フォークソングのしばりが外れて、まさかの翻訳曲。
もはや予測不能の替え歌シリーズ。
これ次週や最終回は洋楽でもアニソンでもなんでもくるんじゃないの。
松尾さんのイケボとちかえもんのかいらしさのこのギャップ。
■狸危ない!
「お初は父親を失うた!親父は伜を失う!そんであいこやろ!」
「旦さん危ない!」
「狸危ない!」
徳兵衛の『出来ること』が切なくて胸を打たれる。
と思ったらその直後の「狸危ない!」がかっさらった感www
父子が握る匕首の刃先は……
(ちかえもんのお尻にプニュッと。)
だ か ら な に が ど う し て こ う な る ん だ ww
効果音が完っ全にふざけきってたww
いやでも、ここで刺されるのはちかえもんしかいない(キリッ
■朝鮮人参の真実
もう芝居はしなくていいとお初を見つめる徳兵衛……
ストーブ感溢れかえってた……
鼠の親分押し通し、ワカメハチマキで真相に気付いた万吉。
万吉は全て知ってんじゃないか。
これからどうなるかも全て知ってるんじゃないかと。
■喜助大活躍
徳兵衛のために隠す真実、お寮さんのための真実。
あほボンが知ったら可哀想な真実と、もう知るべき頃合いの真実。
時間差置いた対比がうまいなあ。うーん。
喜助さんが語る真実。
幼い頃に亡くした母を救えるのが朝鮮人参だった。
でもそれには手が届かなかった。
気持ちいい語り口だなあ。
喜助さんが大活躍じゃん。
■『出世景清』
妻を亡くした悲しみに暮れる忠右衛門。
立ち寄った芝居小屋で見たのは『出世景清』。
「神や仏はなき世かの。さりとては許してくれよ。やれ兄弟よ我が妻よと鬼を欺く景清も声を上げてぞ泣きいたり」
義太夫節が切なく聞こえてくる。
■平野屋忠右衛門の「仇討ち」
「復讐に燃える悪七兵衛景清の姿が生き生きと描かれたこの人形浄瑠璃を見て、旦さんはご決心をなさったんでおます」
復讐に燃える景清。
生き生きと描かれる浄瑠璃、。
そこで生きる活力を取り戻していく忠右衛門。
ここ岸部さんのわずかな表情の変化がすごい。
「もう侍に都合のええようにはさせん。どないな手ぇ使てものし上がって、武士をひれ伏させる。豪商になったる。それが…ご寮さんのための仇討ちや」
まさか忠右衛門まで……なんって作り込まれた筋。
■大坂という町で生きていくこと
因縁の朝鮮人参を闇取引するようになり、やがて大坂でも指折りの豪商に。
2話の時点では確実にサクセスストーリーのはずだったのに、切ない。
竹本座の金主となり、純粋な友として出会った格之進と忠右衛門。
でも因縁の朝鮮人参こそが仇討ちである忠右衛門、その闇取引を看過できない格之進は対立を深めてしまい……。
「大坂は銭が物言う町や」
「格之進が侍でわしが商人っちゅうこっちゃ」
大坂は銭が物を言う町だと主張する商人。
蔵役人としての仕事を全うしようとする武士。
その身分がふたりの道を分けた。
「旦さんは決して格之進様を陥れてなどおらんということです」
「やめい!……何を言うたかて遅い」
それでも忠右衛門は格之進を陥れることはしなかった。
格之進を陥れたのは別の役人。
でも、何にしても今はもう遅い、と。
障子越しの夕陽に浮かぶ忠右衛門の表情がどこか悲しくも優しくて。
で、その役人って誰。
■「仇討ち」
「根っからの商人にはこないなことしかでけんのや」
お初に金を渡すのは、忠右衛門がお初に、格之進に『出来ること』。
子供のような『きれいなこと』。
でもお初はそれを受け取らない。
だって父が認めなかったお金だから。
お初は武士・格之進の娘だから。
「私は結城格之進の娘でございます」
「これが定めと受け入れ…生きて参ります。」
「それが…私のあなたへの仇討ち。そして…父への孝行にございます」
たとえ遊女であっても、父は侍。
侍の娘・お初。
そうやって生きていくのが忠右衛門への仇討ち、そして父への孝行だ、と……
先週、ちかえもんは「仇討ちは親不孝」と言っていた。
お初は「不孝糖を口にした」。
でもお初は「仇討ち」と同時に、「孝行」をした。
それまで死んだように生きてたお初の時間までもが救われる「仇討ち」。
誰も血を流さない仇討ち。
なんだこれすごいぞ。
徳兵衛のお初を見つめる視線がなあ……。
一瞬絶望の色に染まり、それでもお初の過去を受け入れ、未来を祈る。
徳兵衛の願いはかなわなかった。
自分に刃を向けたり、別れの言葉を言ったり。
徳兵衛は間違いなくお初を愛していた。
(えっでもこれどうなるの)
お袖の優しい目。
万吉の何かを睨んでるような、でも切なそうな目。
それからちかえもん、何かに気付いたか。
■引き金
皆どこか苦しそうだ、がんじがらめだ、とちかえもん。
万吉が不孝糖売り歩くことのほうが正しいんじゃないかとちかえもん。
「うーん!やっと分かったか!」
万吉……可愛いんだけど、なぜか意味深。
『鼠の親分の子分』(なんだそれ)の話。
親分は『出世景清』を観て生きる気力を取り戻したこと。
それは大したことだと万吉。
にっと笑う万吉、だけれどちかえもん一瞬寂しそうに。
お初の人生を変えたのは良くも悪くもちかえもんか。
「誰も褒めてくれない、ニックネームで呼んでくれない」と拗ねていた中年スランプ浄瑠璃作家・ちかえもん。
かつての名声『出世景清』が、忠右衛門やお初に与えたものは、忠義や孝行のトリガーだったんでしょう。
■タイトル詐欺
義太夫……?と思ったら。
ちかえもんちにいました。
信盛(ちかえもん)のことを心配する母上。
「近松っつあんは当代きっての浄瑠璃作者です。当代きっての太夫の私が言うんやさかい間違いおまへん」
活躍すんの遅っ!!
義太夫の言葉に涙をこぼす母上。
優しい活躍の仕方。
ちくせう、タイトル詐欺だ。
「あっ精一杯男前に化けた狐の人!」
すすり泣く母上と、どこか愉快な万吉とちかえもん。
ほのぼのと小さなコタツを囲む一同が、物語の辛さを忘れさせくれて。
うんやっぱり「義太夫わりと活躍」。大活躍じゃない「些少活躍」
狐…?狸…?
■来週への引きが大切です
ほのぼのエンディングと、思ったら。
<木曜時代劇『ちかえもん』は連続ドラマ。来週への引きが不可欠です>
突 然 の メ タ ナ レ ー シ ョ ン 。
主人公が「次回への引きが不可欠」とか言うんじゃないよwww
■「筋書き」
忘れられていたのは義太夫だけではありませんでした。
この人、黒田屋。
「おかげでまた…筋書きを変えなくてはならなくなった」
<ここにこれ置いたらまた話動くんとちゃうの?>
お初の心を読むように「筋書きを変えなくてはならない」と黒田屋。
曽根崎心中の筋に向かうちかえもん。
ちかえもんが相関図の中に置いたように、物語に食い込んでくる黒田屋。
少し混乱するけれど。なんか不思議な気分。
「さあお初の運命やいかに!…ってな陳腐な言い回しはわしのプライドが許さんのである」
ゲスいぞ黒田屋……!
でも最高に色っぽいぞ…!!
■信じられないのである。
次回、第7話は「賢母喜里潔決断」
っても、タイトルも予告も信じられないのである。
あと2回だなんて信じられないし、曽根崎心中が完成するなんてもっと信じられないのである。
■予測不可能なのである
6話ラテ欄。
再放送はまた変えてくるからなあ、ラテ欄も楽しみ。
#ちかえもん ラテ欄で遊んでる製作スタッフ名乗り出ろください。
— ゆずず (@yuzu0905) 2016, 2月 18
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絶対に当たらない替え歌予想。
大人の事情も全部振り切って「ドラえもん」来るんじゃないかと。#次回のちかえもんの替え歌を当てよう
— ゆずず (@yuzu0905) 2016, 2月 20
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