<<ネタバレしてます。未読の方はご注意ください>>
読んでなかった自分を殴りたいcomicoの名作を勝手にピックアップします。
第1弾は、『第3艦橋より』、『SACRIFICE OBLIVION』、『The World』を紹介しました。
第2弾はyoruhashiさんの『剣の王国』(金曜更新)と、北大路ミミさんの『On the way to Living Dead』(土曜更新)。
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関連
・読んでなかった自分を殴りたい『第3艦橋より』、『SACRIFICE OBLIVION』、『The World』
・『第3艦橋より』の読み応えポイント5つ
・『SACRIFICE OBLIVION』のイチオシポイント4つ。
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まずはこちら。
『剣の王国』
とある王国で、王都へ旅をする2人(と1羽)の冒険ファンタジー。
ワンピースの雰囲気に、グリム童話やアンデルセン童話などのスパイスが足されて、大人でも十分楽しめる内容です。
私あんまり異世界ファンタジーものは食わず嫌いの気がありまして、縁遠かったのですが、「ファンタジーもなかなかいいな」と思わさせてくれた作品です。
冒頭は「むかしむかし、つるぎの王国と呼ばれたところに3人の魔女がいました」からはじまります。
物語の主人公は、この3人の魔女のうちの3人目・ジルコニアの愛弟子であるアルフレド・ペンドラゴン。
ファンタジーノベルって結構な確率で『勇者=いいヤツ』なんですが、こちらの主人公・アルフレドはちょっと違う。
というのも王都・エメラルドへ向かう目的(動機)が、
7年前に殺された師・ジルコニアの復讐のため、なのです。
ついでに言うと『勇者のおつきの者=ヒロイン=妖精だったり王女だったり』なんですが、この『剣の王国』の場合でいうと、
ヒロインってドロテーア?ジルコニア?
っていうダブルヒロインなのが新しいと。
時系列上、青年・アルフレドと旅をしているのはドロテーアですが、まあなんというか……
「足引っ張るのもたいがいにせい」と言いたくなるドジ女。
いや、それなりに貢献しているところもあるんですが(竜の卵のくだりとか、靴とか)、ここまでドジなヒロインは新しい。
(しかしドロテーアの女子力は高い)
その点、もう一人のヒロイン・ジルコニアは、時系列上では話の中で登場だけですが、物語の中ではかなり重要な位置を占めている。
過去編ではそのくだりがいろいろ明らかになりました。
彼らが魅力的なのは、良くも悪くも人間的だからだと思います。
アルフレドはそもそもの動機が復讐だし、ドロテーアは出落ちだったりドジだったりするし、
何よりジルコニアにあふれる母性に涙腺崩壊。
そんな魅力的なキャラクターが『冒険』を舞台に活躍します。
ワンピースの雰囲気と書きましたが、まあ舞台が『海』や『船』で『冒険』で『旅』だから、なのかもしれません。
仮に気になったとしても、それを忘れられるくらいの童話の要素や、人間ドラマの要素があります。
(そもそも私自身ワンピースはチョッパーのくだりでとまってるので、ぶっちゃけよく知らない)
続いてこちら。
『On the way to Living Dead』
舞台は東京湾に浮かぶ人工島・富士島。
富士社が作った島で、医薬品・OLDの研究がされていた島で、研究設備のほか居住設備や教育設備が整っている島です。
その島で2003年6月、異変が起き始めました。
ゾンビがわちゃわちゃと。
主人公である島の住民・吉祥寺まひる(18)はゾンビ化した友人たちの中から命からがら抜け出します。
彼女を助けたのかもう一人の主人公・安藤竜太郎(28)。
2人はどうにか他の生存者たちと合流し、助けを呼ぼうと外部に通信をとろうとします。
が、行く手を遮るのはゾンビたちだけではなく、この事態を引き起こしたとされている吉祥寺内斗博士(まひるの兄)。
仲間の中での犠牲者も出る中、少しずつゾンビたちの謎も、富士社の謎も、OLDの謎も解き明かされていきます。
とにかく謎が多いのですが、「もしかしたらありうる舞台設定」が個人的に面白いなと。
『不老不死』は、現代医療でも課題のひとつでしょう。
医薬品を作っている過程で、『毒薬』が生まれる可能性だってあります。
それがもし兵器になりうるとすれば、世界各国の軍部が手に入れようとすることだって大いに考えられます。
実際に安藤竜太郎は、米国CIAと関わりのある人間。
生き残った仲間には、ロシアや中国から来ている(もちろん日本名で隠してるけど)人もいます。
ではなぜ吉祥寺内斗博士はゾンビを生み出すマッドサイエンティストとなったのか。
周囲が感染した中でまひるだけが生き延びたのはなぜか。
謎が少しずつながら確実に解き明かされていきます。
そんなストーリーも魅力的なのですが、魅力的なのがゾンビ。
ってもバイオハザードくらいしか思いい浮かばないんですが、まあーえぐいことえぐいこと。
とはいえ目を覆いたくなるくらいの吐き気を伴うようなグロさではありません。
絵自体がアメリカンコミック的な絵なので、
ポップなゾンビといえばいいのか、なんといえばいいのか。
可愛ささえ覚えるレベルです。
(いや、実際あんなんいたらグロいんだろうけどさ)
もう一つ、とにかく魅力的なのが、これ。
安藤さんがイケメン。
・強い
・寡黙
・なんか秘密隠してる
・優しい
・色っぽい
・色っぽい(大事なことなので2回目)
などなど「これ待ってました」と言いたくなるくらいのイケメン。
安藤さんだけでもおなか一杯になるのに、さらにイケメンが多いから困ります。
第3弾、またやります。
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