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【ネタバレ注意】3分でわかる『第3艦橋より』、その6(66~74話)

2015-10-01 23:28:04 | 漫画いろいろ
comico、城谷間間さん作の『第3艦橋より』のあらすじ(その6)です。
66話から74話くらいまで。

(2015年9月末現在、最新98話)




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【ネタバレ】『第3艦橋より』、元老院の謎を考える。



<<以下ネタバレしてます。未読の方は注意>>







【スマロとポピーに宿ったその魂】


<66話~68話くらい>
・スマロ無双
・マリーゴールド、プラズマ化
・ポピー、魂を宿す
・スマロ、魂を宿す。


ヨベルとことみの前にスマロが現れました。
ヨベルは、すぐにかつてスッチと再会したときに一緒にいたアンドロイド714392であることに気がつきました。



戸惑うヨベルと元老院の面々。
スッチは悩み抜いた末に、「私はここです!」と艦長に居場所を伝えました
身を呈してPTSのハッキング、魂の間への侵入を試みていた艦長は、スッチの声をもとに魂の間へとたどりつきます。
そこで艦長がみたものは「1215年前、テヤ人が外宇宙より回収したもの」でした。


艦長がPTSをハッキングしたことにより、元老院の通信網は途絶え、ヨベルの立体映像も投影ができなくなりました。
ことみの頭部に刺さりかけていたPTS核が壊れると同時に、ことみはそのまま落下します。
が、スマロがぎりぎりのところで間に合い、ことみの手を握りました。

スマロの様子が変わったことに気がついたことみ。
それは長らく会えていない愛猫・にぼしによく似たオッドアイでした。
「にぼしちゃん!!」
と呼ぶことみに、スマロは笑顔を見せます。


そのころ艦長の身を案じるマリナの横で、治療中だったポピーが目を覚ましました。(66話)

目覚めたポピーは自我と理性を完全に取り戻していました。
モノローグで夢の中で聞こえていた声を思い出します。

マリナはポピーに、魂が宿っているのではないかと指摘。
ポピーはその実感はないと話しますが、マリナは涙がトリガーになっている仮説があることを伝えます。



「寝ている間、夢の中でずっと声が聞こえていたんです」
「壁の向こうから誰かの声が、一人はは男性でした。懐かしいような…でも顔はわかりません。もう一人は女性で…僕はもっと小さな存在で、まだ意識がはっきりしない曖昧な空間で…」

ポピーが夢のことをポツリポツリと語り、その女性の声の主がスッチであると明かしたとき、ポピーの目には涙が浮かんでいました。

マリナはそんなポピーの様子を見て、スマロのことを思い出しました。
ポピーに、スッチの涙に触れたことがあるかを慌てて確かめるマリナ。
(ポピーは37話で瀕死の状態ながらスッチの涙を拭っています)

マリナはポピーに魂を宿したのはことみではなくスッチであると確信しました。


そしてとある回想シーン。
スッチが窓外の花畑を眺めながら、夫であるウルヴァに話しかけています。
「名前は……ポピー、がいいわね」



ポピー・アジェナという名前の子供をスッチは産むはずでしたが、艦内の騒乱から出産に至らず。
長い時間を経て偶然同じ名前の青年・ポピーがスッチの目の前に現れました。
そのポピーが思考制御を失ったとき、魂を宿し理性と自我を取り戻させたのは、かつてスッチが産む予定だった胎児でした。
それがタイトル「最後の奇跡」というわけです。
(67話)

一方、スマロとことみはそのまま元老院の亜空間を落下していました。
地下の水面まで落ちたふたり。
スマロはことみを守りつつ、吸水弁からの脱出を試みます。

水中をどうにか脱し、元老院地下にたどり着いたスマロたち。
ふたりが目にしたのは、大きな目玉状の建造物でした。
中央部には槍が刺さっており、上部から液体が降っています。
扉に書いてある文字をスマロが解読しました。
「魂持たざる者に死を」


魂という単語が気になり、スマロにそこににぼしはいるのかを尋ねたことみ。
スマロは「観測不可」と答え、続けようとしますが、スマロではない声の主が言葉を発しました。
「ことみ、やっと会えた。どうしても伝えたかった」
それはにぼしの声のでした。
にぼしとの思わぬ再会に泣き崩れることみ。
にぼしはスマロに呼びかけます。
「どうかこの人を守ってくれ」
スマロは自身の中の魂を実感しつつ、笑顔で「了」とだけ答えました。




一方、PTSの破壊に成功した艦長。
魂の間にてスッチと再会していました。
「せめてお前だけでも救いたいと思っている」と艦長。
しかしスッチは
「私たちテヤ人の旅はここで終わりです。私たち7人の記憶をあなたに託します」
と言いました。(68話)







【元老院の秘密】


<67~72話くらい>
・元老院たち、子どもが出来ない。
・「夜がダメなら昼間にすればいいじゃない」
・ナミさん、謎の発言。
・ヨベル、食われる。
・ヨベル、帰ってくる。
・スマロとことみ、釣りをする。
・スッチ、生着替え。


元老院の魂を観測するマリーゴールド。

冒頭、リンとヨベルの様子が描かれます。
「愛してる」の言葉を求めるリンに対して沈黙を貫くヨベル。


一方、オリスは無人の居住区を見下ろすスッチと共にいました。
生存のためとはいえ移動を繰り返さざるをえないことを謝るスッチ。
みんながいるから大丈夫だ、とスッチを庇うオリス。



ある晩、オリスは部屋で手紙に読みいるスッチを見かけます。
「スッチ先生、またあの手紙読んでる……」
と複雑な表情を浮かべるオリスでした。

そんなオリスのところにリンが訪ねてきて、受胎がうまくいかない理由は愛が足りないからだと話します。
オリスは茶化しながらも、リンの意見に耳を傾け、やはり自分たち(オリスとスイ)も受胎がうまくいかないことを明かします。
それはイザキとナミも同様でした。
弱気なイザキに対してリンは
「私たちが生き残るためには子供をたくさん作らないといけないのよ」
と諭します。
それでもナミの目を心配するイザキ。リンは彼に対して
「優しすぎるのよ、イザキは…」
と付け加えました。

そのころ別室では、スイとナミが二人きりで話しています。
ナミに想いを寄せている様子のスイ。
ナミに触れようとしますが、ナミは
「金色の子どもが見ている」と。
そして二人は口づけを交わしました。
その一部始終を見ていたオリスは何も言わずにその場を立ち去りました(69話)



ある晩、ヨベルとイザキに起こされたオリス。
3人はスッチにばれないよう、艦橋区へ向かいます。
オリスに目的を問われたヨベルはこう答えました。
「スッチ先生から聞かされている。俺たち以外のテヤ人が全滅した原因、覚えているか?」
「ヘリオポーズ脱出後、外宇宙から回収した『漂流物』…」
「それが何だったのか確かめる」

数時間後、艦橋区奥にたどり着いた3人。
扉の向こうにあったのは、目玉の形を模した仰々しい『漂流物』でした。
その目玉は瞼をひらき、何やら動いています。生きている様です。



弱気になるヨベルですが、油断した一瞬でした。
目玉の一部が鋭い歯を剥き出しにし、ヨベルに襲い掛かります。
とっさのことで逃げ切れなかったヨベルはそのまま飲み込まれてしまいました。



オリスとイザキはヨベルを待ちますが、目玉の中から出てくる気配はありません。
やむをえず朝を迎えているスッチ、リンたちの元に戻ります。

「艦橋区で起こったことはスッチ先生には言えなかった…」とオリス。

しかし1週間後。
ヨベルがオリスたちの前に姿を現しました。



駆け寄るスッチとリン。
スッチに抱きかかえられて笑顔を見せるヨベルですが、その瞳が怪しく光りました。

「ヨベルは何事もなかったかのように戻ってきた」
「しかし今にして思えば、それは私の知っているヨベルではなかったのかもしれない」
(72話)



また別の日。
スッチが何やら本棚で探し物をしています。


オリスはスッチに、ヨベルのことをどう思うかを尋ねました。
「帰ってきてから何か様子が違いませんか?」
「そう…かしら」
とスッチ。もう危険なことはしないようオリスに伝えます。

居住区を見下ろす場所で話すオリスとヨベル。
オリスがヨベルに尋ねます。
「あれは何だったんだ?どうやって戻ってきた?あの中で何を見たんだ?」
スッチはヨベルの変化に気づいていないものの、リンは気づいていると伝えるオリス。
しかしヨベルはオリスの質問には答えません。
「オリス、この世界のことをどう思う?スッチ先生のことをどう思う?」
と質問を返しました。

このままスッチと共に行動をしていていいのか、と詰問するヨベル。
「スッチ先生はおかしい」
「俺たちに残された時間は少ない」
と話した後、オリスにある書類を見せます。
それはスッチがかつてテヤ人の人口減少を研究したレポートでした。



「スッチ先生は俺たちに残された道が、ゆるやかな死しかないとわかっていて」
と座り込みながらも話すヨベル。
戸惑うオリスに対し、ヨベルは立ち上がり、続けます。
「オリス!俺の目をみろ!」
オリスがスッチに抱いている好意を見抜いていたヨベル。
その目がまた怪しく光ります。

さらにヨベルは、オリスがスッチの手紙(ウルヴァ・アジェナからの手紙)を隠していたことも知っていました。
「だが…オリス。お前の想いは届かない」
と、スッチが過去を見て生きていることを伝えます。

全てを見透かしているようなヨベル。
オリスはヨベルの問いには答えず、「あの中で何を見たのか」ともう一度最初の質問を繰り返しました。
ヨベルは
「全てだ。あれは遠い宇宙からずっとテヤ人を見ていた。あれは観測者だ」
そして続けます。
「オリス、俺についてこい」

スッチへの想いが届かないことは、ヨベルに言われるまでもなく気づいていたオリス。
ヨベルに協力する旨を伝えました。

「そうして私たちはスッチ先生を傷つけ、自らの道を歩むことになった」(71話)


※このシーンで56話、スッチとヨベルらが袂を分かつシーンにつながります。
 57話以降ではスッチ視点で物語が進行しますが、72話は残った元老院らの視点です。

『漂流物』を前に集まる6人。
ヨベルが魂について説明をしています。
「魂とはゆらぎだ。それは無限の可能性を観測する力」
「可能性の選択こそ魂の論拠とも言える。それは恒星間運動がもたらす人の想い」
「この目は第一次観測者だ」




(物理学、量子力学用語が多く出てきます。こちらの記事の後半部分に少し書いてあります)

ナミは『漂流物』に触れ、
「ついに見つけたのね」
と笑みを浮かべました。


+++++++++++++++

場面は一転。
スマロとことみが、『神の目』を前に立っています。



地球のことを思い出すことみ。
スマロは軍事衛星をハッキングして得た情報を伝えます。
「QWERTYの走査ポッドが太平洋沖に集結。米ロ太平洋艦隊、英国陸軍、中国原潜、日本海自が出動し経過を監視していたようです」
「おそらくそこが地球の魂が集まる場所かと思われます」
事態の大きさと懐かしい地球の国名に驚くことみ。
さらにスマロは走査ポッドがマリーゴールドのハッキングによって動作停止した旨を伝えます。
「地球のそれが動き出すとヤバい感じなのかな」
とことみ。
「地球の魂(ガフ)の間が開かれ、神の目の観測対象になれば、地球人は消滅する」
スマロはそう言いますが、なぜ自身がそんなことを言ったのかもわからない様子。

ちょうどそのとき、2人は海水に泳ぐ魚を見つけました。
あからさまに喜ぶスマロに、釣りを提案することみ。

釣りをしながら、ことみは複製体(こぴみ)への想いを語りだしました。
「こぴみちゃんに責任はないんだよ」
と気を落とすことみを励ますスマロでした。


+++++++++++++++

再び場面は変わり、魂の間。
ことみが近くにいるとスッチに伝えるマリーゴールド。
「ことみさんはあなた達Q人の光となります。今はまだその運命に気づいていないだけ」

元老院全員分の侵入コードにたどりつくときが近いことを話し、
「神の目を破壊して終わりだ」
とマリーゴールドは話します。



頷くスッチの横にはオリスがいました。(72話)

※72話の終わりに、神の目(観測者)に関しての設定資料が掲載されています。





【ナミ、イザキ、スイの侵入コード】


<72.5~74話くらい>
・ウルヴァさんの手紙
・リン、闇堕ち
・ナミ、魂を格納
・イザキ、魂を格納
・スイ、魂を格納


ウルヴァ・アジェナがスッチに託し、オリスが隠した手紙が掲載されます。
困難を極めた複製体実験の真相、漂流物回収の様子、その後の艦橋区、アンドロイドの処分、ウルヴァが残した血清。
そしてスッチへの想いが語られます。(72.5話)

※73話前半部分、わかりやすくコミカルな『これまでの第3艦橋より』と、人物相関図が併せて掲載されています。

舞台は再び元老院たちの過去、オリスとヨベルの場面ではじまります。
(58話でスッチの魂を格納したあとの場面)



魂の格納の困難さを話すオリス。
「分離した魂も不安定だ。まばたきのように閉じた瞬間だけこちらに発現する状態で安定しない」
険しい表情のオリスに対して、「次で調整すればいい」と楽観的なヨベル。
6人の魂を格納していく順番が決まり、それまでに複製体を用意することも決まりました。
(ナミ、イザキ、スイ、リン、ヨベル、オリスの順番)

しかしながら複製体に関しては、リンをめぐる問題がありました。
「愛がないのに生まれてくる」複製体に対して嫉妬するばかり、複製体の惨殺を繰り返すリン。
そんなリンについてオリスは
「少しはあいつのことをちゃんと見ろ」とヨベルに伝えます。

しかしオリスもまたスッチに対しての良心の呵責を抱いていました。
淡い恋心ながら手紙を隠してしまったこと。
その贖罪として、スッチの魂を確実に格納することをヨベルに話します。


スッチの魂の格納から1年後。
ナミの魂を格納する日がやってきました。

これからどうなるのかと不安を抱くイザキに対し、
「私たちテヤ人は橋。全ての想いは次の生命に受け継がれる。」
とナミが話します。
目を覆っていた包帯をとったナミに、「愛している」と伝えるイザキ。
その想いに答えることのできないナミでしたが、「いいんだ」とイザキは受け入れます。
しばしの別れを愛しむ2人が描かれます。




そして明かされるナミの魂の間の侵入コード。
『イザキへの贖罪と、スイへの罪悪から解放されたい』

またイザキの魂の間の侵入コード。
『僕はナミの目になりたかった』



2人の魂は、現在の魂の間にたどり着き、そこにはスッチ、オリス、マリーゴールドがいます。
マリーゴールドに対し「やっと迎えに来てくれたのね。ずっと私のことを見ていたでしょう?」とほほ笑むナミ。

「続けよう」と、マリーゴールドは残る6人の魂の観測を続けます。(73話)


次の場面。スイのモノローグから始まります。
「私の愛は罪だろうか」
子孫を残さなければ生き残ることができない環境の下、オリスではなくナミを愛してしまったことに罪悪感を抱くスイ。

そんなスイの魂が格納される前日。
スイはオリスに業務連絡のように、研究の話をしています。
「こんな日もそれは変わらない」と笑うオリス。
謝るスイに、オリスはスイの気持ちがナミのほうを向いていたことは知っていると話します。
さらに謝るスイですが、謝る必要はないとオリス。

研究の進捗状況を確認した後、オリスはスイに「言い残しておくことは?」と尋ねます。
スイは重い口を開きました。
「恒星間と魂の関係のことを知って、おそらくその予測が概ね間違いないのだろうと全員の認識が一致したとき」
「私は…私は…心底ほっとしたんだ」
と涙ながらに語り始めます。



こうした異常状況下で同性であるナミ愛してしまったこと。
また仮に身体だけをオリスにゆだねて子どもを授かったとしても、母親となる自信がなかったこと。
だから、スイやオリスだけではなく他の4人も子供を残せないという現状を目の当たりにしたとき、安心したこと。
その罪悪感を抱き続けていること。

スイの告白を聞いたオリス。
彼女を責めることはせず、スイの思考や性質は複製体たちに受け継がれていく、複製体たちがスイの抱く罪悪感の答えを導き出してくれる、と話しました。
「私もそれを願うよ…」
とスイ。

そしてスイの魂の間の侵入コードが明らかになりました。


『この愛の答えを知りたい』






続きます。

・本編を読む→comico『第3艦橋より』

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