妄想ジャンキー。202x

あたし好きなもんは好きだし、強引に諦める術も知らない

〈08夏、三浦半島夏探し〉風に戸惑い三浦海岸

2008-07-19 15:06:39 | ○08夏、三浦半島夏探し
【三浦海岸】

ところ変わって三浦海岸。
海水浴客を追い掛けて砂浜を目指す。
往来激しい県道はやがてT字路にぶつかり――
「海だ!」

と、思わず砂浜に駆け出したらバカをみる羽目になった。
「あっちぃ!」
今日一番の暑さが足裏に染み渡る。
『暑い』じゃない、『熱い』だ。
「日陰日陰……」
さすがに海水浴場とあって日を遮るものはほとんどない。
砂浜をピョンピョン跳ねながら海の家の陰に逃げ込む。
足裏は真っ赤。
「なんでみんな平気なの?」
と思いきや、ビーチサンダルの子供が泣きながら走っていた。

心頭滅却すれば火もまた涼しって言うけれど熱いもんは熱い。
今度は砂がサンダルに入らないようにしっかりと歩く。
どうにか波打ち際までたどり着いたときには、安心しきって涙が出そうになった。
波が打ち寄せた途端――
「いたたたた」
さっきの砂は相当の熱さだったらしい、塩水が染み込んで足に痛みが走る。
――こりゃあヤバイぞ。
いっそこのまま海に入ってしまいたい。
しかし女22歳、一人で私服。
「あ、もうすぐ23か」


足の痛みも少し和らぎ、水に浸しながら海岸を眺めた。
はるかに広がる空と海が眩しい。
――ここでサザンでも流れてくれればなあ。
サザン聴きながら海水浴をしたのは何年前だっけ。
蘇る風景は写真みたいに、都合のよいところしか出てこない。
違う、都合のよいところしか見ていなかったんだ。
なんで今になってこんなことを思い出すんだろうか。
それさえも判らないまま空を仰ぐ。
眩しさと懐かしさに涙が出そうになる。

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