妄想ジャンキー。202x

あたし好きなもんは好きだし、強引に諦める術も知らない

『ちかえもん』7話、親不孝子不孝、あほぼん逃避行。

2016-02-28 11:15:20 | テレビ
木曜時代劇『ちかえもん』7話のネタバレ感想まとめである。



なんだかすんごいドラマを見ているような気がする。



替え歌の予想がつかないのが楽しい。




関連リンク

『ちかえもん』6話、義太夫わりと活躍、狸大活躍なのである。

『ちかえもん』5話、業深き人形浄瑠璃書き・近松門左衛門。

『ちかえもん』4話、たぎる妄想、深まる謎、赤うなる朝の沢庵の残り。

『あさが来た』『あまちゃん』他、朝ドラ関係の記事はこちら。
朝ドラ感想記事のまとめ。

他大河ドラマ『真田丸』、民放ドラマ、NHKスペシャルはこちら。
少々真面目で結構ゲスいテレビっ子の備忘録まとめ。





■うた・近松門左衛門




第7話の替え歌は、ペギー葉山、ダークダックス他「かあさんの歌」

まさかの童謡!
まさかのタイトルどんぴしゃり!!




■親孝行な弟


鯖江の弟から届いた文は、母・喜里に福井に帰ってくるよう伝えるものでした。



江戸元禄年間にエアコンやら冷蔵庫やらパソコンやら揃えてるっていう。



■平野屋の秘密


 

喜助に連れられて平野屋の蔵にやってきた徳兵衛は闇取引の朝鮮人参を目にします。
(平野屋と朝鮮人参については前回を参照)

父が守ってきたものを目の当たりにして、言葉を失う徳兵衛。


「ほんまにあれに跡を継がすべきやろか」
「純真な徳兵衛には闇取引などもとよりでけん仕事や」


父・忠右衛門もまた、アホすぎるピュアな徳兵衛に闇取引は難しいんじゃないかと考えていました。

もうこのときの忠右衛門が優しい父親の表情をしているんですね。
悪役か?と思われたころのあの悪い顔の面影はなく、大阪の豪商として守るべきものを守ろうとした大人の姿。


で、徳兵衛のいる蔵にやってきたのは万吉。
「あほぼ~ん!」
「いもり!何でこないなとこへ…」


と現れるのですが、『あほボン』『いもり』ってなんか楽しそうだな!!


万吉は徳兵衛に、黒田屋がお初を300両で身請けするという話を説明します。
しかしお初に惚れている万吉はどうしても納得がいかず、300両と5文でお初を身請けしようと。

 
「そない思てな。ところがどや、あのすかした油屋が…」

とは言うものの、徳兵衛はお初が黒田屋に身請けされることに納得した様子。
もう二人の恋は決着をつけなければならない、と徳兵衛もわかっているんですね。

ああ、このストーブ感切ない。

徳兵衛に「黒田屋はろくでもない奴だ」と話すも、徳兵衛自身は「お初が元気ならそれでいい」と。
しかたなく万吉は下がります。


「まぁええ。この5文はもろとく」
「なんでやねん!」


徳兵衛の食い気味な「なんでやねん」に笑いつつ、ちょっと意味深な万吉


そもそも万吉、お初が300両で身請けされるとお袖から聞いたときに
「それなんぼや!?」
とちかえもんとお袖に尋ねてました。
ちかえもんは
「もはや想像つかん額やちゅうてる時点で、お前にはどないしようもあれへんわ」
と諭していますが。

300両があまりに高額だから想像つかなかった?
それともいわゆる「それ現代のレートでいくら?」みたいな感覚?
だとしたら……

万吉って異世界の人?




■こっちの闇取引


平野屋の切ない闇取引の裏で進行していたのは、こっちのガチ闇取引。

 
「まもなく平野屋は大きな失態を演じることになります。お上のお取り潰しは必至。
 そこですかさず朝鮮人参の闇取引に関わる全てを西町奉行様とこの黒田屋がそっくり頂戴する。
 間を取り持たれる鬼塚様もまたこの先ずっとうまい汁が吸える」


奉行、与力・鬼塚を巻き込んだ闇取引。
先週は切ないアイテムとして描かれた朝鮮人参、今週はまるで拳銃か薬か何かのように……
朝鮮人参の持つ影響力の大きさを感じる瞬間。



■駄々っ子・ちかえもん



そのころちかえもん。
家で繕い物をする母と話しておりました。
母のことが気がかりで筆も進まない、筆が進まないから天満屋で余計な金を使ってしまう、また悪い巡りになる…
なかなか情けない理論。

だって天満屋って、元禄のキャバクラだぞ。

もちろん母上から「人のせいにするな」と諌められるのですが。
ちかえもんは駄々をこねて…


「そやさかいその立派な弟んところに行ったらよろしおましやろ!」

な…情けねぇ……



■当代きっての義太夫の言葉


でも情けないことを一番知っているのはちかえもん自身。
竹本座の楽屋で義太夫と話しています。
(きっと飛び出したんだろうな)


「わてはええ歳して親不孝や」

自分が不孝者だとわかっている。
わかっていても現状は変えられない。
そのうしろめたさからどうしようもないしょうもないことを言ってしまうと。


「おかあはんかて一緒やろ。おまえがええ浄瑠璃書けるようになんぞしてやりたい。
 それが歯がゆいさかい、『このええ歳こいて無駄飯食いのど腐れ作家!』ちゅうて口汚う罵んのや」
「そこまで言われてへん!」


確かにそこまで言ってないwwww


傑作を書いて後添えをもらえばいい、だがその傑作はどう書けばいい?と悩むちかえもん。
そんなちかえもんを義太夫は励まします。


「人がどない思おうと、己がこれやちゅう思うそいつを書いたらええねん」

それだよ、それなんだよ。
スポンサーだとか上だとか視聴者だとか気にしないで、面白いと思ったものを作ってほしい。

てかむしろ義太夫活躍してんの今回じゃね?





■母上の子不孝


ちかえもんと義太夫が話しているそのころ。
母上が倒れました。

万吉が居合わせたのですぐに医者を呼んだのですが、その診療代が足りない万吉。
でも「お代はいらない」と医者・横川敏斎は話します。

 
「その代わり、新作が出来たら木戸賃をただにするよう近松先生に言うとくなはれ」
「やぶ医者の楽しみいうたら、浄瑠璃くらいのもんだすさかいな」


医師の言葉に感無量の母上。
そう、ちかえもんは近松先生なんです。

「それよりも不孝糖をちょうだい」
と母上は万吉の新作不孝糖を食べます。


「万吉殿。母親などというものは…愚かなものじゃなあ…いつまでも自分が子どもの世話をしてやってると思うておる。かえってそれが邪魔になっているとも気付かずに…」

母上に刺さったのは先ほどのちかえもんの言葉。
自分がこの状態では、ちかえもんは人形浄瑠璃の執筆どころではないだろう、と越前に帰ることを告げるのでした。


「子不孝のわがままと許してちょうだい」

親不孝、子不孝…
でも誰よりもちかえもんのことを思っているのは母上。
それを「子不孝」とあらわす奥深さ。


「おかあはん…ちかえもんはきっと…傑作にんじょうぎょうるり書きまっせ」
「ちかえもんのことはわいに任してください」


安心してくれと伝える万吉。
万吉のことをどこか信頼している母・喜里は微笑みながら涙を隠すのでした。

励ましの言葉ともとれるのですが、どこか意味深な万吉の言葉。
万吉は……本当に何者?




■汚い~!黒田屋汚い~!!


ある日、徳兵衛に話しかけてきたのは黒田屋。

 

黒田屋がお初を身請けすることを知っている徳兵衛は何とも複雑なのですが。



黒田屋が言い出したのは「お初のために朝鮮人参を分けてくれ」とのこと。
朝鮮人参はご禁制の品、いくらのやり手黒田屋でも手に入らない。
闇取引をしている平野屋に分けてくれ、と頼んだ黒田屋。

 

違和感たっぷりに「証文を書きましょう」と黒田屋が言い出すのですが。



あああああ、それ絶対騙されてる絶対に騙されてる。



■プロポーズしてしもた


で、結局天満屋にむかうちかえもん。(喫茶店か?喫茶店なのか?)
義太夫と話し込む中風邪をひいてしまったらしく、くしゃみ連発。
でもそこに優しいのが年増遊女のお袖。
そんなお袖にちかえもんは…


「わしの…(くしゃみ)
(くしゃみ)…になって」
「わし…(くしゃみ)
「わ…(くしゃみ)


全然言えてないwww
笑い堪え切れない優香さんかわいい。


 
「わしの嫁さんになってくれ~!」

言えた!!


<言うてしもた~!近松門左衛門51歳、プロポーズしてしもた~>

(もう横文字入っても何も違和感がないこの時代劇)

でもお袖は
「あんたこれから傑作書くんやろ?後の世に名を残す作家の先生なんやろ?そないな偉い者が、わてみたいな者嫁にしたらあかん」
と言ってちかえもんの前から去ってしまいます。


「いきなり何言い出すんやあのじじい。びっくりするやんか…」

そんなお袖がとっても素敵。



■うた・近松門左衛門(2曲目)


傷心のちかえもん。



まさかの2曲目!!

2曲目は五木ひろし「よこはたそがれ」をアレンジした「おおさかたそがれ」。
随分サービスするなあ……



■すごい、曽根崎心中に寄ってる


頼まれた朝鮮人参を持って行った徳兵衛ですが…
それはもう黒田屋の罠の手中。

証文があるじゃないか!と言うも、それは……

 
「この九平次は先の25日に鼻紙袋を落として印判も一緒に失いました」
「25日に落とした判をどうして本日28日に押せましょう!」
「このようなものを偽造してここに朝鮮人参を持ち込んで、一体どうするおつもりだったんです?」


 
「跡取り息子が罪を犯したとなれば、平野屋のお取り潰しは免れますまいなあ」

すごい、先週の段階で「お初と徳兵衛が終わってしまったら、『曽根崎心中』に寄せようもないじゃないか」と思っていたら。
気が付いたらもろに『曽根崎心中』になってる。
なにこれすごい。



■母上の言葉


越前に帰ることをちかえもんに伝える母上。

 
「わしのせいでっか?わしがいつまでもうだつが上がらんさかい…」
「きっと傑作を生みだす作家じゃ。身なりには気をつけよ」


どこか切なそうな親子。
親不孝、子不孝って言ってたけれども、本当は誰よりもお互いのことを思いやってるんだよね……

ちかえもんは母上の本音を知らず、母上もちかえもんの本音を知らない。
それでも思い合ってる親子。



■うた・近松門左衛門(1曲目の続き)


母上は「身なりに気をつけなさい」と、ちかえもんに新しい羽織を渡します。
それを受け取ったちかえもんは思わず涙して、さらに…



1曲目の「かあさん」……

まさかの続き!!



■母上喜里潔決断


翌朝早く籠に乗って越前に発つ母上。
万吉は不孝糖を渡し、別れを告げます。
母上もまた万吉とちかえもんに別れを告げました。

 
「信盛。達者で暮らすのですよ」
「母上も…お達者で…」


タイトル通りの母上きっぱり決断。
(タイトル通りってそれ当たり前なんだけども)





■うた・近松門左衛門(1曲目のさらに続き)


そんな旅立つ母上にまた感極まるちかえもんは……



「かあさん」のメロディーなんだけど。
なんかもう歌詞が適当!!



■桜舞い散る中に遺した記憶


万吉がちかえもんの口に不孝糖を押し込んだりしているところへやってきたのは、傷だらけの徳兵衛。

 
「私が捕らえられ、罪に問われたら平野屋はしまいや。親父に合わせる顔があらへん」

あれだけ散々親不孝をしていた徳兵衛が今になって親不孝に立ち向かう。
その心持は孝行者だけれど……
その先にあるのは、キャバクラでお金使いこむより、騙されて罪を着せられるより、何よりも何よりも親不孝なこと。


「ただ…一つだけ…この期に及んで何をと思うかもしれないけど…お初に会いたい」

お初に会いたい、と告げる徳兵衛。
何かじっと見つめているちかえもん。

なんとかする!という万吉に連れられて、やってきた天満屋。
万吉が被ったお初の婚礼衣装の下に徳兵衛は隠れていました。

ここも曽根崎心中のあの足元で心中を誓うシーンと…



最初に出会った桜の木の下で抱き合う2人。
美しい。




「お初!」
「徳様!」


再会と別れに涙する2人。

2話や3話の段階で「お初ぅ」「徳様っ」ってリア充ふざけんなと思わせていた2人のやりとりを
ここまで切ないものに描くとは……


お初に降る桜が何より美しい。
梅は見ることができなかったけれど、桜の下で。


もう今生の別れだ、と離れようとする2人ですが。


「ああもう!今生があかなんだら、あの世で一緒にならんかい!」

万吉の言葉。
ゾクッとしました。

あの世で一緒になるということはつまりそれは心中。
万吉はなぜそれを…。

万吉本当に何者。
えっちょっと待ってすごいすごい。
主人公ってこの不孝糖売り・万吉なんだよね。


えっ、でも万吉って何者?万吉の正体って何?




■黒田屋の失態


さて、朝鮮人参の箱を持って西町奉行にやってきた黒田屋。
ここまで黒田屋の筋書き通りにきています…が。



朝鮮人参の中身が不孝糖!
実は万吉が遊び心からこっそりすり替えたものでした。


「あいつの仕業か…!」

ここまで気取った悪役だった黒田屋が、正真正銘の悪役に落ちる瞬間。

さっきの万吉とは別の意味でゾクッとしました。



■なぜ面白いのか


めくるめく人物関係に悩むちかえもん。


「平家の残党も出てこん。赤穂義士も活躍せん。商人やら遊女やがごちゃごちゃうごめいてるだけやのに、何でこないに心を持っていかれんのやろか…」

それって、まさに今の時代劇なんだろうなと思います。
ごちゃごちゃうごめいてる、でもそれはみんな生きている。
登場人物にモブキャラがいない、藤本さんらしい言葉だなと。




■次回への引き


万吉の言葉から、お初と徳兵衛の心中予告を知るちかえもん。
そのときすでに2人は夜の竹林を抜けていました。


「さあ、お初徳兵衛の運命やいかに!…ってな陳腐な言い回しはわしのプライドが許さんのである」



ちょっと待って。次週最終回?

すごいぞ。
次週最終回でも、この予告もタイトルも信じられないぞ。


なんだこれ、すごいぞ。



■おまけである





































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