フラスコな生活

フラスコ製の鞄とフラスコな生活を紹介していきます。

 

イタリア製のスタッフ達?の話 その23

2009-06-30 | フラスコ 機械
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コメルツのコンピューター裁断機は、
フラスコの工場内でも数名のスタッフが扱えます。

多少の慣れは必要としますが、
イタリア語または英語がわかれば?(笑)
問題なく動かせると思います。
(くわしくは2つ前のブログを御覧下さい。)

そんなスタッフの中で、
メインでこのコンピューター裁断機を
担当しているスタッフがいます。

確かにこの裁断機は、すごい機械ですが、
ある意味この機械以上に
このスタッフはすごいかもしれません。

この機械を担当してもらっている方は、
もう何十年も裁断の仕事をされている方で
今年確か72歳?になられる方です。

革、芯、生地と素材を問わず裁断をしてもらっています。
長年の経験と知識とで
素材に合わせた裁断をするスペシャリストです。

僕もこの方とは、
ずいぶん長いお付き合いさせてもらっていますが、
今だに勉強させられる事ばかりです。
本当にすごい方だと思います。

そして何よりもパワフルです。
休まないし納期には合わせてくれるし
階段もかけ足で上ってくるし(これだけは注意しますが・・・。)
すごい方です。

この方の前では、
口がさけても「疲れた・・・。」
などと言えないなと思っています。
それぐらいパワフルな方です。

しかし・・・。
この裁断機を導入した時は僕も少し悩みました。

これから裁断のやり方が、
この裁断機を導入する事により確実に変わっていく。

「コンピューターとは一番縁のない年代の方なので
 この機械を扱えるだろうか・・・。」

イタリア製のスタッフ達?の話 その22

2009-06-29 | フラスコ 機械
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いろいろとイタリア・コメルツ社製の
コンピューター裁断機の説明をしてきましたが、
今まででは考えられないくらい
素晴らしい機械だと思います。

この裁断機を導入後、
商品の作り方も
商品の表現のしかたも
仕事の流れも
今までの流れとまるっきり変わりました。
すごい機械だと思います。

世界的にもこの機械を
導入しているところが増えていると聞きました。

もちろん鞄だけではなく、
靴や財布などや家具などにも
導入しているところが増えているようです。

もちろん日本でも増えているようです。
先日聞いた話では、
バイクのレーシングスーツを
製作する工場にも導入されたそうです。

フラスコが導入した頃は、
日本にこの機械は2台ぐらいしかありませんでした。
その頃とくらべるとだいぶ増えたようです。

この機械は基本的には、
データのやり取りだけで仕事に取り掛かれるので、
いろいろな業界で、
この機械が導入されれば
業界の枠を飛び越えた
何か新しい商品が生まれるかもしれませんね。
いろんな可能性を秘めたすごい機械だと思います。

今は目先の仕事でいっぱいいっぱいですが・・・。


すごいと言えば、
もっとすごいことがあります・・・。

イタリア製のスタッフ達?の話 その21

2009-06-28 | フラスコ 機械
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問題と言えば、
もっと大きな問題があります。

それは画面表示です。
基本的にイタリア製の機械なので
基本はイタリア語か英語です。

僕はイタリア語もわからなければ英語もわかりません。
最初は訳が分からずパニックでした・・・。

日本語版があればいいのですが
そんなものは存在しません。
取り扱い説明書もあるにはありますが、
正直簡単なものでそんなくわしくは書いてありません。

機械屋さんの説明を聞きながら
おぼえるしかありません。
あとは辞書を片手におぼえるしかありません。
冗談ではなく本当の話です・・・。

そんなことをしているとなかには、
イタリア語なんだか?英語なんだか?
訳のわからない言葉?も出てきます・・・。

こんな問題がコメルツの裁断機にはあります。
と言いますかこれは大問題ですが・・・。

CADの方もちょっと前までは同じ問題がありました。
しかし、
最近は日本語版が出たようです・・・。
裁断機の方は、
まだないそうですが。

イタリア語であったり英語であったり
言葉の勉強にもなるし現状のままでいいのかな?
と前向きに考えてはいますが・・・。

イタリア製のスタッフ達?の話 その20

2009-06-26 | フラスコ 機械
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問題は生地の裁断です。
生地の中でも
裁断しやすいものとしにくいものがあります。

ナイロン、レーヨンなどは
比較的裁断しやすいのですが、
綿や麻となると問題が出てきます。

もちろん裁断出来ないわけではないのですが、
綿や麻は裁断すると糸が数本切れなく
残ってしまうことがあります。
これを無理に引っ張ると糸かほつれてしまいます。
これが意外にやっかいだったりします。

数枚だとまだいいのですが、
数十枚、数百枚になってくると
だんだんとストレスを感じてきます・・・。

生地はスタンダードの刃では切れずらいので
生地専用の刃というものを使用します。

生地専用の刃に取り替えて
セッティングを変えて裁断するのですが、
やはり綿や麻については
切れずらく糸が数本残ってしまいます。

確実に裁断するために
高さなどの調整をして、
カッティングスピードも遅くしていきます。
それでも切れない場合は、
さらにスピードを遅くしていきます。

こんなことを繰り返していると
またストレスがたまってきます・・・。

正直生地の裁断(特に綿と麻素材)に
この機械は向いていないと思います。

また生地は芯ほど正確性を要求されないので、
作る本数にもよりますが、
最近では生地型のみ抜き型を作ることが多いです。

スピードを落として
ストレスを感じながら
時間をかけて裁断するくらいなら
生地型のみ抜き型を作ってしまいます。
そのへんは臨機応変に対応しています。

問題があるとまでは言いませんが、
そういった不得意な部分がこの機械にはあります。

問題と言えば、
他にもっと大きな問題があります。

それは・・・。

イタリア製のスタッフ達?の話 その19

2009-06-25 | フラスコ 機械
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実際にコメルツの裁断機を
いろいろなセッティングを試しながら
使用していますが、
得意な部分と不得意な部分があるのが
わかってきました。

まず革は、
ほとんど問題なく裁断が可能です。
よほど革が厚くなければ問題はありません。
過去に4ミリ厚の革までは裁断した事があります・・・。

この機械は裁断のカッティングスピードを
細かく設定出来るのですが、
厚みのあるものをあまり速いスピードでカッティングすると
刃が折れる危険性があるので
この時は最低速度に設定して裁断しました。

裁断出来ることは出来ましたが、
あまりおすすめ出来ないと思います。
その他の一般的な革はほとんど問題ないと思います。

次は芯ですが、
芯を裁断するのに
この機械はひじょうに向いていると思います。
正確に裁断出来るし
スピードも最高レベルのスピードで裁断出来ます。

特に芯は鞄の基本となるものです。
前にご説明した印(アタリ)などは、
主にこの芯についていることが多く、
そして何よりも正確性が求められるため
この裁断機で裁断するのはベストな選択だと思います。

問題は生地の裁断です・・・。

イタリア製のスタッフ達?の話 その18

2009-06-25 | フラスコ 機械
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コメルツ社製の裁断機を導入してから
サンプルがスピーディーに出来るようになったり、
型の修正が簡単に出来るようになったり
機械の導入は正解だったと思います。

そして何より抜き型が必要なく、
作らなくていいというのが
最大のメリットだと思います。

イタリア製なのに?
今のところ大きなトラブルもなく、
フラスコのスタッフの一員として
毎日フル稼働してくれています。

僕なんかより、よほど働き者です。
イタリア製なのに・・・。

この裁断機で普段は
革、芯、生地と素材を選ばず裁断しています

革と芯は、
ほぼ同じセッティングで裁断が可能です。
生地については、
カッティングする刃の形状が違うため
セッティングを変える必要があります。

導入後の最初の一ヵ月は
このセッティングの変え方が
なかなか覚えられず苦労しましたが
現在では問題なく
変えることが出来るようになりました。

導入してから丸四年たつのですが、
その間いろいろなセッティングを
試しながら使用してきました。

使用しているうちに
この機械の事もだんだんとわかってきました。
この機械の
得意な部分と不得意な部分もわかってきました。

機械というのは、
必ずしも万能ではありませんので・・・。

イタリア製のスタッフ達?の話 その17

2009-06-25 | フラスコ 機械
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抜き型の印(アタリ)は、あくまでも目安。

100%信用しないで製作時にはあくまで
一本一本確認しながら鞄を作っていく。

いつのまにか、
それが常識になっていました。
何の疑いも持たずに
そういうものだと思い込んでいました。

コメルツ社の裁断機を導入した時も
そういうものだろうなと思っていました。

しかし・・・。
実際に裁断して見ると?

データどおり忠実に裁断されていました・・・。
「ずいぶん正確だな。」
と正直思いました。

これだけ正確なら印(アタリ)どおり作っても
均一されたフォルムの鞄が出来るのでは?と思いました。
実際にサンプルを作ってみると
ほぼ印(アタリ)どおりで、
正確なフォルムの鞄が出来ました・・・。

今までの常識が吹っ飛びました。
「これはすごいな」と思いました。

仮にこの段階で、
印(アタリ)の微妙なズレや誤差を感じても
CADでデータを修正すればいいので、
より正確でイメージに近い
均一された鞄を作ることが可能になります。

扱っている素材が革の場合
100%均一にというのは難しいですが
製品のバラつきは確実に少なくなると思います。

これはすごいことです。

今まで何だったんだろうと思ってしまいます・・・。

イタリア製のスタッフ達?の話 その16

2009-06-23 | フラスコ 機械
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昔から理想のカタチとして
「プラモデルのように鞄が作れないかな?」
と考えていました。

手を抜くという意味ではなく、
もう少し簡単に
そしてもう少し均一に
そしてもう少し正確に
作れないものかな?と考えています。

扱っている素材が革だとなかなか難しい問題もあります。

人間が一人一人違うように
牛も一頭一頭違います。
その一頭一頭違う牛から
一枚一枚違う革を作ります。

その一枚一枚違う革から鞄に必要なパーツを
お尻、背中、お腹、足と繊維の違う部分を
裁ち都合を考えながら
革を無駄にしないように裁断していきます。

当然やわらかい部分もあれば、かたい部分もあります。
伸びる部分もあれば、伸びない部分もありますす。
またシワになりやすい部分もあれば、
シワになりにくい部分もあります。
厳密に言ったら毎回違う革を使っていることになり、
まるっきり同じ鞄は存在しないことになります。

扱っている素材が、
そういう素材なので、
作る時には少しでも均一で
正確な鞄を作りたいと思っています。

そのためにも
抜き型の印(アタリ)を
もう少しズレや誤差を無くして
「正確に作れないものかな?」と思ってしまいます。

印(アタリ)は目安ではなく、
印(アタリ)どうりに作れば
均一なきれいなフォルムの鞄が作れる。

そのように出来ないのかな?思っていました・・・。

イタリア製のスタッフ達?の話 その15

2009-06-23 | フラスコ 機械
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重要と思われる部分には、
抜き型に印(アタリ)を取り付けます。

その印(アタリ)は鞄製作時に
部分取り付けなどの位置を確認するための目安になります。
また鞄を量産する際にも
正確性と効率を高めるためにも
必要な印(アタリ)になります。

なので抜き型に
この印(アタリ)をつけてもらう場合、
抜き型屋さんにも
毎回注意しますが正確性を要求します。

しかし・・・。

前にお話したように
抜き型は最終的に人の手で仕上げるため
手加減により微妙なズレや誤差がでてしまいます。

それは、
ある程度しかたのないことなので、
それをふまえて?
生産時には印(アタリ)はあくまでも目安として
100%信用しないであくまで目安として
生産するようにしています。

本来は
この印(アタリ)どおり製作して
正確なフォルムの鞄が出来るのが理想なのですが・・・。

イタリア製のスタッフ達?の話 その14

2009-06-21 | フラスコ 機械
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抜き型の微妙なズレや誤差(1ミリ以下)は、
ある程度しかたのないことです。

最終的に人の手により仕上げるものだから
完璧に狂いなくと言う方が難しいかもしれません。

微妙なズレや誤差と言っても
1ミリ以下の話なので、
それをふまえて作れば?問題はありません。

ここで抜き型について
もう少しお話させていただくと
抜き型は通常、革、芯、生地のパーツを
元になる型紙を基準に
抜き型屋さんに依頼をして製作してもらいます。

元になる型紙には、
たて・横のサイズ以外にも型起こしをする際に
いろいろな情報が書き込まれています。

細かく説明していくと専門的になりますので
わかりやすい部分を説明させていただくと
例えば、
内装などに取り付いているカード入れやポケットなどを
取り付ける位置は型紙を見ればわかるようになっています。
同じようにハンドルの取り付け位置や
ショルダーの取り付け位置、
革と芯を貼るラインや本体とマチをまとめるための位置など
すべて型紙に書いてあります。

それらの位置などは、
ひじょうに重要になりますので
抜き型を作る時にその重要と思われる位置に
わかりやすく印(アタリ)を抜き型に取り付けるのですが・・・。