遊工房・雑感

日頃のあれこれを綴る日記です

日本語は日々亡びていくが

2009-04-20 05:30:23 | ブログ

私、言葉は意味と音だと思っていたけれど

文字のたたずまいもあるのね。

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言葉の話に

この画像って凄くない!?

翻訳のすばらしさよ!

英語の詩を

白秋が日本語にし

その文字と言葉の響きを

花てぼさんが

書で表す!

それを、ブログのお友達が

銀座のあの場所で

時をずらして感じあった

その空気の中にそれぞれがたたずんでいたのよね。

 

言葉はこうして生きているわ。

 

でも

日本語は日々亡びていく

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これが読めなーい

って前に書いたっけね

武蔵のおじいちゃんがモグモグ読んでいた和綴じの漢字ばっかりの本!

読めないもん

そうやって

たかだか祖父母の世代の言葉の世界は私たちの世代では死んでいる。

「たけくらべ」なんか、今の子供には

翻訳が必要な古典なのよね。

優れた古典は

暗誦させては音を楽しませ

勿論授業の中では

翻訳し子供同士でも味わいあい

そうやって

伝えていきたいね

 

オトナだってそうよね

 

朗読の会で

泉鏡花なんて読んでみたりして

そういうときをもてるのって

幸せなことだねえ

 

私は英語には偏見がいっぱいあるから

「てやんでえ、こちトラ江戸っ子だい。おかしくって

英語なんかしゃべるもんけェ!」

啖呵を切りたい長屋の熊子だけれど

 

実際には

コミュニケートするのに英語は使うよね。

 

フランス人は英語はしゃべらないと思いこんでいたけれど

実際には凄いフランス語なまりで

英語をしゃべって何やかや教えてくれる人がいたし

 

韓国から来た日本語を知らない若者と

韓国語を知らない私が

しゃべるときは

中学生程度でも英語だったということもあった。

 

田舎のおばちゃんだと

英語でしゃべるったって そんな程度だけれど

仕事や学問で

意味を通じあわせ伝えるのに英語はますます

普遍語になると思う。

 

でも

文学の言葉は

私には日本語よ!

 

言葉は意味と音とたたずまいと

何よりも

イマジネーション!(ここで想像の世界というのではなくイマジネーションというのが悲しい)

 

「江戸っ子は宵越しの金は持たない」

こういうとき

翻訳するには

江戸の長屋の暮らしぶりを語らなければならないわね。

言葉が持つそういう

脳みその中にパチパチ伝わり広がるシナプスに働きみたいなもの

それは

母語よ

私が仮に文学的表現者になったとしたら

使う言語は

母語よ  日本語よ

どの地域で暮らす人もそうでしょう?

でも

その日本語が日々変質して

日々滅んでいっているのも事実だわ

 

だから 分かり合い

感じあう

翻訳の仕事って

とても素敵

 

私のイメージでは

フランス語は特別

今 英語が普遍語になってきているように

かつてフランス語はヨーロッパではそうだった?

ロシア文学を読むと

教養ある人や上流階級って

フランス語を使ってたでしょ

 

コメディーフランセーズは美しいフランス語を

永遠にするための特命を帯びてると思っていたし

そういう端正なフランス語を

すべてのフランス人が話し

英語なんか わかっても話さないと思っていた。

 

ところが

「赤い橋の殺人事件」を読むと

牡蠣売り女 というのが特別な意味を帯びて出てくる。

 

ぼてふり 

というと、下町の暮らしを生き抜いた庶民の商売

日本人ならイメージできる

 

そういう感じで

牡蠣売り女といえば  

牡蠣を売る女というだけではなく

パリの下層社会の女の暮らし

そこで使われるのは

端正なフランス語なんかじゃない!

聞いただけでお里が知れる

ってやつだ

とわかって

 

パリの街が

突然立体的に見えてきた。

 

母語で綴る文学を世界の人とともに読むって

そういうことでしょ

 

だから

日本文学が英語に翻訳されるようになって

ノーベル賞ももらうようになったとしても

英語で日本文学が書かれることにはならない。

 

日本語の中に

やたら英語が入ってきてるということはあってもね。

 

 

 

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4 コメント

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この書を遊さんの記事を読みながら見ると改めて感... (ナツ)
2009-04-20 12:26:08
生で目の前でじっくり鑑賞させていただいたこと幸せに思います。
言葉の響きと文字のたたずまいがまさにひとつになった書でしたね。
ナツ 様 (遊工房)
2009-04-20 13:27:06
私 
書って
エリートだけが味わえるものだと思いこんでいたのに
おかげさまなので本当に嬉しいです
暖かい文字ですね。日本の文字には意味も雰囲気も... (kazuyoo60)
2009-04-20 15:30:03
言葉や文字の持つ美しさを十分に理解したいですが、それよりも何よりも、伝わらなくては、そう思います。
kazuyoo60 様 (遊工房)
2009-04-20 16:41:54
そうですね
なかなか通じないことが多いですね
通じるように表現できなくてはね

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