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和貴の『 以 和 為 貴 』

【原発】 再稼働を認めない2つの理由


2021年3月16日 時事通信

2021年3月19日 NHK





【 所 感 】

まず、時事通信の記事の中で 梶山弘志経済産業相 が、「(原子力規制委員会から)最も厳しく評価された。このままでは再稼働できる段階にない」と述べている。

要は、原子力規制委員会が、「不祥事が相次ぐ柏崎刈刃原発に対して、管理体制の抜本的な改善を抜きに、東電と国が目指す再稼働は困難である」と提示し、それを受けての梶山大臣の言葉である。

少しだけ厳しいことをいえば、もうこの日本という国は、原子力そのものを扱う資格すら失われているのではないのか。

19日の虎ノ門ニュースで、原子力研究に詳しい武田邦彦先生は、「東電の職員はよくやってやっているよ」との旨を述べたのち、「ぜ、有り得ないことが起こるのか」「(福島原発爆発事故について)堤防の高さ以外に、一番原子力で重要だと我々は言ってきたこと、固有の安全性と多重防御、これもなかった…。僕の知っている東電の人たちだったら、自分の良心で許さないと思うんですよ。」と。また、先生が当時の東電の原子力開発に関わっていたころを振り返り、東電職員たちを、「んな杜撰な人たちではないはずなんですよね。」「チェックは非常にしっかりしてましたし」とし、今回の柏崎刈刃原発の不祥事に対して、「到底ね、こういう底なしの様相ってね、起こり得ないけど、現実、ここ30年くらいね、原発は底なしの状態なんです。だから僕は、原発はまだ早い。」 と、現在の原発に対する管理能力の低下を憂慮し、そして、原発を再稼働できないことの理由として、「日本人の質が落ちてしまったんではないか」とも述べられている。

さらに私個人が思うのは、IAEA(国際原子力機関)に至っては、日本の原子力開発に対する安心・安全基準みたいなものを厳格化し、もっと徹底的に追及すべきだとも思われ、場合によっては、「現在の日本は原子力開発を行うに非ず」くらいのこともあって然るべきではないのか、と。

それほどまでに、厳しい判断というものを誰かが下さなければ、「まだまだ日本は先進国だし、技術力も凄いんだぞ」と呑気なことを言っている日本の有識者らの目を覚まさせる方法が他にあるまいに…と。



さて次は、NHKの記事について。

報道では、3月18日、茨城県にある東海第二原子力発電所について、水戸地方裁判所が避難計画の不備を理由に再稼働を認めない判決を言い渡した 、とあり、今度は、柏崎刈刃原発とは違って、原発の安全性が保たれていたかどうかはではなく、地域の避難計画に不備があることを理由に、裁判所が再稼働を認めなかった、とする判決である。

NHKの記事を読む限り、原告側は元々、原発そのものの安全性を問う裁判だったらしいが、それがいつの間にやら、地域の避難計画の不備に論点が変化しており、それをもって再稼働ができない理由だとしている、なんとも滅茶苦茶な判決である。

つまりは、原発の安全性そのものを確保、または確認ができていないことを意味しているのではないか。

それに、なぜ、裁判長はそれを答えないのか〔答えていたら御免〕、なぜ、NHKはそれをきちんと記事の中で伝えないのか。

さらに記事の中では、原子力防災に詳しいとされている、福井大学の安田仲宏教授という人物をとりあげ、「これまで原発をめぐる裁判では、原子力施設の備えや対策について議論がされてきたが、今回は人口100万近い地域の防災対策に課題があると指摘した」と話しており、従来の原発をめぐる裁判とは違いを強調し、行政の防災対策の問題を指摘したことに意味がある、と、NHKは伝えている 。


          


ということはだ。そこに暮らす地域住民の方たちや、自治体の幹部や職員らがこれまで、防災対策をきちんと講じてこなかった、とでも言いたいのか、小奴は…。

未曾有の大震災から10年余し、ひとりひとりが防災に対する意識を強く持つようになり、なんとか教訓を生かしながら、少しでも安心な暮らしを送れるようにと、努力してこられたはずではないのか。

今回の判決を下した司法側もそうだが、防災専門家の某教授、それに、原発の安全性を問おうともしないNHK…、毎度のことだが、何やら既得権益の悪臭(利権者にとっては良い香り)が、プンプンと漂っているようにも思えて仕方がない。


さらに安田仲宏教授はこのようにも述べている。「国や自治体の立場からすると最初から100点満点の避難計画を目指そうとしていると思うが、それはとても難しいことだ。まずは避難計画の全体的な大枠を示しつつ、具体的な中身は地域ごとに埋めていくような議論を進めていくべきだ」 と。









100点満点(に近い数字)を目指すのは原発であり東電側 だろうが、何を抜かしておるのだ、小奴は…。各自治体などは、出来るかぎりのことは既にやり尽くしているんではないのか。限られた予算の中で、これ以上、何を対策しろと言うのか。

「原発のある地域は危険ですから、近寄っても、住んでもだめよ」とでも言いたいのか。それとも、「国はもっと地方自治体にカネを配り、防災対策を推進しなさい」ということなのか。(海岸線をコンクリートだらけにでもしたいのかな?)


いずれにせよ、原発の安心・安全が確保されてもいないくせに、地域住民や自治体などに対して、「防災対策を徹底してこなかったお前らこそが悪いんだ」という論調には本気で反吐が出る。




はぁ、やっぱりNHKの記事は読むんじゃなかった…。胃が痛なるわ(;´・ω・)

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