マルセル
<マルセル > 樹のぶ子 著
昭和43年12月26日、京都国立近代美術館で開催中だったロートレック展、
会期は残す所あと1日という時「マルセル」が盗まれ、事件は迷宮入りとなったあと
時効(七年)成立後に出てきたという本当にあった事件が元になっているらしい。
その2週間前にあの有名な3億円強奪事件があったらしく、
まあ~なんて慌しい年の瀬だったことだろうか・・・昭和43年って年は。
引き算すると中学生くらいか、でも、マルセル盗難事件はまったく記憶にない。
主人公の女性記者、千晶は同じく新聞記者だった亡き父が残したスクラップブックから
彼がマルセル事件に関わっていたらしいことを知り、謎をとくべく動き出す。
彼女の出生の謎とマルセル盗難事件の謎が解けるほどに、スケールのでかい
犯罪組織があぶりだされるっていうストーリーだが、これってフィクション
ノンフィクション
ありえない話じゃないな~って思わせるところがすごい
ミステリだけれど、千晶とオリオさんの恋愛模様がステキ
松花堂弁当もおいしそうだしオリオさんもおいしそう(笑)
京都弁の男はんて、ほんま色っぽおすな~
それにくらべて大阪弁の男はアカン、オモロイだけ。。。
珈琲の香り高く、匂いたつ大人の男女が京都で紡ぐロマンスがたて糸ならば
マルセル盗難犯と千晶の出生の謎を探るミステリが横糸で、
交互に編まれ仕上がったタペストリーの模様は、やっぱマルセルと言いたいところだが
ここは<パーコレーター>かな。。
パーコレーター御存知コーヒー淹れる道具ですが、コレがなかなかの
クセモノでっせ~(少々ネタバレ)
受験生におけるベンキョーと恋愛の両立、兼業主婦の仕事と家事の両立、
などと並べてはおこられそうですが、ミステリと文学の両立、融和に
見事成功した本だとおもう。
今年度末のミステリ賞レースに名を連ねてくると予想しますが・・どうでしょ・・ね
ちょっと奮発して
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