弥勒の月
2021-06-12 | 読む
小間物問屋遠野屋の若おかみ・おりんの水死体が発見された。
同心・木暮信次郎は、妻の検分に立ち会った遠野屋主人・清之介の眼差しに違和感を覚える。
ただの飛び込み、と思われた事件だったが、清之介に関心を覚えた信次郎は岡っ引・伊佐治とともに、
事件を追い始める…。
“闇”と“乾き”しか知らぬ男たちが、救済の先に見たものとは?哀感溢れる時代小説。
以上、内容紹介はアマゾンよりお借りしました。
少し前の新聞広告にこのシリーズが紹介されていました。
あさのあつこさん・・と言えば「バッテリー」。
なのに時代物?
複数の方の推薦文が載っている中、印象的だったのが
ある書店員さんのもので、
「まだ読んでいない人がうらやましくてしようがない。」等々
ああ~その気持ちわかるなあ~。
面白いシリーズものの小説やドラマに出会い、はまってしまうと、
次の展開や結末が知りたいし待ち遠しい反面
読み終えたくない、シリーズが終わってほしくないという「幸せな葛藤」状態になります。
これを味あわせてもらえるような予感がしたんですね。久しぶりに^^
文庫版の解説は俳優の児玉清さんが書いていらっしゃいます。
読書家で知られたステキな俳優さんでしたが・・。
この解説がまあ熱のこもったもので、大大大絶賛の嵐です。
少し読んであまりの熱量に圧倒され、これ以上読むと洗脳されそうなので(笑)
本文に入りましたよ。
あさのあつこさん・・すごい作家さんですね。
人物造形や時代物特有の空気感、高田郁さんや宮部みゆきさんとはまた違う
しっとりした中にも怜悧な静謐さみたいなものを感じました。
あとミステリーとしての完成度もハンパないです。
謎を解くカギが何気なくちりばめられているのですが
きれいに回収されていくでストレスゼロ。
楽しみなシリーズになりました^^
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