中国で見つけた珍しい???

中国在住の管理人が、中国で見つけた珍しいものを紹介していきます。

中国の抗日ドラマについて(カンフー系)

2013年05月06日 15時39分12秒 | 日記
 私は「抗日戦争勝利60周年! 反ファシスト戦争勝利60周年!」とテレビでやかましく宣伝されていた2005年に、北京に留学に行きました。この年は抗日ドラマが大ブーム?で、どのチャンネルに合わせても抗日ドラマばかりでした。学食で中国人学生と食事をしていても、テレビで抗日ドラマが放映されており、気まずい雰囲気になりました。

 さて、この記念すべき年に最も人気の高かった抗日ドラマは、「亮剣」です。都粱という作家が同名の原作を書いていたので、海賊版を入手して読んでみましたが、特に面白いとは感じませんでした。抗日戦争の内容は短く、中盤から後半は国民党との内戦、いわゆる解放戦争が中心です。ところがテレビドラマは抗日戦争を中心に撮影し、怪しげな日本語を使う中国人が、「○○クン、お入り!」とオカマじみたことを叫びます。日本語が本当に下手くそで、中国語字幕を見ないと何を言っているのかさっぱりです。

 私は抗日ドラマなど喜んでは見ませんが、例外的に好きなシリーズがあります。日本でもブルース・リー主演の「ドラゴン怒りの鉄拳」や、ジェット・リーと中村獅童の共演が記憶に新しい「スピリット」などが題材にしている、霍元甲モノです。霍元甲は天津市出身の実在の武道家で、何かで病死したのが後に日本人の毒殺に脚色されてから、民族的英雄に祭り上げられている人です。

 霍元甲とその架空の弟子・陳真が活躍するカンフー抗日ドラマ「大侠霍元甲」は、私が自信を持ってオススメする最高レベルの抗日ドラマです。まずはテーマ曲が素晴らしい。アヘンを吸った眠れる獅子を鞭撻し、東亜病夫になってしまった中華民族を奮い起こすような歌詞がふるっていて、中国の国歌に推薦したいくらいです。この80年代に中国大陸を席巻したというテーマ曲は、ユーチューブでも視聴できます。

 香港映画黄金時代に生まれたこのドラマは、主演の黄元甲や陳真演じるブルース・リャンの熱演はもちろんのこと、個性的な登場人物、霍元甲の恋、日本人の強敵(宮本武蔵という名前の達人など)との死闘、そして「ドラゴン怒りの鉄拳」以降おなじみになった東亜病夫返上の道場破りシーンなどなど見所が盛りだくさんで、20話と若干長めですがまったく飽きさせません。抗日ドラマであっても、娯楽・アクション大作として十分に楽しめます。最近ドニー・イェンが撮った「葉問」(イップ・マン)とは大違いです。

 次のブログでも、引き続き霍元甲モノを紹介していきたいと思います。