夏音

「なつのね」ぶろぐ

ダウンロード規制?

2005年06月04日 16時14分00秒 | 政治・社会
“ダウンロード”に規制の法律が?

ダウンロードを文化審議会著作権分科会の国際小委員会で話し合いの中で
こんな意見があったらしい.

> このため「違法な送信状態であることを知った上でのダウンロードと
> 端末へのコピーは私的複製の例外と見なすべきで、違法とするべき
> ではないか」という意見を述べた委員が複数見られたほか、「ダウン
> ロード行為に対して、なんらかの抑止力をもった条文を作るべきでは
> ないだろうか。今のままでは、ユーザーが自分の行為の違法性を分から
> ないまま、著作権侵害を犯してしまう事態も想像される」と一歩踏み
> 込んだ意見を述べる委員もいた。

文化庁のページへ行っても議事録が見当たらないので,どういう
コンテキストで発言されたものかは分からないが,どちらにしても
めちゃくちゃな発言である.

仮にこの制度が実現したとして,その際に問題となるのは,著作権を
クリアしていることを,誰がどうやって判断するのか,という点である.

特許の方式主義とは違い,著作権は無方式主義を採用しているため,
登録の必要がなく,著作権が認められる.そのため,著作物を管理する
データベースは存在しないことになり,著作権侵害をクリアしている
ことを判断することは難しい.

この現状において,コンテンツの創作者は,どうやって著作権侵害を
行っていないと判断できるのだろうか?

もちろん,他の著作物の存在を知らずに創作した場合,著作権侵害とは
ならないが,裁判等で訴えられた場合,自ら創作したことを立証する
必要があり,この立証行為は非常に困難な作業となる.
#一応,緩和措置も考慮されてはいるが….

創作作業に,これだけの手間をかけるくらいならば,創作作業を諦める
者も少なくはないだろう.そして,著作権侵害の判断を行えるコストを
有する企業等だけが創作作業を行うことになる.

ダウンロードする側も同様の判断を行う必要があるため,誰もダウンロードを
行わなくなる.そして,ユーザはお仕着せのコンテンツだけを視聴することに
なる.

こんな未来を誰が望むのだろうか?