永田町では、ティピピ、ティピピと「窮菅鳥」がけたたましく鳴いているようです。(消費税増税とともに)「菅」太平洋パートナーシップ協定(TPP)締結に向けて、自ら「開国」をしようとの意図なのでしょうか。そもそも「開国」とは、力あるものが、力なき者を強制的に開かせることであって、歴史上、その逆はまずあり得ません。「開国」を勇ましく、しかも自ら行なうとすれば、まさに風車に飛び込むドン・キホーテ、まさにドン・菅「騎兵隊」の真骨頂なのかもしれませんが・・・
1月18日付の『朝日新聞』には、「第三の開国」と題して二人の論客の議論が併記されていました。東大教授の戸堂氏は、開国しなければ日本は「中進国」に落ちぶれてしまう、「幼稚産業保護論」を排し、グローバル化していない「臥龍企業」を世界に羽ばたかせることが必要だとする「開国論」を展開していました。しかし私の妄想では、日本は開国しても、いずれ「半開」(「中進国」)へと落ちていかざるを得ない構造的衰退期に来ていると思っています。もし国そして国民をいうものを念頭に置いた「国家観」が僅かでもあるならば、農業や中小企業など、グローバル化できない産業を如何に守れるかが、国として最も大切な役割であると妄想しています。グローバル化した「多国籍企業」は、実は最早国を捨て、国民を置き去りにした「無国籍化」企業に他ならないのですから。
一方、京大準教授の中野氏は、「今でも日本の平均関税は欧米よりも韓国よりも低い。日本は既に十分開国しています」、「日本のGDPに輸出が占める割合は2割にも達しません・・・日本は実は輸出立国ではなく、内需大国なのです」、そして「今以上に貿易自由化を進め関税を引き下げると、外国の安い製品が入り、デフレがさらに進んでしまう」、「日本国内の企業が輸出で競争しようとすると、低賃金で技能が高いインドや中国の労働者との競争になり、社員の給料は抑えざるを得ない」ということになります。実際、(大)企業は潤っても、その恩恵を受けられなくってきている労働者が、このデフレ社会の中で急激に増加しています。
氏はさらに、「TPP交渉に参加する9ヶ国と日本の国内総生産を合計すると、日米両国で9割を占めます。TPPは実質的に日米自由貿易協定です」、そしてデフレ脱却のために、「一時的な関税引き上げや『バイ・アメリカン』政策的な保護主義が必要」、「せめてこれ以上の貿易自由化はやめてほしい」と言われます。氏も述べていますが、(親分の)米国に対して日本が保護主義的な政策を取ることは事実上困難です。「TPP」は羊の皮をかぶった「狼」(米国)であって、下手に欲をかいて手を出すと、一飲みで米国の胃袋の中に飲み込まれてしまうことでしょう。これ以上の「デフレ」を輸入することは、日本国内の青色吐息の産業の息の根を止めてしまうことになるでしょうし、「開国」どころか、「亡国」状態に国を追いやることになるのではないでしょうか。
私は農業を営んでいますが、だからと言って「農業」を擁護するつもりはありません。今の農業は工業化した「ノウギョウ」であって、自らが自らや家族、友人の食する物のために汗をかく「農」の営みとは異質のものだと妄想しています。赤字であれば続けられませんが、現在なんとかギリギリ最低限の「利」を得ながら、営農していますが、少なくともこうした「農業」は、TPPの皮をかぶった狼にも飲み込まれずに生き残れるのではないかと思って(踏ん張って)はいるのですが、なかなか厳しい現実は厳然とあるのです・・・
P.S. それにしても、米国と自由貿易協定の協議で合意に達した韓国は、日本同様2.5%の自動車の関税が、6年後には0%となるわけで、ウォン安にも乗って売り上げを伸ばすと予想されています。その結果、「米国向けの自動車、電気、電子、機械分野の輸出が2020年には1兆5千億円分、関連の国内生産額は3兆7千億円分の打撃を受ける」と試算されていますが、さらなる「開国(亡国)」政策で、国を開いたとしても、産業の構造的な金属疲労を来たし、衰退の道を辿り始めている日本が、現在の韓国の勢いを止めることはかなり困難だと言わざるを得ません。今は「開国(亡国)」政策ではなく、「守国」政策を実施すべき時ではないかと妄想します・・・
P.S.2 韓国は、国内では国内農業の保護を強烈に打ち出し、さらに米国との自由貿易協定の協議においては、米国産牛肉の輸入制限緩和はFTA発効の前提条件としないとして協議を続けているそうで、小国とはいえ、なかなか強(したた)かに米国と渡り合っています(またそれだけの勢いがあるのです)が、日本はどうも「TPP」の絵に描いた餅の「罠」に自ら嵌り込んで行きそうな妄想に、無力な一農民は煩悶しながら鍬を振り上げているのです・・・
P.S.3 こうした状況の中、輸出企業(自動車、電気業界)は米国と自由貿易協定(NAFTA)を結んでいるメキシコを拠点にして、無税で製品を輸出し始めたそうです。さすが「無国籍企業」の面目躍如です。「利(益)」を逃すことはありません。であるならば、最早「自由貿易協定(FTA)」、そして「TPP」そのものが必要ないのではないかと妄想したりもしますが・・・
1月18日付の『朝日新聞』には、「第三の開国」と題して二人の論客の議論が併記されていました。東大教授の戸堂氏は、開国しなければ日本は「中進国」に落ちぶれてしまう、「幼稚産業保護論」を排し、グローバル化していない「臥龍企業」を世界に羽ばたかせることが必要だとする「開国論」を展開していました。しかし私の妄想では、日本は開国しても、いずれ「半開」(「中進国」)へと落ちていかざるを得ない構造的衰退期に来ていると思っています。もし国そして国民をいうものを念頭に置いた「国家観」が僅かでもあるならば、農業や中小企業など、グローバル化できない産業を如何に守れるかが、国として最も大切な役割であると妄想しています。グローバル化した「多国籍企業」は、実は最早国を捨て、国民を置き去りにした「無国籍化」企業に他ならないのですから。
一方、京大準教授の中野氏は、「今でも日本の平均関税は欧米よりも韓国よりも低い。日本は既に十分開国しています」、「日本のGDPに輸出が占める割合は2割にも達しません・・・日本は実は輸出立国ではなく、内需大国なのです」、そして「今以上に貿易自由化を進め関税を引き下げると、外国の安い製品が入り、デフレがさらに進んでしまう」、「日本国内の企業が輸出で競争しようとすると、低賃金で技能が高いインドや中国の労働者との競争になり、社員の給料は抑えざるを得ない」ということになります。実際、(大)企業は潤っても、その恩恵を受けられなくってきている労働者が、このデフレ社会の中で急激に増加しています。
氏はさらに、「TPP交渉に参加する9ヶ国と日本の国内総生産を合計すると、日米両国で9割を占めます。TPPは実質的に日米自由貿易協定です」、そしてデフレ脱却のために、「一時的な関税引き上げや『バイ・アメリカン』政策的な保護主義が必要」、「せめてこれ以上の貿易自由化はやめてほしい」と言われます。氏も述べていますが、(親分の)米国に対して日本が保護主義的な政策を取ることは事実上困難です。「TPP」は羊の皮をかぶった「狼」(米国)であって、下手に欲をかいて手を出すと、一飲みで米国の胃袋の中に飲み込まれてしまうことでしょう。これ以上の「デフレ」を輸入することは、日本国内の青色吐息の産業の息の根を止めてしまうことになるでしょうし、「開国」どころか、「亡国」状態に国を追いやることになるのではないでしょうか。
私は農業を営んでいますが、だからと言って「農業」を擁護するつもりはありません。今の農業は工業化した「ノウギョウ」であって、自らが自らや家族、友人の食する物のために汗をかく「農」の営みとは異質のものだと妄想しています。赤字であれば続けられませんが、現在なんとかギリギリ最低限の「利」を得ながら、営農していますが、少なくともこうした「農業」は、TPPの皮をかぶった狼にも飲み込まれずに生き残れるのではないかと思って(踏ん張って)はいるのですが、なかなか厳しい現実は厳然とあるのです・・・
P.S. それにしても、米国と自由貿易協定の協議で合意に達した韓国は、日本同様2.5%の自動車の関税が、6年後には0%となるわけで、ウォン安にも乗って売り上げを伸ばすと予想されています。その結果、「米国向けの自動車、電気、電子、機械分野の輸出が2020年には1兆5千億円分、関連の国内生産額は3兆7千億円分の打撃を受ける」と試算されていますが、さらなる「開国(亡国)」政策で、国を開いたとしても、産業の構造的な金属疲労を来たし、衰退の道を辿り始めている日本が、現在の韓国の勢いを止めることはかなり困難だと言わざるを得ません。今は「開国(亡国)」政策ではなく、「守国」政策を実施すべき時ではないかと妄想します・・・
P.S.2 韓国は、国内では国内農業の保護を強烈に打ち出し、さらに米国との自由貿易協定の協議においては、米国産牛肉の輸入制限緩和はFTA発効の前提条件としないとして協議を続けているそうで、小国とはいえ、なかなか強(したた)かに米国と渡り合っています(またそれだけの勢いがあるのです)が、日本はどうも「TPP」の絵に描いた餅の「罠」に自ら嵌り込んで行きそうな妄想に、無力な一農民は煩悶しながら鍬を振り上げているのです・・・
P.S.3 こうした状況の中、輸出企業(自動車、電気業界)は米国と自由貿易協定(NAFTA)を結んでいるメキシコを拠点にして、無税で製品を輸出し始めたそうです。さすが「無国籍企業」の面目躍如です。「利(益)」を逃すことはありません。であるならば、最早「自由貿易協定(FTA)」、そして「TPP」そのものが必要ないのではないかと妄想したりもしますが・・・