プルサーマル計画を憂慮する有志の会

愛媛県伊方発電所3号機におけるプルサーマル発電の問題を考える有志の会です。

可能性はゼロではない

2011年05月24日 | 日記
 海江田経産大臣や亀井国民新党党首まで乱入した「泥バトル」は、全員場外による失格負けとなったようです。この「泥バトル」ではっきりしたのは、政府官邸と東電、そして安全委員会や保安院との意思疎通がバラバラで、緊急時の危機的状況に対応できる状態ではなかったということです。

 問題点の一つの「臨界」については、M9の地震や、15メートルを越える津波、そして全電源喪失、更にはベントや海水注入の必要性と同様に、臨界の可能性はあったのであり、その為にホウ素を海水に混ぜて注入したわけです。但し、斑目氏が言うように、海水の方が「不純物が増え、臨界に不要な中性子をより多く吸収するため、臨界は起きにくくなる」(引用は『朝日新聞』)ということのようです。

 最大の問題は、斑目氏の「可能性はゼロではない」という科学者としての逃げ口上でも、官邸を慮(おもんばか)っての東電の海水注入中断ではなく、水素爆発前の「(水素)爆発はない」との安全委員会や保安院の認識とベントの遅れであり、もっと言うならメルトダウンの認識と、それを防ぐ為の海水注入の致命的遅れです。

 今回の爆発後の海水注入の判断も、水素爆発してから海水注入の「命令」が出るまでに約5時間も掛かっているのです。実際のところ、この海水注入の「命令」は1日遅いわけですが、安全委員会や保安院は、地震直後にメルトダウンの可能性(危険性)を首相に提言し(首相は国会でその危険性の認識はあったと言われていましたが)、(今更言っても仕方がないのですが)11日の時点でベントや海水注入の「命令」を出すべきだったのですが、その対応能力がなかったことが、この「泥バトル」で奇しくも「検証」されてしまった形です・・・

 中国解放軍と米軍は、災害救援と海賊対策で合同訓練を実施するとの合意に至り、「中米覇権連合」の様相を強めている中、このような危機管理のない政権では、ますます「利」(国益)を失い、付け入る隙を与えてしまいます。余りの脇の甘さに、米国も中国も呆れてしまっているかもしれませんが、このような(原発)自爆テロのようなことをやっていれば、中米によって共同管理されるような事態も「可能性はゼロではない」ということになりかねません・・・

P.S. 昨日の「TVタックル」に出演した日本原子力技術協会顧問の石川迪夫氏は、メルトダウンした燃料について、経て3m、横4mぐらいの卵状の溶けた塊(約2千度)に、冷却水を掛けて蒸発した水蒸気にコバルトやプルトニウムのような放射性物質がくっ付いて、5キロ圏内ぐらいに放出されている。その量は少ない(その少量で十分重大です)が、掛けた水とともに大量に流出している放射性物質が今は問題であるとの認識を示していました。

氏は未だに原子力の安全性そのものには疑念を抱いていない「確信(A級戦)犯」でおられますが、津波だけでなく、この地震大国日本においては、配管等も含めた(しかも老朽化した)原子炉自体の耐震性に、最早致命的な欠陥があることは自明の理であると思うのですが・・・(但し氏も、浜岡が危険ならば、全ての原発が危険だと、逆説的に言われてはいましたが・・・)

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