ゆうちゃんの独り言

モーツァルトが大好きで毎日欠かさず聴いています。人生の生き方は仏教で毎日般若心経を唱え、時間を見つけて寺巡です。 合掌

「介護保険制度創設から20年を経て考える「健康長寿社会に求められる介護システム」の在り方」」のシンポジウムに参加して

2021-12-21 13:17:30 | Weblog

 昨晩、日本医療政策機構(HGPI)が開催した「介護保険制度創設から20年を経て考える「健康長寿社会に求められる介護システム」の在り方」」のシンポジウムに参加しました。

 内容ですが、今後の介護システムの在り方に関しての現状把握とそれに伴う問題提起でした。最終的に政府に対して提言を行うのが目的であるためか、全体としては制度を支える仕組みの論議が中心でした。本人の主体性や意思決定能力に関わらずその人の尊厳をどのようにして守るか、世代を超えて支え合う機運が醸成される社会づくり、必要な人にサービスが行き届くように社会的リソースの効率的・効果的な活用が挙げられていました。

 特に2040年を見据えた社会のイメージは現在と大きく異なり、①多様化する家族と住まい、②個人を単位とした仕組みへの再編、③平均的な地域自治のイメージも意味がなくなる、④ケアモデルの変革(認知症モデル、独居モデル)が求められる、⑤市民自治型福祉VS公権力主導型福祉、が出てくると提起されていました。

 個人的には、今回のシンポジウムは政策提言に重みが置かれていましたが、介護現場からの意見反映が少ないことと、医療や介護の専門家だけでの政策作りは問題が多い思われます。介護に関わる人材が不足することは現時点で見えており、ITやAIの活用による解決も一つの手段ですが、これだけでは地域包括ケアシステムは機能しません。すべてを専門職で対応するのではなく、もっと身近にいる地域住民を活用することを考えるべきだと思います。

 昨晩は10名の専門家による話でしたが、インフォーマルな介護体制に触れた専門家はお一人だけでした。介護に携わる人材が不足するからこそ、軽微な支援を専門家に任せるのでななく、地域住民が自ら立ち上がり対応する市民自治型福祉をもっと推進すべきと考えるのは私だけではないと思います。この視点を是非とも政策提言の中に入れてほしいと思っています。

 地域住民でも出来る事はあるとの意識を持ってボランティア活動を行うべきだと思います。認知症対応において身近で出来る事は地域の中に「チームオレンジ」を立ち上げ、実践活動を通じて課題を見出して改善を図ることを続けると、自ずと必要な政策のヒントを見出せると思います。

 何事も、実際の現場を見ることが基本でありこの行為無くして政策提言はあり得ないとシンポジウムに参加して感じました。合掌