ゆうちゃんの独り言

モーツァルトが大好きで毎日欠かさず聴いています。人生の生き方は仏教で毎日般若心経を唱え、時間を見つけて寺巡です。 合掌

■ 才能ある音楽家を育てるために周りが行うべき事♪♪

2009-08-02 18:46:15 | Weblog
 
 米国テキサス州フォートワースで開かれた第13回バン・クライバーン国際ピアノコンクー
ルで盲目の日本人ピアニスト辻井伸行が優勝したニュースが6月上旬に流れたので彼の名前は
多くの方に知られる存在になった。

 正直言って私は彼の存在を今回のニュースで知ったのが初めてであった。幼少の頃から音楽
的な才能を発揮し、日本だけでなく海外のオーケストラとも共演をするなど、如何なくその実
力を発揮し素晴らしい音楽を多くの人に届けている若者だと思う。

 先日彼の公式ホームページを見てみると、今後のスケジュールがびっしりと詰まっており、
各方面から引っ張りだこの状態が続いている。たぶんこの状態が今後も続くとしたら、そのう
ち彼の音楽の中身が薄くならざるを得ない状況になると思うのは私だけだろうか。

 演奏するためのエネルギーを蓄積し、そして会場で全てを発散するので普通あるが、この繰
り返しが短ければ短いほど、充電式のバッテリーの寿命が短くなるように、彼の精神的なエネ
ルギーは弱ってしまうものだと思う。

 意地悪な言い方をすると、マスコミや音楽事務所、さらにイベントを企画する商魂たくまし
いプロフェッショナルに踊らされて、本来の才能を摩耗しないようにして欲しいと願っている。
また、演奏を聴く側もただマスコミに踊らされてチケットを購入しているようでは問題だと思
っている。

 彼が盲目であるという境遇に同情し、コンサートホールに行かないようにして欲しい。なぜ
ならば、音楽会はピアニストの心の音楽を聴くのが目的であって、音楽の本質の前に盲目であ
るという事実はなんら関係のないことだからである。

 これは、聴く側の姿勢の問題である。この聴く側の姿勢を狂わす要因として、マスコミの過
剰な報道があげられる。普段クラシックの話題を提供しない番組が、あたかも以前から取り組
んで来たかのように全面的に取り扱う行動には閉口してしまう。

 従来通り、お笑いやゴシップだけを扱っていれば良いものを突然にクラシック音楽を前面に
報道して欲しくないと思う。このような異常な取り上げ方で、CDの売り上げも他のミュージ
ックと同じようにクラシックとして異常な販売枚数を記録したようだ。

 今までクラシックを聴かなかった層が聴くようになったのであれば良いが、なんとなくファ
ッションや単なるブームに乗って購入した層が多いように感じられる。

 彼のような才能のある人材を壊してしまわないように、時には厳しくそして感動した時は大
きな声援を送るような流れに是非ともして欲しいものである。過去に、フジコ・ヘミングも今
回のような現象が起きたのは記憶に新しい。

 ほんのちょっとしたことで、才能ある人材が消え去ってしまうことが多い時代なので、聴く
側の姿勢も含めて、彼を支援する気持ちを引き締める必要があると感じている。