ゆうちゃんの独り言

モーツァルトが大好きで毎日欠かさず聴いています。人生の生き方は仏教で毎日般若心経を唱え、時間を見つけて寺巡です。 合掌

■ 第46回リコーフィルハーモニーオーケストラ演奏会を聴いて♪♪

2009-07-17 23:42:59 | Weblog

 先日、知人がメンバーとして活躍しているリコーフィルハーモニーオーケストラの第46
回演奏会に出かけました。会場は後楽園の脇にある、文京シビックホール大ホールでした。
個人的には初めて訪れるホールであったので、ホールの響きやその他の設備に興味があり、
早めに会場に行き、内部を探索しました。

 このホールの印象ですが結論的に言ってとても気に入りました。プロセニアム形式のホー
ルで、収容人員が1800名と大きくもなく、また小さくもなくさらに2階席までしかない
ところが好きです。残響時間も2秒程でとても耳心地よく聴こえるホールでした。

 さてこの日の演奏曲目ですが、フンパーディンクの歌劇「ヘンゼルとグレーテル」前奏曲、
リストの交響詩「前奏曲」、ベートーヴェンの交響曲第3番変ホ長調「英雄」でした。どの
曲も有名な曲なので、それぞれに楽しめる曲でした。

 当日の演奏ですが、指揮は井崎正浩でした。井崎は、1960年福岡市に生まれ、21歳
の時に声楽及び合唱指導法を学ぶためウィーンに出かけ、ここでの勉強中に指揮者を志した
ということですから、なかなか行動力のある人物だと思われます。

 また26歳からアマチュアオーケストラを指揮し始め、1995年5月のブダペスト国際
指揮者コンクールに優勝してからは、一躍注目を浴びてプロ指揮者としてデビューし今日に
至っているようです。

 2007年にソルノク市音楽総監督に就任した中堅指揮者で、演奏を聴く限り才能がある
方だと思いますが、さらに世界で活躍するためには、より多くのオーケストラとの共演を実
現し、自己の能力をアピールする必要があると思います。

 アマチュアオーケストラを指揮することに関しては、なにも言いませんが、同じ才能を使
うのであればよりレベルの高いプロのオーケストラを指揮し、日本の柔軟な心により西洋音
楽の新たな感性を多くの聴衆に示してほしいと思います。

 さて当日の演奏内容ですが、始めの曲である歌劇「ヘンゼルとグレーテル」前奏曲は、ま
だオーケストラ全体で音をお互いに聴きながら演奏する準備段階であったので、今一歩の内
容でした。ひとことで言えば盛り上がりに欠けていました。

 2曲目のリスト交響詩「前奏曲」はかなり内容が良くなり、少しずつ心や感情が入ってき
た印象を受けました。

 最後のベートーヴェン交響曲第3番変ホ長調「英雄」ですが、3曲の中では一番優れた演
奏内容であったと思います。ただところどころで、弦楽器の低音部に力強さが足りないと思
われる個所がありました。弦楽器全体に言えるのは、弓と弦が表面的な優しい関係であり、
相互に吸いついている感じがなかったことが、力強さや弦の響きに魂が入っていないように
聴こえる原因になっていると思います。

 また、木管楽器の中でフルートの音色が全体の音楽の流れの中で曇っているような感じを
受けたので、余計にベートーヴェンらしくなっていないのが気になりました。

 個人的に素晴らしいと思ったのはオーボエで、特にリスト交響詩「前奏曲」では歌ってい
る心が音に現われており、素晴らしいと思いました。ベートーヴェンのときはセカンドを吹
いていましたが、できればファーストを吹いて欲しいと思うくらいに、歌うオーボエを久し
ぶりに聴きました。

 普段はモーツァルトしか聴かないのですが、久しぶりにベートーヴェンを聴き、懐かしさ
が蘇りました。いろいろな点で改善してほしい個所はありましたが、アマチュアオーケスト
ラですので、このレベルまで演奏できれば素晴らしい出来に入ると思います。

 プロのオーケストラの演奏では大きな誤りは起こしませんが、反対にスリルがないのが難
点の場合があります。その点、アマチュアオーケストラは何が起きるか分からないのでドキ
ドキしながら聴けるので、個人的には、真面目な思いで満足できた演奏会でした。

 次回は来年の2月に川崎シンフォニーホールで開演されるとのことですので、可能な限り
聴きに行こうと思っています。