思い出

　　　　　　　　　　

これは、２０年近く前のケンネルクラブ証明書　ゴールデン　レトレーバーの出生証明書と言うべきもの
犬の家計図みたいな血統書である

職場の書庫を片付けていて発見した　総務で、上司の伯父にあたる方がきちんと保存してくれていたのだ

上司が始めて飼ったゴールデン　ジュリー（メス）が、物凄く良い犬だった

ジュリーの両親も祖父母もまたそれぞれの曽祖父もすべて見事な血筋
いろんなドッグショーで優勝した羅列があった

それをすべて受け継いだかのようなジュリー
その子をお店で出会った瞬間、恋に落ちたかのような衝撃に合い、
売りたがらないペットショップ店主から奪うように懇願して買ったと言う

姿も美しいし健康で、いたずら好きだが性格も良くて人懐こくて賢くて人の心を読み解き接してくれる　

ゴールデンは多産系で一度に８匹も産むから、交配犬を選ぶのもすべて店主の選んだオスで、
産まれた子犬のうちで２匹から３匹は店主に渡すことになっていた

産まれて一ヶ月くらいにそれぞれ貰い受けた

最初のお産で、我が家にも私の父にとって永遠の友になってくれたジーン君を貰ったし、
我が町は彼らの兄弟姉妹でいっぱいになったかのようにゴールデンが広がったようだった

彼らは血統も良くて健康な犬ばかりで、最近問題になっているような劣性遺伝子を持つ虚弱な犬や
産まれもって障害を抱えた犬なんか居なかったし、乱産させるようなことはあの当時は無かったような気がする

我が家のチビ犬だってそうだ
ロングヘアーチワワ（スモールな）だと聞いて買ったと言う前の飼い主が、この子を放置したのも

足の長い雑種だったからだ
高いお金を払って買ったのにと怒りがそこに生れ愛情が半減したのではないか
　
幸いにも身体は何の障害も無く健康だから今に至っているけれど、性格も決して良いとはいえない
けれど、彼に罪は無いのだから、出会ったことを感謝し愛情を注いでやるべきであったと思う

商売して銭儲けしか頭に無い業者ばかり増えたのも嘆くばかりだが、
買う側にも責任を促したい
命の大切さを忘れているし、ペットをまるで玩具のように考えているものも多い

イギリスやアメリカのようにペットを飼うのに条例が整い
育て方にまで法律で口を挟める国と違う日本にも問題があるのではないか

ペットは家族だ

最後までペットを見届けてやれる自信が持てなければ飼わない方が良い

親の元でしっかり愛情を注ぐ一定期間を経なければ子犬を親犬から離すべきではないのに
生れたての可愛い子犬の姿だけに魅了されて欲しがる購入者も猛反省するべきだ

犬として生れたら犬としての躾と愛情を親からちゃんと受ける事が必要だ


そのことは　人間の子育てにも通じるのではないか
親として愛情と躾を出来なかったために今、人間の子供たちも不出来な大人に育っては居ないか


私も　ときどき　　子育てに失敗したんだろうかと　３０過ぎようかと言うわが子達を見ながら　ふと思う