LE OTTO MONTAGNE⛰帰れない山
イタリアの作家パオロ・コニェッティの世界的ベストセラー小説を映画化し、2022年・第75回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した大人の青春映画…北イタリアの山岳地帯で出会った二人の少年が山を通じて人生を描く感動の長編映画…147分という長さを感じさせなかったが…腰が痛い
ざっくりストーリー北イタリア、モンテ・ローザ山麓の小さな村…山を愛する両親と休暇を過ごしに来た都会育ちの繊細な少年ピエトロは、同じ年の牛飼いの「山の民」を自負する少年ブルーノと出会い、一緒に登山など大自然の中を駆け巡る中で親交を深めていく。しかし思春期に突入したピエトロは父に反抗し、家族や山と距離を置いてしまう。時は流れ、父の悲報を受けて村を訪れたピエトロは、ブルーノと再会を果たす。ふたりの対照的な男たちの友情を軸にして、人間同士の触れ合いや親子の絆、生きることの根源的な意味を問いかける
固い彼らの絆をもってしても、人生には乗り越えられないことがあり、帰れない山が存在するのだということも、本作は描き出す。そこにどうしようもない切なさがある。人生について何かを教えてくれることがある作品だ。
対照的な少年たちの友情と成長をベースに…父の存在…家族との関係性…自然と農家の生活…村で最後の子ども…限界集落…都会と田舎…父が望んだ山の家の建設…生と死…というテーマをさまざまな層で描いている
原題のLe otto montagne・八つの山は、古代インド(仏教)の世界観で中心にある須弥山(スメール山、しゅみせん)の周りを取り巻く八つの山や海を指す。8つの山すべてに登った者と、須弥山に登った者、どちらがより多くのことを学んだのか。ピエトロはずっと八つの山を巡り続け、自らの居場所を探すが、二人はずっと同じではいられない。いままで帰れた山が帰れない山となった時、初めて自分の山を決める。
ルカ・マリネッリが主人公ピエトロ、アレッサンドロ・ボルギが親友ブルーノを演じた。メガホンをとったのはベルギーの俊英フェリックス・バン・ヒュルーニンゲンと、俳優のシャルロッテ・ファンデルメールシュ。実生活で夫婦でもある2人が共同で監督・脚本を務めた。
2022年製作/147分/イタリア・ベルギー・フランス合作
手紙仕掛けになっているお洒落な演出の映画のパンフレット・・・
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