次の天体望遠鏡(BKP130)がきたということで、これまでの電視観望の立役者FMA135について振り返りたい。
先ず、基本情報
Askar社製、口径3cm、焦点距離135mm、F値4.5(=135mm÷30mm、明るい)、31.7mm接眼アダプター、鏡筒台座+ファインダーブラケット付属。重さ約370g。1枚のEDレンズを含む3校玉+3枚玉フラットナーのアポクロマート鏡筒。
左から、鏡筒ふた①、鏡筒ふた②(1.25インチフィルターとりつけ可能)、鏡筒本体(3枚玉アポクロマート、回転ヘリコイド、フラットナー)、延長筒(接眼レンズアダプター)、鏡筒台座+ファインダーブラケット、フラットナー側フタ。本体長さ約11cm(延長筒つけて、約16cm)。小さくて、軽い。大きさの比較のため綿棒ケースを横に置いた。Skywatcher社のMAK127と比べると
金魚とメダカの針子ぐらいの違いがある。
これに、アリガタ、ファインダー台座、FMA135用ファインダー台座、等倍レッドドットファインダー、Neptune-CⅡをつけるとタイトルの画像となる。初心者用電視観望天体望遠鏡の完成。AZ-GTiなどに載せて、電視観望開始となる。
2月から約5ヶ月使ってきて
FMA135の長所と思うこと。
1)フラットナーと呼ばれる補正レンズが、一体化してついていて、星が綺麗に丸く写る。
2)台座合わせて370g。軽い!従って天体観測の準備の負担が小さい。
3)Neptune-CⅡなどのPlayerOneの惑星用CMOSカメラはポンづけでピントが合う。
RXA124の時は、標準でピントが会わないと知って驚いた。(もっともRXA124は、眼視用につくられているため販売会社には責任は無い。)Youtubeを参考に少し改造してピントを合わせた。天体観測の世界では、ピントが合わないことも多く、ピントが合う合わない情報を知らべたり、改造や工夫して合わせたりすることは、その人の実力のうちとのこと。これにも驚いたが、FMA135は、ポンとつければほぼピントが合う。初心者に優しい。
4)回転ヘリコイドが一体化して標準でついており、ピント微調整が比較的楽。
眼視では問題にならなくても、天体写真や電視観望ではとことんピントを合わせる、ピントの追い込みをする。そのための部品、回転ヘリコイドが一体化してついている。またこのヘリコイド優秀で程よい硬さで動く。ピント合わせのストレスが軽減される。
ちなみに、これまで所有してきた3台の天体望遠鏡、MAK127、RXA124、SV165と比べると
FMA135>MAK127>SV165>RXA124
の順でピントを合わせやすい。(なお、私不器用で、AZ-GTiのアライメントとピント合わせで30分以上かかることもザラにある。そのため、お目当ての天体が、見ようとしたときには、雲の中や電線密集地帯で、ほぞを噛むこともしばしばある。ピント合わせが、楽になりこの時間が短縮されるメリットは大きい。)
5)3枚玉アポクロマート鏡筒で、色収差がほとんどない。
アクロマート天体望遠鏡は、青ハロなどの色収差のため、星の周りに青色の輪が取り巻くことがある。それが無いらしい。
6)短焦点で画角が広い。天体導入の難易度が下がる。
7)観望途中でカメラを外さず、フイルターの付け替えができる。
上の写真のように鏡筒のフタが2つに分離して、真ん中の部品に1.25インチのフィルターをつけることができる。
これにより、観望中のフィルタ―が交換できる。
短所は、
1)値段が約5諭吉。高い!同じ口径3cmのSV165のほぼ10倍。(SV165も回転させてピントを合わせる方式だが、回すたびに、星が動くので、少々ストレスになる。星の写りも価格差の分はあると感じる。ただ、眼視だと昼間の風景はよりF値の小さいSVI65が勝っている気がする。)ただ、3枚玉アポクロマート鏡筒が、3枚玉フラットナーつきでこの価格で買えるのは破格らしい。
2)分解能についてドーズの限界が3.87"(=116÷30mm)で、重星や球状星団の中心部は分離できない。短所というより、FMAI35で重星や球状星団見る方が間違っているということ(私です)。存在確認できただけFMA135優秀ということか。(資料2)
JUNZOさんのアンドロメダ映像化の本にも初心者用と明記且つ特徴が書かれているが、(口径が3cmと小さいので)明るい天体向き、(焦点距離が、135mmと短いので)大きな天体向きの天体望遠鏡ということになる。私のメイン鏡筒の位置は、(宝くじが当たらない限り、)これからも変わらない。『当たるわけない!』うんまた空耳・・・
なお、兄貴分に、FMA180Pro+Uranus-Cという組み合せがある。幸せ度は高くなるが、お財布は軽くなる。
参考資料
3)例1
4)例2
5)例3
6)例4