よしべや自然博物館

2022年11月の月蝕を契機に電視観望を始めました。
通信販売とSNS頼りに頑張ります。
天文初心者の悪戦苦闘の記録。

電視観望の覚書021(SiriL② 簡単アノテーション)

2024-05-21 00:59:00 | 覚書・機材
天体画像の銀河・星雲に名前などの情報を付け加えるアノテーション。
これには天体位置情報などのデータベースとプレートソルブを成功させることが必要。
SiriLでもプレートソルブ機能が実装されており、様々な天体データベースの活用も可能で、その方法もSiriLのWebsiteで説明されている。

が、前回紹介した画像処理の手順(覚書021(SiriL① 逆畳み込み) )を実行すると、自動的にアノテーションが可能となる。ポイントは、

『③フォトメトリック色補正

これを実行する段階で、プレートソルブが自動的に実行される。処理が成功すると、その後アノテーションボタンとα,δ グリッド表示のボタンが使用可能になる。

以下その手順
1)FitsファイルをSiriLに読み込んで、かぶり処理、逆畳み込みを実行、下の方に機能ボタンがある。


この段階でFitsファイルに、プレートソルブ情報が無いと、アノテーション・α,δグリッド表示ボタンが、グレーアウトしていて、使用できない。

2)フォトメトリック色補正のポップアップウインドーに①観測天体を入力して、②Find
ボタンを押す

3)見つかると表示される。

4)OKを押す

この間、consoleに、実行状況が表示されている。


5)フォトメトリック色補正が完了すると、ボタンが有効になる。

6)ボタンを押すと

なお、ボタンはトグルスイッチになっている。

注意
1)もちろん、単独でのプレートソルブも可能。とマニュアルには記載されており、その手順も紹介されています。詳しくは、下のリンクから

2)Macbook Air2019(intel)で実行した結果です。Windowsでもその内試してみたいと思います。たぶん同じだと・・・最近Windows使ってないので(^^;

3)初心者の経験の覚書です。間違ったところもあるかもしれませんのでご注意下さい。



よしべ~の物欲日記

2024-05-19 00:59:00 | 覚書・機材
よしべ~の物欲日記
話題の製品


ACUTER OPTICS 「トラバース」 自動導入式経緯台 三脚付き(販売サイトへのリンクなのでご注意下さい。)
6月1日まで約6割引きの特価
ASI715MC購入の翌日から、シュミットのセールが始まったので、ここまで我慢してきましたが・・・
グラッとくる。
おまけに、上田さん(ステラテック・サイエンス)が、ソフトの配布まで始めてくれたので・・・
どうしよう(^^;
我慢できるかな


電視観望の覚書001(画角②)

2024-04-06 00:59:00 | 覚書・機材
CCDカメラの画角②

Seestar S50(IMX462、250mm)は、別計算で約0.73°×1.28°
なお、ASIAIRのプレートソルブ作動範囲は、0.2°~33°


バローレンズ・レデューサーについては、比例でやればよい(拡大率で割る)。
ただ、微妙なところもあるので、
を参考に研究中。

よしべや関係ブログ

(覚書)
画角の計算は次のサイトを参考にした。
なお、上のサイトでは、計算式も表示されている。
そこでの図の三角形について考えると、

(KEISANの図から関係部分抜き書き)
簡単に式が導ける。
画角を三角関数(tan)で表すと、
tan(画角÷2)=(センサーサイズ÷2)/(焦点距離))
逆三角関数(arctan)で求めると、
画角(ラジアン)=2×(arctan((センサーサイズ÷2)/(焦点距離)) 
長さの単位はmm。

普通に計算すると、角の単位がラジアンで表示されるので角の単位を度(°)に変換する必要あり。(電卓のモードを変えるか、答に180/πを掛ける。)
縦・横・対角それぞれについて行う。

これをMac上のNumbersで、角の単位をラジアンから度に変換して、
2*DEGREES(+ATAN(a÷2÷f))、a=センサーサイズ、f=焦点距離
により計算して上の表の値を得ている。

(おまけ)
ところで、画角が小さいことから、
画角(ラジアン)≒弧の長さ=2×(センサーサイズ÷2)÷焦点距離、と思ってよい。
この単位を度に変換する為に、両辺に(180÷π)をかけて、
画角(°)=(180÷π)×2×(センサーサイズ÷(2×焦点距離))を得る。
この式は、JUNPYさんのアンドロメダ本でも案内されている。
関数電卓が手元に無いときは、π≒3.14として、この式をより簡単に
(180×センサーサイズ)÷焦点距離÷3.14で計算できる。

2024-05-22
EVOGUIDE 50EDⅡ追加










電視観望の機材008(ZWO ASIAIRその4 フラット・バイアス)

2024-03-29 00:59:00 | 覚書・機材
ASIAIR  Plus 32G その4
『フラットフレーム(ファイル)、バイアスフレーム(ファイル)』
を用意してのライブスタック撮影テスト

鏡筒 130PDS+ASI585MC+CBPフィルター
ガイド SV165+ASI120MM+UV IRcutフィルター
(ディザーあり)
架台 赤道儀化AZ-GTi
制御 ASIAIR Plus 32G

以下ダーク、フラット、バイアスを適用したライブスタック、スクショ、撮ってだし

2024年3月27日自宅ベランダ
画像①M47、30秒×5

Seestarでの記録は、星見娘71

画像②M46、30秒×8

Seestarに勝った気がする。星見娘4004

画像③C71、30秒×7、途中でガイド星が山に隠れ終了させた。

Seestarの記録は星見娘4003


*フラット(フレーム)ファイルとは、
様々な原因(望遠鏡の性能、レンズ・鏡についたホコリ、カメラの性能など)で、一様な明るさの対象を写してもそのとおりには写らない。またどれだけ高価な望遠鏡でも周辺では暗く写る(周辺減光という)。それを元に戻すために、一様な明るさのものを写した画像を用意する。これがフラットフレーム。これを画像処理ソフトに登録すると、あたかも周辺減光などが無かったかのような画像ができあがるとのこと。
ただ、ソフトも難しいことをやっているわけではなく、やってくれているのは、膨大な量の小学校算数の割り算。
『一番明るいAでは、100の明るさですが、フラットフレームの情報によれば、端のBでその7割の70の明るさになってます。元の明るさに戻しますか?』『戻して!』するとソフトは、Bに写った明るさを7割で割り算して、本来の明るさに戻している。

*バイアス(フレーム)ファイルとは、
フラットのダークともいわれる。フラットフレームにもカメラが元々持っているノイズが残っているので、それを補正するためのファイル(フレーム)。こちらは引き算?

(覚書)
3月末は悪天候の毎日。そんな中で2日ほど青空が広がる。軌道にのってきた130PDS+赤道儀化AZ-GTiをセットして、少し外でボンヤリする。SNSで読んだ「フラットファイルってこんな一様な明るさの空で撮るとか書いてあったな。」と思い出す。

フラットフレーム(ファイル)撮影
1日目
青空2日目、兎に角やってみるかで、青空写して見る。真っ白な画像ができる???

そして4日ほど雨で
2日目
ネットで調べると、天体望遠鏡に白いビニールのようなものを被せるとある。やってみる。変わりなし。まっ白な画像ができる。ASIAIRの販売店の日本語マニュアルを読みなおす。まっ白な画像ができる。また見直す。たしかライトフレームと①同じビギニング②同じgain③同じ温度だよな。OKだ!『う~ん?撮影時間書いてない。』これまで、④同じ撮影時間で撮影していた。長すぎて飽和するはずだ。と気づき、撮影時間を変更して撮影。多分できた!自信はない。


ただ、フラットファイルは、飽和しない程度の一様な明るさのものを写すということは理解した。

バイアスフアイルは、130PDSにふたして撮ればよいので、これも撮影した。


そして、ライブスタックの設定で、ダーク、フラット、バイアスを設定してのライブスタック(画像①ヘ)。

参考資料等
  JUNPYさんの銀河星雲・Seestarマニアのための交流・情報サイト
  東京のど真ん中で天体写真しているHIROPONさんのブログ。PHD2の公式日本語マニュアルの翻訳者。Starry Urban Skyの運営者さん。





電視観望の覚書021(SiriL① 逆畳み込み)

2024-03-26 00:59:00 | 覚書・機材
SiriLは、無料の天体画像処理ソフト。昔あったWindows用のIrisという天体画像処理ソフトのリナックス版として開発されたとのこと(資料3)。
仏圈を中心にユーザーが多いらしい。ZWOが、Seestarの有名テスターさんがSiriLを使って画像処理しているYoutubeを必見と案内していたこともあり気になっていた。いくつか見たが英語が多く理解できず。

アルさん(Xネーム)がブログでその手順を公開してくれているので、それに従って、
①Background Extraction
 カブリや光学系によるムラ(周辺減光など)の補正
②逆畳み込み(Deconvolution)
   ステライメージの画像復元に対応。
③フォトメトリック色補正
 ホワイトバランスの補正。恒星の色をNOMAD等の観測データを元に補正。
④ヒストグラム変換
⑤Generalised Hyperbolic Stretch Transformations
  (GHS、一般化双曲線ストレッチ変換)
  所謂ストレッチ。ステライメージのデジタル現像の拡張。
⑥彩度
⑦グリーンノイズ除去
で、画像処理の練習をしている。

今回は、②の逆畳み込みについての覚書。この機能は星像等を補正してくれる。
初期の頃のハッブル宇宙望遠鏡の鏡は歪んでいて、その像をこの技術で補正していたのは有名な話らしい。

SiriLを立ち上げ、画像を読み込む。画面上部の①画像処理をクリックすると、ドロップダウンで、リストが現れるので②逆畳み込みをクリック。
逆畳み込みのサブウィンドーがポップアップする。
①のGenerate PSFで、PSF(点広がり関数、Point Spread Function)が生成される。②に星像と生成されたPSFの畳み込みの結果が表示される(今回は表示される前のスクショ)。チラット見て、③をクリック。『閉じる』をクリックして画面を閉じてお終い;^^)
なお、画面横では、その状況が
のように表示されている。

参考資料
1)『宙が好き』のアルさんのブログ

【備忘録】SiriL1.2.0での画像処理(DSO編) : 宙が好き

最近、あまりDSOを撮る機会が無くて、処理手順も忘れちゃいそうなので、備忘録としてSiriLでの画像処理手順を書いておこうと思いますSiriLのチュートリアルに沿って進めます...

宙が好き

 
2)『20年ぶりの星空』さんのブログ。SiriLについてはその1からその3まであり、(少し古い)バージョンではあるがマニュアルの日本語訳も作製してくれている。

Sirilによる画像処理 その1(フラット補正なし)

20年ぶりの星空

 
3)蒼月城さんの3年前のYoutube。古いバージョンの評価・解説。SiriLとは何か?についても述べられており総合的に、SiriLとは何かを知ることができる。

4)逆畳み込みの最先端ツールは、今話題のBXT AI4。
これについては『たのしい天体観測』丹羽雅彦さんの解説ブログがある。

BXT AI4(BlurXTerminator)の正しい進化

BXTについて自分の見解を持ちたいと思い、この週末にBXTの作者のRussell Cromanさんの書いた記事や、動画、インタビュー動画を手あたり次第に読んだ見たりしました。結論と...

たのしい天体観測

 


以下、『畳み込み』・『逆畳み込み』とは何か?を理解するための個人的な覚書。

数学的内容は伴いませんが、大学理系程度の数学用語は出てくるので、閲覧御注意下さい。
 
『畳み込み』とは、
関数gを平行移動させながら、関数fに重ね足し合わせる(二頂)演算(以下、*とする)。~Wikipedia『畳み込み』より。具体的なイメージは次のアがわかり易い。
(私、上の『足し』が理解できてない。『積和』ではないのかと思うが、下の議論には、影響無いので、そのままに近い形にしておいた。)
 
ア)畳み込みの仕組み | Convolution~3Blue1BrownJapan公式チャンネル
 
以下、次の

 
の関係部分についての要約。
 
連続関数fとgの畳み込み*は、


{displaystyle (f*g)(t)=int f(	au )g(t-	au ),d	au }離散に対しては、

で定義される。これは、様々な数学的対象に拡張される。(t (m)は平行移動を意味するが、gの中のτ(n)が-τ(-n)になっているのは、数学的な扱い易さのための工夫、アでこれについても触れられている。複素平面上では、τと-τは対称点であり、重要な例がある。)
 
A.畳み込み定理
積分由来の概念ゆえ、
f*(g*h)=(f*g)*h・・・結合律
等の性質を持つが、肝は様々なところで、
フーリエ変換Fについて
F(f*g)=F(f)・F(g)となる畳み込み定理が成り立つこと。
(右辺の・は掛け算)
 
B.逆畳み込みの光学への応用
光学において、逆畳み込みは、
『記録されたデータの信号が、フィルタ (畳み込み)によって歪められた場合、元の信号を逆畳み込みを使用して復元すること。』
『光学では、「逆畳み込み (デコンボリューション)」は、光学顕微鏡、電子顕微鏡、望遠鏡で発生する光学的な歪みを反転させ、より鮮明な画像を作成するプロセスのために使用される。』(Wikipediaより、原文は正確に記述されているので、よしべ~の頭でもわかるようにはしょっている;^^)
 
*また、光学における畳み込みは写真・画像にぼかしなどのエフェクトをかけるためにも活用されている(ア参照)。
 
より具体的に天体観測では、
f:点光源の信号の関数(真の星像)~離散値、
PSF(Point Spread Function):(大気・光学糸等の影響による)点広がり関数とし、
h:観測された信号の関数(観測された星像)~離散値とおくとき、次が成り立つ(と仮定する)。

F(f*PSF)=F(h)
 
そして、左辺は畳み込み定理より、F(f)×F(PSF)となる。∴F(f)=F(h)/F(PSF)
逆FFTをほどこせばfを得る。
 
つまり、PSFを求めることができれば、FFT(高速フーリエ変換)と逆FFTを用いて、fを復元することができるということになる。この一連の操作も逆畳み込みと呼んでいる
ただ、FFTと逆FFTの部分は(数学・工学・計算機科学の研究・経験から)比較的容易らしいが、PSFを求めるのは難しいとのこと。PSF自体が非線形の可能性もある。現実は近似値を使用しているらしい。PSFの近似精度を高めるため、試行錯誤、実験、AI学習など様々な方法が取られているとのこと。(動的PSFなど星ごとにPSFを求めることもするらしい。SiriLにも実装されているが使い方わからず;^^)

なお、高速フーリエ変換については、ア及び次のエ、オが詳しい。
 (FFTの基本アイデアは複素平面上の円周等分多項式の解を利用して、連立方程式の解法に帰着させると感じた。)

そして、AMAZONで

購入して、斜め読み。カラオケのエコーから、音楽のイコライザー、データ通信・・・
世の中フーリエ変換で成り立っている?
最後の方で遂に出た!『畳み込み』の記述があったが、例は1つだけ。そこがちょっと残念。まあ、畳み込みだけで本何冊かになるんでしょうな。
以上。

(息抜き)
1年前のblogから、こんなことやってたのね~
眼視観望の記録001(冬のダイヤモンド) - よしべや自然博物館

眼視観望の記録001(冬のダイヤモンド) - よしべや自然博物館

見出し画像は、記録014(3月の星空)の該当部分のトリミング。冬は、一等星が多く見える季節。代表的な一等星はダイヤモンドの形に配置しており、冬のダイヤモンドと呼ばれ...

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