今回の南アルプス遠征の目的であった「日本最高の稜線」は、
絶好の天気の中で、参加者一同大満足のなかの心地良い稜線歩きだった。
南アルプスは、これまで遠い存在だったが、今回の遠征でそれが払拭され、
これからも体力の続く限り、長い付き合いになる予感がする。
惚れちゃったね! とか何とかと思いながら、下山開始。
11:40 間ノ岳での昼食の後、両俣小屋への分岐である三峰岳に向かう。
間ノ岳を南に行けば、農鳥小屋から農鳥岳へと続く。
そして西南方向に走る尾根づたいに行けば、三峰岳を経て、
熊の平小屋から、はるか塩見岳に通じる。
私たちは、三峰岳から仙丈岳へと続く稜線を歩く。
これからのコースの予定タイムはというと、
間ノ岳~三峰岳 0:30、三峰岳~野呂川越 2:00
野呂川越~両俣小屋 0:30。 計 3:00 (山と渓谷参照)
で、これから下山すれば、15:00 には両俣小屋に到着の予定だった。
何故かというと、北岳山荘に立ち寄った折、
「夕飯がいるなら、15:00までに着きなさいよ。」と聞いていたのだ。
これまでのところ、十分間に合う時間だ。
時間とともに少し気になる情報を得ていた。
「昨日、両俣小屋の200㍍上で熊が確認されているので、気を付けなさい。」
との言葉もあったのだ。
それで、先頭を歩くSさんのザックには、クマ除けの鈴が鳴り始めた。
「4人離れずの歩こうね」との確認をして歩きはじめた。
三峰岳への尾根筋にも花がいっぱい。
間ノ岳を振り返る。
12:20 三峰岳の分岐から野呂川越、仙丈ケ岳
「日本最高の稜線」を横に見ながらの下山。
三峰岳を振り返る。
ここでちょっとした出来事。
先頭を歩いていたSさんの「オォ!」と大きな声。
突然ハイマツの中から、雷鳥が飛び出してきて、Sさんのお腹に体当たり!
そしてお互いびっくり! 慌てて逃げいていく雷鳥の姿をパチリ。わかりますか?
チョットしたアクシデントはあったが、このルート、結構傾斜がきつい。慎重に下っていく。
間ノ岳の稜線もだいぶ遠くになっていく。
そして森林帯に入った。
やっと強い日差しから逃れることができた。しかし、風はあまりなく、暑さがすごい!
15:20 小さなピークを3~4ほど越して、ようやく野呂川越に着く。
ヤマケイでは、コースタイム2時間と掲載されているが、
実際は3時間かかった。特に遅く歩いたつもりはないので、
これは間違いではないだろうか。
このコースをほぼ一緒に歩いた、川崎から来た登山者も同じ感想だった。
何が問題かというと、私たちにとって小屋の夕飯が食べれないということなのだ。
野呂川越から両俣小屋へ向かう途中の景色。
16:10 やっと両俣小屋小屋に着いた。
この後、一人でこの小屋を仕切っているおかみさんと話をする。
「え!今来たの!」「寝るとこないよ!」「どうしようか!今日は一杯なんよ」
と言った後、2階に上がっていき、寝るとこの確保の調整をしてくれた。
私、「何でもいいんですが、食べ物はないですか?カレーでもいいけど。」
おかみさん「ご飯炊いてないのでないよ。」
ということで、あきらめて、一つ600円の缶ビールで今回の遠征を祝して乾杯。
後ろの写っているように、ここの客の半分は釣り客のようだ。
夕食は、非常食として持参していたモンベルで買ったエビピラフとナポリタン。
負け惜しみではないが、まぁまぁだった。
ただ、この夜は何とかの大合唱でほぼ眠れなかった。
明けて27日の朝。今日も快晴。
朝食は美味しかった。ここのはお勧め。夕ご飯も食べたかったねぇ!
小屋の前の花を少しパチリ。
6:00 両俣小屋を出発。野呂川出合いのバス停まで2時間半。バスの時刻は 9:15
全く眠ってない割には、さっそうとした歩み!
○○ケダシの仲間?
川では釣り客が
遠くには北岳が見送ってくれている。
前方には仙丈もはっきりと見える。
日本最大のアザミ 「フジアザミ」の花
途中で、赤色灯を回したパトカーが小屋の方へ走っていく。何かあったのかな?
2時間10分でバス停に着いた。
待ち時間が1時間。
で、この回のルートがほぼ一緒だった川崎の二人組と懇談。またどこかで会えたらいいね!
いつの日か、また両俣小屋に来ることがあるだろうか?
バスはぎりぎり乗ることができた。
臨時バスが出たこともあり、10時半には仙流荘に着いた。
早速車で移動し、高遠温泉「さくらの湯」でしっかり汗を流して、伊那名物に舌鼓。
とても美味しかった。
この後は、フェリーの時間もあり、あまりゆっくりできないまま、
新神戸でYさんをおろし、19:00に神戸港からフェリーに乗った。
そして、28日8時に新門司港へ無事に着いて九州に戻ってきた。
とてもいい南アルプス遠征だった。皆さんお疲れ様でした。
(完)
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