今日の気になる記事に、こんなのがあった。
成果主義で手取り月2万円 社員の訴え、和解し制度改正
成果主義で給与が大幅に減り、手取りが月約2万円になった富士火災海上保険(本社・大阪市中央区)の男性社員(53)が、従来通りの額の支払いを求めて法的手段に訴えた結果、同社と和解して解決金が支払われた。同社は併せて給与の最低水準を引き上げる制度改正も決めた。
男性は昨年7月、東京地裁に賃金支払いの仮処分を申し立てた。前月に口座に振り込まれた手取り額が2万2632円しかなかったため、「生存権を侵し、憲法に違反する」と訴えた。
そうした事態を招いたのは富士火災が00年に導入した新しい給与体系だ。歩合制で営業成績が上がれば翌月に「増加手当」が支給され、下がれば翌年度の給与から一定額がペナルティーとして差し引かれる。04年には家族手当や住宅手当が廃止された。
男性の6月の給与は本給と諸手当の計約19万円からペナルティー分の約7万4000円が差し引かれ、額面約11万5000円。ここから社会保険料などが引かれ、実際に口座に振り込まれたのは2万2632円だった。
男性は「これでは死ねと言われているに等しい」と、直前3カ月の給与の平均額(額面約22万円)の支払いなどを求めて仮処分を申請した。
富士火災側は(1)6月には別に臨時給与(手取り約12万円)も支払われており、直ちに生活が脅かされる状況ではない(2)新しい給与制度は多数派組合の同意の上で導入された――などとして全面的に争う姿勢を示した。
男性には妻と長男、長女がおり、係争中は労組からの借り入れや預金の取り崩しでしのいだという。男性が仮処分を取り下げ、本訴訟の提訴を準備していた11月になって和解が成立した。
男性の代理人の萱野一樹弁護士によると、和解は(1)富士火災が解決金を支払う(2)営業系の全社員を対象に最低賃金法に定める最低賃金の1.4倍以上を支払う――との内容。(2)が適用されれば男性には最低でも額面で14万円程度が支払われるという。
〈富士火災の話〉 コメントは差し控えたい。
これは正社員の話だが、派遣やアルバイト、請負などもこれと同様にひどい労働条件におかれている。最近は「労働組合」の組織率も下がってきているし、そもそも職場に労働組合がないところも多い。この記事の場合には、「多数派組合」も御用組合として会社側に立っていたようだ。
このような劣悪で、生存権を脅かすような労働環境を強制されたとき、私たちはどうするべきなのだろうか?一人ひとりではなかなか企業という組織には立ち向かえない。職場の労組も当てにならない。そんな場合、「ユニオン」といわれる個人参加型の「労働組合」に相談してみたらどうだろうか?
最近注目されているのが、「首都圏青年ユニオン」だ。この組織は、今のところ200人程度の小さな組合なのだが、DELLを相手に不払い残業代を支払わせるなどの成果を上げ、『エコノミスト』誌に「たった200人のフリーター組合がグローバル企業を追い込んだ」と紹介されたりもしている。
このような「ユニオン」型労働組合をネットワークする「レイバーネット」も要チェックだ。
このHPによると、きょう(1月22日)、首都圏青年ユニオンが「バイト・仕事のなんでも相談」と称して電話相談をするそうだ。
午後3時~。
電話相談を受け付けます。
03-5395-5359
首都圏青年ユニオン
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