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ドイツ総選挙については、「毎日」と「産経」がいい報道をしていたので紹介します。
ドイツ総選挙:東西分裂、鮮明に 左派新党が不満層取り込む(毎日新聞 2005年9月19日 東京朝刊)
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【ベルリン斎藤義彦】18日投開票されたドイツ前倒し総選挙で、野党・保守連合も、与党も過半数に届かない見通しが強まった。今後、大連立が模索されるが、混迷した状況は、旧東独で左派新党が票を伸ばした影響が大きく、政治的な「東西分裂」傾向がいっそう強まったと言えそうだ。more...
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>シュトイバー社会同盟党首が8月「旧東独の不満分子が国の将来を決めることは許されない」と発言した。また旧西独出身の旧東独ブランデンブルク州内相が同州で起こった乳児殺し事件をとらえ「社会主義政権下の『労働者階級化』が暴力を引き起こした」と発言。旧東独市民の激しい怒りを買い、民主・社会同盟が旧東独で票を伸ばすのは絶望的になった。
>旧東独の作家、ダニエラ・ダーンさんは「旧東独市民の気持ちなど西側政治家にはどうでもいいのだ」と憤る。「旧東独を代表する政党が議会にない。メディアも旧西独側に牛耳られている。左派新党には強い野党になってほしい」と話す。
>90年の統一から旧東独市民は揺れ続けた。民社党が左派新党に衣替えすると支持は急増、社民党と民主・社会同盟の3党で票を分け合うようになった。
---------(以上、記事からの抜粋)
「左翼党」(左派新党)の旗揚げに危機感を抱いた保守勢力が東ドイツ市民を口汚くののしった事へのしっぺ返しを受けたと言うことでしょう。シュトイーバーはキリスト教社会同盟(CSU)の党首。キリスト教民主同盟(CDU)とCSUは姉妹政党で、CDU/CSUの首相候補がメルケル氏。メルケルさんが東ドイツ出身なのに、片方で姉妹党の党首が「旧東独の不満分子が国の将来を決めることは許されない」などと言うのは失言中の失言。この発言は、大きな問題になった。おそらく今回の選挙でCDU/CSUが過半数をとれなかった原因の一つになった発言で、これを機に同党が支持率を低下させたのではないかと思います。
ちなみに、「毎日」は「民主的社会主義党」のことを『民社党』と略称していますが、やめて欲しいですね。
ドイツ総選挙:政治学者に聞く 混乱の原因と行方は…(毎日新聞 2005年9月20日 東京朝刊)
は
>有権者が政治的停滞を招く大連立を嫌い、大量に自由民主党に乗り換えた点
とまともなことを言っている唯一の記事だと思います。左翼党の躍進にもきちんと言及している。
それと、ドイツ総選挙の経済的背景をルポしたいい記事が、意外にも『産経』に掲載されていました。
独総選挙あす投開票 失業克服へ厳しい選択 (産経新聞) - goo ニュース
この記事は秀逸なものだと思う。ぜひ読んでもらいたいなと思います。産経のものだとは思えない(笑)。シュレーダー社民党による「構造改革」によってもたらされた「痛み」をよく伝えているし、二大政党が敗北し「左翼党」が躍進した背景を間接的にではあるけれども伝えています。
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ドイツ総選挙:東西分裂、鮮明に 左派新党が不満層取り込む(毎日新聞 2005年9月19日 東京朝刊)
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【ベルリン斎藤義彦】18日投開票されたドイツ前倒し総選挙で、野党・保守連合も、与党も過半数に届かない見通しが強まった。今後、大連立が模索されるが、混迷した状況は、旧東独で左派新党が票を伸ばした影響が大きく、政治的な「東西分裂」傾向がいっそう強まったと言えそうだ。more...
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>シュトイバー社会同盟党首が8月「旧東独の不満分子が国の将来を決めることは許されない」と発言した。また旧西独出身の旧東独ブランデンブルク州内相が同州で起こった乳児殺し事件をとらえ「社会主義政権下の『労働者階級化』が暴力を引き起こした」と発言。旧東独市民の激しい怒りを買い、民主・社会同盟が旧東独で票を伸ばすのは絶望的になった。
>旧東独の作家、ダニエラ・ダーンさんは「旧東独市民の気持ちなど西側政治家にはどうでもいいのだ」と憤る。「旧東独を代表する政党が議会にない。メディアも旧西独側に牛耳られている。左派新党には強い野党になってほしい」と話す。
>90年の統一から旧東独市民は揺れ続けた。民社党が左派新党に衣替えすると支持は急増、社民党と民主・社会同盟の3党で票を分け合うようになった。
---------(以上、記事からの抜粋)
「左翼党」(左派新党)の旗揚げに危機感を抱いた保守勢力が東ドイツ市民を口汚くののしった事へのしっぺ返しを受けたと言うことでしょう。シュトイーバーはキリスト教社会同盟(CSU)の党首。キリスト教民主同盟(CDU)とCSUは姉妹政党で、CDU/CSUの首相候補がメルケル氏。メルケルさんが東ドイツ出身なのに、片方で姉妹党の党首が「旧東独の不満分子が国の将来を決めることは許されない」などと言うのは失言中の失言。この発言は、大きな問題になった。おそらく今回の選挙でCDU/CSUが過半数をとれなかった原因の一つになった発言で、これを機に同党が支持率を低下させたのではないかと思います。
ちなみに、「毎日」は「民主的社会主義党」のことを『民社党』と略称していますが、やめて欲しいですね。
ドイツ総選挙:政治学者に聞く 混乱の原因と行方は…(毎日新聞 2005年9月20日 東京朝刊)
は
>有権者が政治的停滞を招く大連立を嫌い、大量に自由民主党に乗り換えた点
とまともなことを言っている唯一の記事だと思います。左翼党の躍進にもきちんと言及している。
それと、ドイツ総選挙の経済的背景をルポしたいい記事が、意外にも『産経』に掲載されていました。
独総選挙あす投開票 失業克服へ厳しい選択 (産経新聞) - goo ニュース
この記事は秀逸なものだと思う。ぜひ読んでもらいたいなと思います。産経のものだとは思えない(笑)。シュレーダー社民党による「構造改革」によってもたらされた「痛み」をよく伝えているし、二大政党が敗北し「左翼党」が躍進した背景を間接的にではあるけれども伝えています。
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左翼党結成の経過ですが、拙ブログ記事「【ドイツ総選挙】 支持率12%の「左翼党」誕生!」(7月18日のエントリー)http://blog.goo.ne.jp/yojiro5/e/474d5104c8cafbd03a6a90e5c09f310e
でPDSが「Linke.PDS」(左翼党。PDS)に党名変更した事を取り上げました。あと、そこにドイツ現代政治にお詳しい方のHPのリンクも貼り付けてあります。
PDSのホームページによると、左翼党には様々なワーキング・グループ(例えば、セクシャル・マイノリティーであるとかネオ・マルキシズムであるとかの)があるとされていますが、「分派」があるかどうかは確認できませんでした。
よろしければ、「分派」のHPアドレスを教えて頂けませんでしょうか?
左派党、ベルリン旧東地区で小選挙区3つ確保、ブランデンブルク州ではCDUを上回るなど、東で強いのは確かです。
ただ一方で、旧西独も含め全州で前回より得票率上昇、ザールランドでは得票率が1.4→18.5%と急増し2議席を確保したのを見ると、単純に旧東独住民の不満を吸収したと言ってしまうのもどうかという気がします。左派党の政策を支持する層が、西でも増えつつあるということではないでしょうか。
それにしても、日本の事情と比べると、シュレーダー政権の「改革」はどこも厳しく見えず、それくらいならいいのではという気がしてしまいますが… それでも今の失業率では不安・不満を持つ人も多いでしょうね。
シュレーダーの「改革」も、日本のと比べるとまだマシですよね。もともと高い水準にある社会保障を削るということですから、小泉自民の「構造改革」とは次元が違います。それにイラク戦争にも反対してますしね。。。今回、SPDが予想外に健闘したのも、これまでの政策が一定程度は評価されてたということなのでしょうか?
p.s.みさきさんはブロクは書かれていないのですか?よろしければコメントするときにURL欄に記入してくださると嬉しいです。