ここは、アメリカ北部の町シアトル。ネオはこの町にあるレイクビュー墓地に来ていました。
一体なんの目的で、ここに来たのでしょうか。
「おぉ!これだ!」
それは、アクションスターであり、同時に偉大な武術家ブルースリーの墓でした。
「偉大なるリー先生、お願いです。私に力を与えてください!」
自分の力のなさを知ったネオは、心の底から懇願しました。
それから、日本に戻ったネオは自宅の借家でにぎりめしを食べていました。
にぎりめしで、満腹になり横になると、つい、うとうととしていました。
それでは今日の その時 です!
「私を呼んだのは、君か?」
ネオはあわてて目を覚ましました。
なんとそこには、あのブルースリーが立っていました。
ネオは驚きのあまり、声も出ませんでしたが、ブルースリーはすべてを察知していました。
「驚いている暇はないぞ、さぁ行こう!」
ネオはリー先生の言うままに着いて行きました。
リー先生に連れてこられた場所は、香港の、とあるお寺に向かう参道でした。
そこで早速、レッスンが始まりました。
「私を蹴ってみろ、捉えられるかな!」
「エイヤ~」
ネオはとりあえず、蹴ってみました。
「なんだ、その蹴りは!気合をこめろ!」
ネオの蹴りは簡単によけられてしまいました。
続けて放った蹴りもまた、簡単によけられてしまいました。
ネオはムキになり、何度も試みましたが、やはりだめでした。
「怒りではない、気合だ!」
リー先生の厳しい言葉が飛びます。
「そうだ、それだ!」
それは、ネオの気合を込めた蹴りが認められた瞬間でした。
「どんな感じだった?」
リー先生の質問にネオはしばし、考えました。
「考えるんじゃない!感じるんだ!」
「それは、月を指差すようなものだ。」
「指先にとらわれていては、その先にある天の恵みはつかめない。」
ネオは、リー先生の言葉にただうなずくばかりでした。
「相手から目をはなすな、礼の時にもだ!」
それは、リー先生からの最後のアドバイスでした。
ふと気が付くと・・・ネオは自分の借家に引き戻されていました。
あれは、夢だったのでしょうか???
どうやら、夢ではなかったようです。
なぜなら、リー先生から贈られた功夫着を着ていたからです。
更に、次回完結編につづきます!