ここは、週刊誌が「東京・天現寺で繰り広げられるお好み焼き戦争」として紹介していた7店のうちのひとつ。
東京でお好み焼きの激戦区?と信じられなかった。
たこ焼きやお好み焼きの大阪名物が、東京でも認知されてきた今日この頃ではある。
しかし大阪出身者としては、貪欲に探せばあるのだろうが、今まで東京でおいしいお好み焼きに出会ったことがなかった。
東京でよく見かける大阪本店の「ぼてじゅう」。
ここのは本体が固くて(小麦粉が多過ぎ)、
あれが大阪のお好み焼きと思われるのは心外だ。
大阪は一坪の空地があると、緑を植える代わりに、お好み焼き屋やたこ焼き屋ができると言われる土地柄である。
しかも、大阪人はうるさい!、味と値段に。
で、まずは行ってみる。
7店のうちからここを選んだのは店名からで、
おまけに店の外には「やいてまっせ」の立看。
シビレルなー。
四国を舞台にして、女子高生ボート部を描いた映画「がんばっていきまっしょい」で、
女子高生たちが学校帰りにうどん屋に入るシーンがある。
そのさりげなさが、なるほど、四国ではやっぱり‘さぬきうどん’かと納得がいった。
マクドナルドなんてまだなかったころ、
大阪で女子高生が学校帰りに寄るのがお好み焼き屋だったからだ。
でも私が通っていた女子校は、思いっきり厳しい校則のミッションスクールで、寄り道は厳禁だった。
それでも学校から2駅離れた繁華街に寄り道して、よくお好み焼きを食べた。
ある日、学校から一直線の距離わずか約300mのお好み焼き屋で鉄板を囲んでいた。
大阪ならどこの街にもある、おばちゃんが一人でやっている小さなお好み焼き屋。
そこの引き戸がガラッと開いて、同級生が「センセイ、来るで」と言ってくれた。
女子校には先生にチクルご忠臣女子もいたが、校則違反組にシンパシーという女子もいたのだ。
「どないしょ」と一同浮き足だったとき、
間髪を入れずにお好み焼き屋のおばちゃんが一言。
「裏から逃げ」。
さて、ここの味だが、私の中でベストのお好み焼きぐらいにおいしかった。
これぞ本場の味、いや大阪でもそうそうないかもしれない。
甘さを感じるけど甘ったるくない抜群の特製ソースや、小麦粉を溶くだし汁などは大阪からの取り寄せ、
キャベツは普通みじん切りだが、ここは千切りとミックスさせていると(そのためうま味が増している)、
広尾は開店6年目だとかで、都内にチェーン店17店舗、俳優伊原剛志がオーナーでと、
友人と二人、大阪弁で話していたためか、九州出身の店長と大阪出身の店員が次々と話してくれた。
お好み焼きとは関係ないけど、ガールフレンドが私と同じく上記の女子高出身だったとか、
店側と客のこの気さくなやりとり、これこそが大阪の味といえる。
おなかが、減っている筈はないけど、おなかが、グーツと鳴りそうなので、何か食べてきます。
もう、こんなに食欲をそそる写真は、勘弁してね