My Tokyo Sight Seeing

小坂やよい

吉祥寺 井の頭文化園

2007-02-25 12:58:41 | Weblog


井の頭自然文化園に象の「はな子」がいる。
ひとりぼっちで。

自然文化園という名称だから動物園ではないが、
カモシカやキツネやタヌキといった小動物がいて、
ヤマドリやオシドリやラクチョウなどの鳥類が充実していて、
彫刻館なども併設されている自然文化園で、
なぜか3トンの巨大な象がいる。

しかも象がいるコンクリートのステージのすぐ近くでは、メリーゴーラウンドが回っていたりして、
最初見たときすごく不思議だった。
その組み合わせがのどかというか、船着場の埠頭でアジを釣っていたら、
突然クジラが現れたような感じがしなくもない。

はな子はタイ生まれ、昭和24年に2歳半で日本にやって来た。
戦後始めて日本が迎え受けた象だ。
戦時中に食料がなくなって、動物園の動物維持が困難になって‥‥と、
そんな戦後事情の中で、動物園の花形スターともいえる象は貴重な存在だったい違いない。
2年間移動動物園で都内各地を巡回後、29年からここにいるという。
巡回後というのがすごい。
象の歯は上下左右に4本しかないが(1つの重さ3キロ)、
はな子は上あご両側の歯が抜けてしまって、餌は流動食を日に100キロ。
今年60歳(平成19年現在)の還暦だから無理もないか。

はな子は今でも園内で一番の人気。見物客もいっぱいだ。
「ママより大きいのかな」と幼児。
「もう歳だからシワシワだね」と若い女性
「かわいそうだね、草原かどこかで走らせてあげたいね」とおばさん連れ。

確かに、ひとりぼっちで、狭い住居でちょっとかわいそう。
狭いステージゆえ5,6歩も歩けば行き当たる。
動き回りにくいのか、歩くのが面倒なのか、その場足踏みばかりしていることが多い。
でも、今日まで来園者を楽しませるはな子としての使命を、ここでけなげにがんばってきた。
ありがとね。








続・5W利用体験

2007-02-18 10:57:31 | Weblog


前回に続き5W宿泊記を。

アイルランドのドネゴールに住む5W会員メアリーさん宅に泊めてもらったときのこと。
40歳代後半の彼女は、5Wに入って初めての受け入れメンバーが私だった。
私もまた初めての5W利用の旅。
泊まっていたアイルランド北東部スライゴーのB&Bまで迎えにきてくれた。
東洋人の一人旅宿泊者にうさんくさそうな態度だったパブ&・B&Bの親父が、
ブロンド美人の洗練された彼女を見て、急に愛想がよくなった。

家まで車で30分。初対面のぎこちなさはまったくなく、終始にこやかな彼女。
でも私は英語が堪能ではないから、度胸だけが頼りだから、私なりに緊張している30分。
自宅は、すぐ横がすばらしい眺めの海岸線で、大西洋岸だ。
この海がずぅーと行き着く先はニューヨーク。
アイルランドから多くの人が西へと目指して行った新大陸

不動産屋の夫はポーランドへ城の買いつけ行っているとかで留守だった。
「夫はお金儲けがすきみたい」とポツリ。
この近年アイルランドは景気がいいらしくて(’02年当時)、
たぶんアイルランドの歴史が始まって以来初めての裕福さへの登り状況ではなかろうかと思う。
不動産屋も忙しいのだろう。
息子は学校が遠方にあるのでいないと、広い家はガランとしていた。

メアリーさんは夕食にとサーモンステーキを用意してくれた。
日本人は魚が好きと思っているらしく、どこでも一度は出されるサーモンの食事。
早々に夕食を済ませると、まだ6時だというのに彼女が「パブに行こう」と言い出した。

「え?」と私。まさかパブに行けるとは期待していなかったからだ。
パブは大好きだけど、特にアイルランドでは。
でも一人旅だから夜に外出したくないしと半ば諦めていた。
私がそのことをメアリーさんに言うと、やはり「パブには一人で行かないほうがいい」と言う。
アイルランドはカソリックが強く、けっこう保守的。
エンヤのお父さんがやっているパブがドネゴールにあるので、行きたいのだがと尋ねると、
ここからだと車で30分かかるというので取りやめた。

彼女はいそいそと出かける身支度を整えた。

1件目。東京でもよくありそうなモダンな新しいタイプのパブ。
もちろんギネスで乾杯する。
メニューにスパゲティやピザがあって、カウンターの後ろの棚にはワインが多かったから、
イタリアンレストランぽいパブだった。
イタリア人のウエイターと顔なじみらしい。
客の中からも彼女の知り合いの男性が声をかけてくる。
そういえば通りを歩いているときも、何回か道行く男性が彼女にあいさつをしてちょちょっと話をしていく。

2軒目。広い、広いパブでアイリシュ音楽の生演奏付。
圧倒的に中高年が多く、かなりの高齢者がカップルで来ていたり、身体障害者のグループが車いすで付き添い人たちといっしょに来ていたり、週末だからか、老いも若きも男も女もで満杯状態。フロアで踊っている人も。
パブのような店に超高齢者がカップルで押し寄せるというのは、日本では見慣れない光景でびっくりしていると、
「アイルランドはパブ文化だから」とメアリーさん。

私はアイルランドの民族音楽が好きで、特に小さなパブで、プロではない地元の人が仕事の後に集まって一緒に演奏しているパブの雰囲気は、最高だ。
アイリシュ音楽を流しているパブは、日本語に訳せば民謡酒場になるのかもしれないが、
なんか、雰囲気、音楽は決定的に違う。

この店でも彼女の知り合いがいて、同じテーブルでギネスを。
店の外に出ると、車が列を作って駐車していた。
ナンバーを指差して「これらは北アイルランドの車よ」と教えてくれた。
北アイルランドに近い地域なので、週末になるとパブに来るらしい。
アイルランド紛争が激しかった当時やそれ以前には見られなかったことだという。

3軒目。こじんまりした伝統的なパブ。
地元のお馴染みさんばかりのようで、やはりここでもメアリーさんの友人4,5人が飲んでいた。
中にゴールウエィで英語学校の先生をしているという、私の好きなアイリッシュアクセントがまったくなくて、きれいな英語を喋る男性が、生徒に日本人もいるとかで、
「日本の女の子はみんな、ほんとうにとてもかわいくておとなしい」と。
「でもおとなし過ぎる、どうしてなんだ?」と聞かれてしまった。
多分自己主張をあまりしないということなんだろうなと思ったが、
それをどうしてなんだ、と聞かれたことも考えたこともない。
うーん、どうしてなんだろう?。日本の文化ともいえるが、
「多分日本の男性がそういう女の子が好きだからじゃないですか」と答えたら、
何も言葉が返ってこなかった。
あれは納得したのか、英語が通じなかったのか、意味が分からなかったのか。

この日のパブめぐりは3軒で終わり。翌日もまたパブに繰り出した。
メアリーさん、私と同じく、パブが大好きなのだと言っていた。













神宮前 オリエンタルバザー

2007-02-04 13:34:14 | Weblog


ここは外国人向けおみやげ屋さん。
日本をイメージさせる和のテイストばかりの取り揃えで、
マンガやキャラクターグッズが好きなマニアな観光客にはお呼びでない。
日の丸に神風とプリントされた日本手ぬぐいは日本的でチープでと好評みたいです。

原宿にある明治神宮、太田浮世絵美術館、オリエンタルバザーは外国人向けの観光コースに打ってつけなので、年に1・2回は訪れます。
というのは、私は5W(Woman Welcome Woman World Wide )という非営利団体に登録していて、これはメンバー同士が外国を旅行するときに、互いの家庭にホームスティできる女性だけの組織です。
イギリスに本部があり、現在参加81カ国、2584人が参加。日本人メンバーは108人(’07年1月現在)。

会員になるとメンバーリストが送られてきます。
年齢、趣味、住居形態、宗教、話せる言語など細分化された事項がぎっしり明記されていて、個人情報にうるさい人はびっくりのリストです。
泊めるのが嫌なら「案内だけOK」とも書き込めます。
宿泊を受け入れるのは嫌だけど宿泊はしたいというのがOKかどうかはしりません。

旅行するとき、リストの自己紹介を見て自分に合いそうな人を選び直接連絡し合います。
ルールとして、初めて訪れるときは2、3泊ぐらいまでとし、宿泊は無料ですが何か小さなお土産を持参しましょうと。
宿代わりの利用ではなく友情を深めるという建前です。
英語が流暢でなくても、人や異文化に関心があればすごく楽しめる組織ですし、
受け入れるときは日本のメンバーにサポートを呼びかければ応援してくれます。

初対面の外国人がいきなり家に泊まりにくるわけで、メールでやり取りをしていてもどんな人なのかは会うまで分からない。
でも会員は熟年層が多く、おばちゃんとしての立ち位置はどこの国でも同じ。
ましてこういうのを利用して旅をしようという人は好奇心旺盛で、フレンドリーな人が多いです。

一度だけ変な会員を受け入れたことがありました。
スパニッシュ系イギリス人で、中国からいきなり連絡してきて、来ると自分で作っているネットワークの宣伝しまくりで、日本中の宿泊先を泊まった会員に要請して、苦情が出ました。
ルールとして本人がしないといけないし、宣伝や勧誘は禁止で、直前の宿泊のコンタクトは止めましょうと決められているのです。
結局このメンバーは日本旅行中に強制脱退させられました。
「まあ、こんなこともあるか」と1度ぐらいの受け入れ、あるいは宿泊失敗でもめげないほど、出会いの楽しさはあります。
袖振り合うも多少の縁、が私のモットー。

私はイギリス、アイルランドを旅したときあちこちで会員宅にお世話になりました。
5Wをしらないときは、少しでも家庭に近い雰囲気の宿泊と思ってB&Bを利用していましたが、旅の充実度は比べものにならないです。

イギリスのある街で泊まった会員は家事が好きではなさそうで、クランベリーのロックフェッステバルに行ってきた子どもを羨ましがっていて、「今年は求職中だから行けなかったけど、来年はきっと行く」と言い、夫が不満げに皿洗いをしていました。
「ここは退屈な街で」とぼやくことしきり。
私がロンドンまでの交通機関を探していたら、ロンドン行き(列車で60分くらい)のバスが廃止になったと、そのとき彼女は初めて知ったらしく、
「こんな退屈な街で、おまけにロンドンまでのバスがなくなるなんて!」とインフォメーションセンターの係員に文句を言っていておかしかった。
「ごめんなさい、私は今精神的にとても家事をできる状態ではありません」と書かれた小さなボードをお土産にくれ、今我が家の台所の冷蔵庫に貼り付けています。
すごく自然体の人で、最も印象に残っているメンバーです。

日本人のメンバー同士が集まることもあります。
みなそれぞれの旅行の報告や情報交換で盛り上がること、盛り上がること。
70歳過ぎの名物会員さんがいます。
彼女は毎年3か月間ヨーロッパの5W会員宅を泊り歩くのですが、
何度も訪れている会員宅には1週間ぐらい宿泊するそうです。
彼女が言うには、どこの国がよかったかではなく、会員の誰と仲良くなったか、楽しく過ごせたかでその国の印象が左右されるとのこと。


入会希望者は本部から申込書を取り寄せて返送し、寄付金の形で年会費20ポンド(約5000円以上)を日本の5Wの口座に振り込みます。
興味のある方はこちらまで。
http://www.womenwelcomewomen.org.uk