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やすんばの自然

里山につくられつつある「やすんば自然園」の日々のこと

レモン 8月28日

2010-08-28 23:01:39 | 
久しぶりに、ゴールデンレトリーバーのレモンがやってまいりました。老いが進み、もう自力では歩けなくなっていました。日がな一日オランジェリーの床に寝そべり、うつらうつらの時を過ごしております。時々、か細い遠吠えのような声をあげては水を一口のみ、また夢うつつの世界にもどっていきます。


 老い犬のうつらうつらの一ときの かそけき声は何をかつたえん

信州行き・3

2010-08-25 21:02:03 | 
マタマタ、コレハ何デアルカ。コレハ二本の立柱ニ建テラレタ茶室デアル。
藤森教授は自分が設計、竣工させた建築を施主に引渡したくない衝動を覚え、史料舘の傍らに自分の為につくった茶室であります。茶室を支える柱は三本に見えますが、片方は枝分かれした幹。材は栗の樹で、自ら山に入って適材を見つけ伐りだしたということです。



 二もとの栗の柱に居すわるは 藤森好む茶室なりけり


この茶室の屋根も銅板の桧皮葺き風なのですが、経年によって黒く変色しています。更に時を重ねると緑青に覆われることになります。柱の高さは地上から5メートル近くはあるでしょうか。その名も高過庵(たかすぎあん)と名付けられています。眼下に茅野から諏訪にいたる盆地を眺め、ゆらゆらと揺れながらの一服ははたして如何なる味わいを堪能することができるのでしょうか。


 赤がねの桧皮の屋根は時かさね 信濃の空に緑青みせばや

信濃行き・2

2010-08-24 20:50:39 | 
美術館の近くにある藤森教授処女作の神長官守矢史料舘も覗いてまいりました。ここは開館したてに来ていて二度目の訪問になります。二十年の時を経て自然素材がもつ宜しき美しさがにじみでておりました。さらに時を経ると、屋根の鉄平石に苔がのり、壁の羽目板は銀灰色に変わり神々しさが漂うような建築になるでしょう。流行りの機能一点張りの資材に包まれた建物では決して望み得ない美しさのなかにありました。


 石と木と土と藁との建築は 時経しながら寂びつかがやき


史料舘の展示ホール、御頭祭という神事を復元提示しています。二十年前となに一つ変わっていません。床、壁、天井全てが土壁風に仕上げられ、摩訶不思議な空間が広がっています。奇抜さ溢れる形態表現とは裏腹に、慎重、かつ確実な技術的裏付けで施工されたテクスチャーは見事に維持されておりました。


 いのししと鹿と兎の貢ぎもの 仄暗やみに活かされにけり




信濃行き

2010-08-23 21:32:09 | 
コレハ何デアルカ。コレハ空中に浮遊スル茶室デアル。
茅野市で行なわれている建築家・藤森輝信展に行ってまいりました。美術館の前庭に展示されている建築(?オブジェ)です。いつもり通りのメルヘンチックに溢れた形態と、自然素材風な仕上げを施された建築となっておりました。ここまできたか、ここまでやるか、茅野市出身の東大前教授藤森輝信さすが。



 みすずかる信濃の国に浮き建つは 茅野の数寄びとつくりし庵


内部の広さは三畳台目といったところでしょうか。お約束どおりの炉窯がしつらえられ、にじり口ならぬ梯子口からふみ込む茶席のようであります。屋根は銅板の桧皮葺き風、床底(?)は土壁風で仕上げられています。建築で優先されるべきは、平面非ず、立面非ず、仕上げである(展示会場に記していました)、という教授の面目躍如といったところでありましょうか。


 みすずかる信濃の国の空なかに 梯子のぼりて何処へいかん


帰省 8月14日

2010-08-14 21:44:58 | 
お盆の時期は、地元地区の帰省された方々がちょこちょこと顔をだしてくれます。訪ねることを楽しみにしているという方、どこまで工事が進んでいるのかチェックされる方、孫やひ孫を連れて来られる方と、対応することらも暑さでへばっている折り、いそいそと対応させていただいてえおります。


 ふるさとに戻りし人の訪ね来し 一とせぶりのやすんばを見ゆ

正面の草刈り 8月12日

2010-08-12 22:35:15 | 
本日も草刈り。舘の北側の正面通路の手入れを行なっております。この路のイメージは、両側の斜面をラベンダーで埋め尽くし、ラベンダーの香りを仄かにうけつつ舘のファサードへアプローチする、ということを考えておりますが果たしていつの日になりますことでしょうか。


 今日もまた草刈り励む真直ぐ路 花の連なるその日夢みて

小楢の草刈り 8月11日

2010-08-11 21:00:47 | 
引き続き園内の草刈りです。舘の西側のコナラ周辺を刈っています。このコナラは樹液を出すので甲虫類が集まっていたのですが、今年になって樹液を出さなくなり、カブトやクワガタを見かけなくなりました。雑木が樹液を出すのは、自然界の複雑な関係があって成立するらしいのですが、なんとかもとの姿に戻ってもらいたいものです。


 三連のアーチの際の小楢の樹 樹液失せたる夏をかなしむ

森の草刈り 8月10日

2010-08-10 22:01:41 | 
森の道の草刈り。新調したての草払機のダイヤモンドソーは何の抵抗のないまま滑らかに刈っていきます。土手の上からは雑木林にしようとクヌギを植栽したのですが、うっかりすると草ごと切断してしまうことになります。そう思いつつ作業するのですが、毎回犠牲になる小苗がでて、年々その本数が少なくなっていきます。


 生い茂る森の辺の草かりはらう 暑さいすわるやすんばの夏

草刈機 8月6日

2010-08-06 21:30:39 | 
三代目の草刈機が二度目の故障です。軸部のパイプが真っ二つに折れてしまいました。安物の草刈機は修理を二回すると新品が買えてしまいます。寿命とあきらめ買い換えることに。それにしても何かが直ると、何かが壊れます。


 やすんばの草刈りはらう暑き日に 草刈るマシン真なかで折れり

     7月25日

2010-07-25 21:42:30 | 
今日はこの街の市街部の夏祭り、祇園会です。四つの町会がそれぞれ山車をだして練り歩きます。山車の舞台では稚児ならぬ町内の女将さんたちが浴衣姿の艶姿を披露しています。
城下町を元にするこの街は、地域の核として栄えていたのですが、今は寂れて人影もまばらになっています。しかし、この日ばかりはどこから出てきたのか人々であふれています。



 唐屋根の山車練りあるく夏まつり 寂れし街に人々あふれ

重機直る 7月22日

2010-07-22 22:54:53 | 
エンジン不調、オイル漏れで半年近く動かなくなっていた重機ですが、修理屋のものの15分の作業で生き返りました。ついでに重機延命のための秘訣を聞いているところです。このところの猛暑でいささかへばっている老建築家ですが、重機にたよって何とか夏をのり越えたいものです。


 生きかえる重機にたより乗り越えん 猛き暑さのやすんばの夏

八ヶ岳倶楽部 5月16日

2010-05-20 23:35:17 | 
柳生博、真吾親子が営む八ヶ岳倶楽部を訪ねてきました。イメージ通りの見事な自然園でありました。雑木林の林床にはカタクリの花後の株が一面に広がっていました。売店で求めた書籍には開墾当初から家族でカタクリの球根を増やしていると記され、その数は万を越えているようです。もう少し早く訪ね、カタクリの曙色に満ちた花園をギフチョウが飛び交う姿を見たかったものです。


 樹のしたに広ごるかたかご殖やせしは ひろしかしんご蟻の子なりや



雑木林には枕木による散道がつくられ、林床の豊かな土壌を傷めないよう、草々が踏みにじられないよう配慮されています。八ヶ岳倶楽部は今や年間十万人もの人々が訪ねるそうですが、その人数で歩かれてはひとたまりもないのでしょう。枕木を扱った経験がある者としては、その敷設が並大抵の苦労はなかったことを察しながら、散策させていただきました。


 枕木のひと敷きひと敷く汗の果に 人々来たり十の萬びと



山菜2 4月27日

2010-04-27 21:32:45 | 
友人は、馴れた手つきで瞬く間に揚げ終えて、春の気分が充満した天麩羅を出現させたのでした。当然のことながら、中々の美味でありました。
今後はどうするのですか、との問いに、いままで作ってきた料理のレシピをパソコンで整理します、と宣われたのでした。



 たらの芽とフキと毒だみ雪のした たんぽぽ食す春の日もがな

山菜 4月27日

2010-04-27 21:18:11 | 
この春に勤めを定年退職された友人が訪ねてくれました。料理が趣味で、時折り来られては持参した具材で天麩羅を供してくれるのが常でした。今回は、山菜を揚げてみましょうということで、園内を一巡し、たらの芽、ふき、毒だみ、雪のした、たんぽぽ、葉牡丹の蕾、ジャスミンの蕾、等々を採ってきたのでした。


 勤め終え訪ね来られし古き友 記念に揚げるやすんばの菜