若僧ひとりごと

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原稿を書くことの難しさ

2019-02-14 21:23:20 | 文章術など
この一年間で感じさせられたことの一つが、「原稿をかくのって難しい」ということです。
人前でお話をする機会がそれなりの頻度であるのですが、どうしても原稿を作れないんですね。原稿を書いていると「もういいかな」という気持ちになったり、また書く気に全くならなかったり。
これがどうして起きるのかな、と思ったのですが、それは普段の文章を話し言葉で書いていないから、ということに行き着きました。

大学でのレポートや、大学に入る際に試験科目で課せられていた小論文などはすべて「である調」でした。こうやって書いているような形で丁寧な口語体で書くという経験は全くありません。
強いて言えば中学生と高校生の頃にあった弁論大会用の原稿ですが、正直記憶に残るような物でもないし、数回作っただけではスキルとして定着することもありません。

そういう訳で今年は原稿を作れるようになるというのが一つの目標です。そのためにまずは、すでに書いてあるように丁寧な口語体で書く頻度を増やしてみます。こういうブログの文章もである調で書いたりしていたのですが、それを一度ですます調にしてみます。

もっとも、原稿がなくとも問題がない、という考えもあります。原稿がなくともある程度話せます。正直原稿がない方が流れるように、また感情豊かで訴えるように話すことができているという実感もあります。けれど問題も一つあります。それはオチです。

話している内に自然と結論へと向かっていく時もあるのですが、自分の中で十分に寝かしきれていないような話の場合はなかなかそういった流れにはなりません。このような時は結論、話の全体で伝えたいメッセージを確定させなくてはならないんですよね。そうしないとふわふわとした内容で、結局何が言いたいんだろう?ということになってしまいます。

今読んでいる本で『アメリカの大学生が学んでいる「伝え方」の教科書』(スティーブン E. ルーカス著 狩野みき監訳)という本あるのですが、ここではゴール、サマリーセンテンス、メインポイントに分けてレジュメを作成して整理することを勧めています。ゴールというのは聴衆や読者にどうなって欲しいのか、何を説得したいのか、紹介したいのか。サマリーセンテンスとは、もう少し具体的に、その内容について一文で示すものです。メインポイントはさらにそのサマリーセンテンスを詳細に表したものになります。

ゴールというのはここで言えば、「今年は原稿を書ける能力を磨くことを宣言し、その具体的な方策について考えていることを伝える」。サマリーセンテンスは「原稿を書く能力を磨くにはまず話し言葉で文章を書く訓練を積み、また一文で何を伝えたいのかをあらかじめまとめておくクセをつける」などと表すことができるでしょう。

ゴールよりもサマリーセンテンスの方が具体的になり、さらにメインポイントというより細かい内容を記したものへといくのですが、詳しい内容を知りたい方はこの本をご覧になってみてください。