『ありふれた風景画』

ありふれた風景画 (文春文庫) あさの あつこ 文藝春秋 このアイテムの詳細を見る

あさのあつこさんというと『バッテーリー』6巻があまりにも強烈なので、なかなか他の作品に手が出なかったのですが、やっと読む気になりました。

解説によると、あさのさんの女子高校生小説第2弾だそうです。

噂ばかりが先行し、「あなたはこんな人」とレッテルを貼られてしまう二人の少女がお互いに惹かれあっていくお話です。


私は、
「こういう日もあったわねぇ」という冷めた目と、
「そうそうそうよね」と今でも感情移入できる部分の、
両方を持って読めました。


以下引用です。


P31…「好奇心ってパワーだからね。ほんとの好奇心をもち続けるのって難しいんだよ。」

パワーかぁ～


P57…自分の中の物差しで、自分と他者との距離を測れる者は案外少ない。

人間関係って距離感が大事ですよね。


P59…言葉にしない問いかけに母は気がつかない。人の言葉でないものに、いや言葉であっても、人は容易く気がつかない。気がつかないまま、時を過ごす。周子には不思議だった。不思議でしかたなかった。
両手を広げ、風に向かって立つ。高く天を仰ぐ。深く大地から立ち上がる香気を吸い込む。色が、光が、匂いが、音が、沁みこんでくる。とても快い。こんな快いことを人は何故知らず、知ろうともせず行き過ぎるのだろうか。とても不思議だ。

周子さんは、人間以外の言葉を感じる人。それゆえ変人扱いされている。人は自分と違う、ということだけでレッテルを貼るのですね。この世の中本当は分かっていないことの方が多いのに。もしかしたら何があっても本当は不思議なことではないかもしれないのに。


P71…自分の傍らに、自分が好きだと思う相手がいる。並んでいる。どこかで繋がっている。いっしょの空気を吸って、いっしょの道を歩いている。そういうことって、自分という存在をくっきりとさせる効能があるんだろう。自分の輪郭が明確になったとき、人は他人との距離をきちんと保てるのだろう。

自分の存在をくっきりさせる。自分を理解するためにはやはり他者との関わりが必要ということなのでしょう。


P213…あの連中はこうなのだ、あいつはこうなのだ、決めつけてしまったら、そこから一歩も動けなくなる。相手に近寄ることも、相手の別な面を垣間見ることもできなくなる。何も知らないくせに、何も知ろうとしなくなる。他人を決めつけると言うことは、傲慢で尊大な罪を犯すということだ。

今私が自分自身で一番恐れていることがこの決めつけです。気をつけようと思う。


P251…自分に対する批判や意見を受け入れるためには、余裕がいる。自分を保ち、他者へと開いていく。知られたくないと怯えるのではなく、理解してもらいたいと身悶えするのではなく、ただ静かに立ち、自分や他人を受け入れる。他人に追い込まれていても、自分を追い込んでいてもできない。

余裕ってどうしたら生まれるんでしょうね？あせらないことかなぁ。





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　




定額給付金のお知らせがやっときました




で、ちょっと気になったことが…

このお知らせは「住民基本台帳」に記載されている人に送っていますとのこと。

住基ネットができたとき、横浜市は記載するかしないかは個人の選択になったのです。
あの頃友達の多くは区役所に「しません」って言いに行っていたんだけど。
その後どうなったかは定かではないのですが、未だに記載していない人っているのかしら




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



連日の雨です
しかも今朝は雷まで

今はやんでいるんだけど

こんな空


しろながすくじらが泳いでいるように見えたのですが




綺麗なラインでブルーとグレーに分かれました




これからまた降るみたいです