槍平小屋ニュース 

槍ヶ岳・飛騨側登山ルートの要衝、槍平小屋から日々の出来事や最新登山道情報をお届けします。

槍平小屋ニュース 2021/07/16

2021年07月16日 | 日記

槍ヶ岳・飛騨沢ルート、南岳新道の両方に救急箱設置が終わると、「いよいよ夏山本番だな!」と気持ちも引き締まる思いがあります。救急箱の設置を始めてから16、7年経つと思いますが、きっかけは四国遍路旅でした。遍路道を歩いていると、民家もなにもない田舎道に突然「お遍路さん、どうぞ」と、お茶や菓子が置いてある無人販売所的な建物があったりします。実際に利用させてもらったこともあれば、通り過ぎた時でも「誰かのやさしい気持ちが置いてあるな。ありがたいな」と、こちらもやさしい気持ちになったものです。「これはどっかでお返ししたいな。面白そうだし!」というのがきっかけです。こんなことだけを書くと信心深いマジメな人間に勘違いされそうですが、どうしてもビールが飲みたくて2kmくらい酒屋まで逆戻りしたり、出会った女の子と遍路道じゃない方向へご飯を食べに行ったりしていたので、ある意味、罪滅ぼしというか、煩悩との闘いが今も続いているとも言えます(苦笑)。

冗談はともかく、これは繰り返しになりますが救急箱に入っている登山靴のソール剥がれ修理セットを利用した方は、必ず下山を!そして、どうしてもそれが出来なかった方であっても、利用連絡は最低限、守って頂きたいと思います。もちろん、靴が壊れないのが一番なので今一度、登山靴だけでなくすべての装備の総点検をお願いいたします!

 

それでは本日の気象情報。

午前6時。

 

午後6時。


【最新登山道情報】槍ヶ岳・飛騨沢ルート(槍平小屋~飛騨乗越)2021/07/16更新

2021年07月16日 | 日記

槍平小屋より上部の槍ヶ岳・飛騨沢ルートの最新登山道情報をお知らせいたします。現在雪の影響はなく、飛騨沢ルートについては軽アイゼンも必要ありません。

 

標高2060m付近。数年前の台風による倒木が登山道にかかってきました。しゃがんで通行できますが荷物量が多い方は注意して下さい。

 

中の沢(標高2150m付近)。対岸への取りつきはほぼ平行移動です。

 

最終水場(標高2250m付近)。取水可能です。槍平小屋まで登って来た方で、「かなり疲れてしまって、上まで行けるか心配だ」という方には、「最終水場まで登ってみて判断してみては?」というアドバイスをさせて頂くポイントになっています。飛騨沢ルートはここから急登が始まります。無理に標高を上げてしまうと、戻る余力がなくなってしまいます。大まかな目安ですが、槍平小屋から最終水場まで2時間以上かかってしまうような場合はそれ以上標高は上げず、槍平小屋に引き返すことを検討して下さい。

 

千丈乗越分岐(標高2550m付近)。本日、救急箱を設置しました。設置期間は9月30日までとなります。利用は無料ですが、必ず利用後は槍平小屋に連絡をお願いいたします。

 

飛騨沢上部(標高2700m付近)。画像右上に槍ヶ岳山荘。

 

標高2800m付近に残雪がありますが、登山道への影響はありません。

 

画像ではわかりづらいのですが、標高2900m~3000mにかけてのガレ場は先日までの雨の影響で洗堀が進んでいる場所が数か所あります。ルートを見失いやすいので、しっかり標識を確認して下さい。

 

飛騨乗越(標高3011m)。ここから槍ヶ岳山荘までは10~15分程度です。飛騨沢ルートで槍ヶ岳が見える場所は、右俣谷林道途中にある穂高平小屋の携帯基地局アンテナの脇から!を除けば、この飛騨乗越までありません。皆様が登山される日も、バッチリとこの姿が見えていますように!