槍平小屋ニュース 

槍ヶ岳・飛騨側登山ルートの要衝、槍平小屋から日々の出来事や最新登山道情報をお届けします。

槍平小屋ニュース 20170823

2017年08月23日 | 日記

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登山道注意情報(南岳新道)(継続中)


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槍平小屋ライブカメラ(滝谷渡渉部)

(保存版)滝谷架橋部の水量増減について

槍平小屋ライブカメラ(大キレット方面)

槍平小屋ライブカメラ(槍ヶ岳・飛騨沢方面)


 

一日中、雨が降ったり止んだり。つい先日の週間天気予報に付いていた太陽マークはどこへやら・・・。と、ナゲキ節も出そうになりますが、天気予報をグチるのはヤボなので、今日は少し別のお話を。

 

更新担当、時々、”山の女神サマ”という表現を使うのですが、これは、「人間の姿をしていないとしても、どうあがいたって敵わない相手は、恐らく女性である」という、強い信念と畏怖によるところが大きいのですが(笑)、実はある登山家の方の著書から感じたこともその一つの理由です。

長谷川恒男、と聞いて、今ならほとんどの方が”ハセツネCUP”を思い浮かべると思うのですが、今から30年近く前、チョモランマのベースキャンプにお手紙を出した10代の青年だったワタクシに、なんとご本人からお返事を頂きました。7000m付近までルート工作をして、今は休養でBCに降りて来たこと。チベット側は降雪は少ないのだけど、雪が降るとみんなんで「チャバダ、チャバダ(チベット語)!」と大騒ぎしていることなど。受験生だったワタクシへのエールも綴ってもらっていました。そんな彼は著書の中で、「山が機嫌が良い時に、そっと登らせてもらう」ということを話していました。ヨーロッパ・アルプスやヒマラヤに限らず、日本の山岳でも明らかに山の機嫌が悪い(危険な)場合があります。女神サマのご機嫌、ずっと悪い、ということはありません。”山に戦いを挑む”、というよりは、もう少し、穏やかな気持で行動が出来るよう、天候を見定め、装備を万全にし、余裕のある計画で楽しんで下さい。

とても残念なことに、長谷川さんも山で命を失ってしまいました。後年、お墓参りに行ったウルタル氷河で、眼前に広がる壮絶な大岩壁を前に立ちすくみ、麓のフンザの村で雪崩が引き起こす砂嵐で体中ザラザラになったことも思い出されます。今でもたまに、初雪を見ると”チャバダ、チャバダ”とアタマの中でつぶやいたり。”ハセツネCUP”ではない、長谷川恒男さんの思い出でした。みなさんも、山の女神サマの機嫌が良い時に、そっと、登らせてもらって下さいね。早く晴れないかなぁ~。

 

それでは本日の気象情報。

午前6時。

 

午後6時。