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小さな旅を愉しむための情報PLUS

生活圏での小さな旅を愉しむために、暮らしの歴史に目を向けた情報発信を目指します。

霧ヶ峰湿原植物群落(七島八島)🙂😐😐早くも晩秋の冷気につつまれている

2022-10-22 18:00:00 | 四季




「この道や 行くひとなしに 秋の暮れ」 松尾芭蕉
標高約1,600メートルの高層湿原「八島湿原」(諏訪郡下諏訪町東俣)は、早くも晩秋の冷気につつまれている。立ち枯れてひろがる湿原植物や亜高山植物は、立ち枯れてなお、繊細な花を咲かせて酷暑での暮らしを癒してくれた夏の時間を、思い起こさせてくれる。


 ❖ 八島湿原   再掲(写真は更新)  
「八島湿原」(諏訪郡下諏訪町東俣)は、標高約1,600メートルに位置する高層湿原で、国内高層湿原の南限にあたる。
◇ ◇ ◇
約12,000年前に誕生したという面積約3,000ヘクタールの同湿原は、1939(昭和14)年に国の「天然記念物」に指定されているが、寒冷地のため植物の腐敗と分解がしにくく、約8メートルの厚さとなった泥炭層が堆積しているという。
◇ ◇ ◇
周辺の森林化や降雨量減少による乾燥化、水生植物繁茂や土砂の流入などによって、湖沼は面積の後退が続いているが、一帯は繊細な花を咲かせる湿原植物や亜高山植物、過酷な環境の中でいのちを繋ぐ昆虫などに接することが出来る癒しの環境が広がっている。
◇ ◇ ◇
周辺からは「富士山」「八ヶ岳」「中央アルプス」「南アルプス」などへの眺望が開けている。
◇ ◇ ◇
高原中央部の「御射山遺跡(みさやまいせき)」は、鎌倉幕府が全国の武将を「諏訪大社下社」の「御射山祭」に参加させて祭事を執行し、一帯で武芸を競わせたりした場所で、階段状の地形は桟敷だったと考えられるという。





 ❖ 松尾芭蕉 
江戸時代前期の俳諧師「松尾芭蕉(まつお ばしょう)」(1644/正保元年~1694/元禄7年)は、伊賀国上野(現在の三重県上野市) 出身、俳号ははじめ「宗房」のち「桃青」、「芭蕉」「はせを」の号ははじめ庵号に由来する戯号で、改まった場合には「桃青」「芭蕉桃青」「武陵芭蕉散人桃青」と署名したという。
◇ ◇ ◇
句は「佐久間柳居/長利(さくま りゅうきょ/ながとし)」(1686/貞享3年~1748/延享5年)編集の俳諧連句撰集「俳諧七部集(はいかいしちぶしゅう)」(「冬の日」「春の日」「曠野(あらの)」「ひさご」「猿蓑(さるみの)」「続猿蓑」「炭俵」)に収められ、ほかに紀行文「笈の小文(おいのこぶみ)」「野晒紀行(のざらしきこう)/甲子吟行(かっしぎんこう)」「奥の細道(おくのほそみち)」などを残した。
◇ ◇ ◇
我が国俳諧史上最高の俳諧師の一人と評価されている。

霧ヶ峰湿原植物群落(七島八島)🙂😐😐すでに「秋」がはじまっている

2022-08-28 18:00:00 | 四季




「処暑」を過ぎても厳しい暑さの毎日だが、標高約1600mの「八島湿原」は、すでに「秋」がはじまっている
◇ ◇ ◇
「匂宮」が「藤袴(ふじばかま)」「吾亦紅(われもこう)」など秋の花に関心を寄せる「源氏物語 巻42『匂宮』」の記述「御前の前栽にも、春は梅の花園をながめたまひ、秋は世のめづる女郎花、小牡鹿の妻にすめる萩の露にもをさをさ御心移したまはず、老いを忘るる菊に、おとろへゆく藤袴、ものげなきわれもかうなどは、いとすさまじき霜枯れのころほひまで思し棄てずなどわざとめきて、香にめづる思ひをなん立てて好ましうおはしける。」 を思い出しながら、枯れ色の秋へと移り行く時間の中で、命の終わりを静かに待つチョウたちの舞う姿を眺めた。






 ❖ 八島湿原   再掲(写真は更新)  
「八島湿原」(諏訪郡下諏訪町東俣)は、標高約1,600メートルに位置する高層湿原で、国内高層湿原の南限にあたる。
◇ ◇ ◇
約12,000年前に誕生したという面積約3,000ヘクタールの同湿原は、1939(昭和14)年に国の「天然記念物」に指定されているが、寒冷地のため植物の腐敗と分解がしにくく、約8メートルの厚さとなった泥炭層が堆積しているという。
◇ ◇ ◇
周辺の森林化や降雨量減少による乾燥化、水生植物繁茂や土砂の流入などによって、湖沼は面積の後退が続いているが、一帯は繊細な花を咲かせる湿原植物や亜高山植物、過酷な環境の中でいのちを繋ぐ昆虫などに接することが出来る癒しの環境が広がっている。
◇ ◇ ◇
周辺からは「富士山」「八ヶ岳」「中央アルプス」「南アルプス」などへの眺望が開けている。
◇ ◇ ◇
高原中央部の「御射山遺跡(みさやまいせき)」は、鎌倉幕府が全国の武将を「諏訪大社下社」の「御射山祭」に参加させて祭事を執行し、一帯で武芸を競わせたりした場所で、階段状の地形は桟敷だったと考えられるという。




 ❖ 霧ヶ峰   再掲(写真は更新)
「八ヶ岳中信高原国定公園」に指定されている火山で、主峰「車山」から噴出したという溶岩により広がった大規模な高原をいう。火山活動は「八ヶ岳連峰」とほぼ同時期の約140万年前からで、現在のような地形になったのは約30万年前と言われている。
◇ ◇ ◇
「亜高山帯針葉樹林」境界付近の存在で、例年5月下旬「コバイケイソウ/小梅蕙草」、6月中旬「レンゲツツジ/蓮華躑躅」、7月中旬「ニッコウキスゲ/日光黄菅」(ゼンテイカ/禅庭花)、8月には「マツムシソウ/松虫草」などが見ごろを迎える。

 ❖ 源氏物語 
平安時代中期に成立した全五十四帖からなる長編物語で、日本古典文学の最高峰と評価されている。
◇ ◇ ◇
作者は、「一条(いちじょう)天皇」の中宮「彰子(しょうし)」(「藤原道長(みちなが)」長女)に女房として仕えた「紫式部(むらさきしきぶ)」というのが通説で、夫「藤原宣孝(のぶたか)」に死別した1001年(長保3)から、中宮「彰子」のもとに出仕した1005あるいは1006(寛弘2あるいは3)年までの間に起筆し、「藤原道長」の支援の下で物語を書き続けたと推定されている。
◇ ◇ ◇
王朝文化最盛期の宮廷貴族の生活を克明に描きながら、時の「桐壺帝(きりつぼのみかど)」を父とし「桐壺更衣(きりつぼのこうい)」を母として生まれた主人公の「光源氏(ひかるげんじ)」が、「葵上(あおいのうえ)」「夕顔(ゆうがお)」「紫上(むらさきのうえ)」などの女性たちと交渉をもち、また父帝の中宮藤壺(ふじつぼ)」との恋に苦悩しながらも、運命に導かれて栄華をきわめる姿を、約70年にわたって構成している。最後の「宇治十帖」と称される10巻は、「薫大将(かおるだいしょう)」(「光源氏」の二男とされるが実は「光源氏」の妻「女三の宮/おんなさんのみや」と「柏木右衛門督/かしわぎ うえもんのかみ」との不義の子)と宇治の「浮舟(うきふね)」の恋愛を描いている。
◇ ◇ ◇
源氏物語」五十四帖の巻名のひとつ「巻42『匂宮』」は、「光源氏」の子孫とその縁者の後日談を描く。登場人物「匂兵部卿宮(におうひょうぶきょうのみや)」の通称(におうのみや)」は、今上帝「冷泉院(れいぜいいん )」の第三皇子、母は「明石中宮(あかしのちゅうぐう)」(「光源氏」の娘)で、光源氏の孫にあたる。容色、才能ともにすぐれた情熱的な貴公子で、「薫大将」とともに「宇治十帖」の中心人物として描かれている。

霧ヶ峰湿原植物群落(七島八島)🙂😐😐心地よい風の渡る夏がはじまっている

2022-07-17 18:00:00 | 国内旅行

史上最短での「梅雨明け」で、夏の水不足は心配されるが、ここ標高約1600mの高層湿原では、「シシウド/猪独活」「ヤナギラン/柳蘭」が開花しはじめるなど、夏の「八島湿原」がはじまっている。


 ❖ 八島湿原 
「八島湿原」(諏訪郡下諏訪町東俣)は、標高約1,600メートルに位置する高層湿原で、国内高層湿原の南限にあたる。
◇ ◇ ◇
約12,000年前に誕生したという同湿原は、1939(昭和14)年に国の「天然記念物」に指定されているが、面積は約3,000ヘクタールで、寒冷地のため植物の腐敗と分解がしにくく、約8メートルの厚さとなった泥炭層が堆積しているという。
◇ ◇ ◇
周辺の森林化や降雨量減少による乾燥化、水生植物繁茂や土砂の流入などによって、湖沼は面積の後退が続いているが、一帯は繊細な花を咲かせる湿原植物や亜高山植物、過酷な環境の中でいのちを繋ぐ昆虫などに接することが出来る癒しの環境が広がっている。
◇ ◇ ◇
周辺からは「富士山」「八ヶ岳」「中央アルプス」「南アルプス」などへの眺望が開けている。
◇ ◇ ◇
高原中央部の「御射山遺跡(みさやまいせき)」は、鎌倉幕府が全国の武将を「諏訪大社下社」の「御射山祭」に参加させて祭事を執行し、一帯で武芸を競わせたりした場所で、階段状の地形は桟敷だったと考えられるという。


 ❖ 霧ヶ峰   再掲(写真は更新)
「八ヶ岳中信高原国定公園」に指定されている火山で、主峰「車山」から噴出したという溶岩により広がった大規模な高原をいう。火山活動は「八ヶ岳連峰」とほぼ同時期の約140万年前からで、現在のような地形になったのは約30万年前と言われている。
◇ ◇ ◇
「亜高山帯針葉樹林」境界付近の存在で、例年5月下旬「コバイケイソウ/小梅蕙草」、6月中旬「レンゲツツジ/蓮華躑躅」、7月中旬「ニッコウキスゲ/日光黄菅」(ゼンテイカ/禅庭花)、8月には「マツムシソウ/松虫草」などが見ごろを迎える。


 ❖ シシウド/猪独活 
本州や九州などの高地の草原に生えるセリ科の多年草で、茎は高さ1~2メートルになる。根は「ドッカツ/独活」と呼ばれ、掘り起こした根を洗浄し陰干して、頭痛薬や薬酒として用いるが、「シシウド属」は、古くからヨーロッパを中心に薬用・食用のハーブとして用いられているという。

 ❖ コバイケイソウ/小梅蕙草 
本州中部地方以北から北海道の亜高山帯の湿地などに分布し、ユリ科シュロソウ属に属する多年草で、高さは1mほどになる。和名は、花が「ウメ/梅」葉が「ケイラン/恵蘭」に似ていることに由来するという。
◇ ◇ ◇
アルカロイド系の有毒成分を持ち、誤食すると嘔吐や痙攣を起こし、血管拡張・血圧降下から重篤な場合死に至るという。

 ❖ ヤナギラン/柳蘭 
本州中部以北の亜高山帯などの草地や礫地に広く分布し、7~9月に4弁の赤桃色の花を開花する多年草で、田中澄江は著書「花の百名山」で霧ヶ峰を代表する花のひとつとしている。和名は葉が「ヤナギ/柳」に似ていて、花を「ラン/蘭」にたとえたことに由来するというが、海外種も含めて山野草として、流通している。

 ❖ ノアザミ/野薊 
本州から九州の山野や河川敷などの日当たりのよいところに自生するキク科アザミ属の多年草で、5~8月に赤紫色や淡紅色などの花を咲かせる。若い茎は山菜として食用になり、油炒めや煮物に調理して食べられるという。

 ❖ ノリウツギ/糊空木 
北海道から九州の山野に自生する樹高2~3メートルのアジサイ科の落葉広葉樹で、和紙を漉く際の糊に樹液を利用したことからこの和名がついたという。7~8月に開花するが、多くの人が花と思う白または淡紅色の花弁4枚は装飾花の萼片で、枝先に白色の小さな両性花が円錐状に多数つく。
◇ ◇ ◇
「ノリウツギ/糊空木」の園芸種として流通する「ミナヅキ/水無月」「ライムライト/ピラミッド紫陽花 」はほとんどの部分が装飾花で、原種の「ノリウツギ」が「ガクアジサイ/額紫陽花」に似て素朴な雰囲気であるのに対して、園芸種の「ノリウツギ」は華やかに見える。

霧ヶ峰高原車山肩🙂😐😐例年より約一週間早く見ごろになったニッコウキスゲが斜面の群生地を彩っている

2022-07-13 22:00:00 | 国内旅行

「霧ヶ峰高原」(諏訪市)の斜面に広がる群生地で、例年より約一週間早いというが、「ニッコウキスゲ/日光黄菅」(ゼンテイカ/禅庭花)が見ごろになっている。地元ボランティアが外来植物を駆除したり、電気防護柵を張って「ニホンジカ」の食害から守り、群生地を復活させたという。かつて自分が、黄昏の中で風に揺れる群生に感動したその風景が甦っている。


 ❖ ニッコウキスゲ 
一般には「ニッコウキスゲ/日光黄菅」の名前で呼ばれるキスゲ亜科の多年草「ゼンテイカ/禅庭花」は、本州中部以北の山地などの湿潤な草原に群生することが多く、霧ヶ峰や尾瀬ヶ原などの群落が知られているが、園芸植物としても植栽されている。
◇ ◇ ◇
5月上旬から8月上旬に、ラッパ状で10cmぐらいの山吹色の花を開く。見た目は花弁6枚だが、うち3枚はガクが変化したもので、実際は3枚花弁の一日花だ。


 ❖ 霧ヶ峰   再掲(写真は更新)
「八ヶ岳中信高原国定公園」に指定されている火山で、主峰「車山」から噴出したという溶岩により広がった大規模な高原をいう。火山活動は「八ヶ岳連峰」とほぼ同時期の約140万年前からで、現在のような地形になったのは約30万年前と言われている。
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「亜高山帯針葉樹林」境界付近の存在で、例年5月下旬「コバイケイソウ(小梅蕙草)」、6月中旬「レンゲツツジ(蓮華躑躅)」、7月中旬「ニッコウキスゲ(日光黄菅)」(ゼンテイカ/禅庭花)、8月には「マツムシソウ(松虫草)」などが見ごろを迎える。

巡る季節😐😐😐梅雨空の下「カエル(蛙)」の捕食に夢中の「サギ(鷺)」たちが翔る

2022-06-25 08:00:00 | 四季

「栗の花紙縒のごとし雨雫」杉田久女
巡る季節にあって、樹全体白く煙るように「栗の花」が開花している。




「天竜川」河畔に広がる水田では、「サギ(鷺)」たちが、今日も抜き足差し足で、「カエル(蛙)」の捕食に夢中だ。



連写によらない翔る「サギ(鷺)」の撮影は、狭いファインダー越しでの「一写必中」の難しさを痛感する時間になった。



 ❖ サギ(鷺)  再掲(写真は更新)
サギ類は極地を除く全世界に約 70種が分布し、我が国では「アオサギ」「コサギ」など 19種が、魚や小動物や昆虫などを採餌し、河川や湖沼や水田などを好んで棲息地にしているという。
◇ ◇ ◇
シラサギ類には語り継がれる伝説が多く、「石座神社(いわくらじんじゃ)」(京都市左京区)の神使や、「円覚寺(えんがくじ)」(神奈川県鎌倉市)の境内を定めた由来などにも登場する。「鷺の湯(さぎのゆ)」などの名前で知られる「シラサギ(白鷺)」が発見したという温泉も全国にある。また、「姫路城」(兵庫県姫路市)「八代城」(熊本県八代市)の別名「白鷺城(はくろじょう/しらさぎじょう)」も知られている。
梅雨空の南アルプス「甲斐駒ヶ岳」を望む
 ❖ 赤石山脈(南アルプス)  再掲(写真は更新)
「長野県」「山梨県」「静岡県」に連なる山脈で、我が国第2位の高峰「北岳」(標高3,193メートル)や山脈名来由の「赤石岳」(標高3,121メートル)など9つの3,000メートル超峰があって、10の山が「日本百名山」に選定されている。
◇ ◇ ◇
「赤石山脈(南アルプス)」の山容は、険峻な「飛驒山脈(北アルプス)」に対し、なだらかな山が多いとされるが、比較的新しい隆起で浸食が進んでいないためだと考えられているという。現在も世界有数の年間4ミリメートルほどの隆起速度で隆起が続いているという。
梅雨空の中央アルプス「空木岳」を望む
 ❖ 木曽山脈(中央アルプス)  再掲(写真は更新)
長野県の木曽谷と伊那谷を眼下に南北に連なる山脈で、「飛驒山脈(北アルプス)」「赤石山脈(南アルプス)」とともに日本アルプスと呼ばれる
◇ ◇ ◇
最高峰は「木曽駒ヶ岳」(標高2,956メートル)で、2020(令和2)年3月27日「中央アルプス国定公園」に指定されたが、「飛驒山脈(北アルプス)」は1934年(昭和9年)12月4日「中部山岳国立公園」に、「赤石山脈」は1964年(昭和39年)6月1日「南アルプス国立公園」に指定されている。
里山の「カエデ(楓)」