アケビの皮をよく見かけるので、実りの時期から外れてますが、今回は、「アケビ」と「ムベ」について。
昔は、ムベやアケビを大量GET!、という嬉しい体験もあったんですが、最近は、そういう機会も少なく・・・。
昔、山を管理する仕事をしていた頃、自然に生えていたムベを発見し、そのムベに辿り着くまでの道を整備したり、ムベの成長や収穫の邪魔になる不要な木を伐って、ほぼ毎年、写真くらいの量を収穫していた時がありました。
だけど、このムベを含む近辺のエリアの管理を森林ボランティア団体に預ける形となり、その活動1年目にムベが伐られてしまいました・・・ホントに残念・・・。
ムベはアケビ科で、木本のつる性植物です。
別名「トキワアケビ」とも言われています。
ムベの果肉は半透明で、とても甘く、黒い種はアケビのように苦くありません。
アケビと違い、熟しても実は開きません。
あと、アケビは落葉(冬の前に葉を落とす植物)ですが、ムベは常緑(冬の間も葉が付いている植物)です。
名前の由来は、この実を食べた天智天皇の一言
「むべなるかな(いかにももっともなことであるなあ)」の”むべ”からきているとのこと。
この一言を発した古い伝説が、滋賀県近江八幡市北津田町に残っているそうです。
蒲生野へ狩りに出かけた天智天皇がその地で、8人の男子を持つ健康な老夫婦に出会い、
「汝ら如何に斯(か)く長寿ぞ」と質問したところ、
老夫婦は、「この地で取れる珍しい果実が無病長寿の霊果で、毎年、秋にこれを食べているから。」と答えたそうです。
じゃあ、それを食べてみたいということで、天智天皇がご賞味したところ、「むべなるかな」と納得され、「斯くの如き霊果は例年貢進せよ。」と命じられたそうです。
次に、アケビ。
実が開く「開け実(あけみ)」が名前の由来。
アケビの葉は、複葉(複数の小さな葉で構成された1枚の葉の事)で、小葉が3枚の「ミツバアケビ」と小葉が5枚の「アケビ」、そして、ミツバアケビとアケビの雑種「ゴヨウアケビ」というのがあります。
「ゴヨウアケビ」は小葉が5枚で鋸歯があり、「アケビ」は小葉が5枚で鋸歯がありません。
←ミツバアケビ
白い果肉を食べ、黒い種は吐きます。
果肉はとても甘いのですが、黒い種が、ちょっと苦い・・・。
種が苦いという点がムベとの大きな違いです。
アケビもムベも木本のつる性植物なので、他の樹木に巻きつき、高い位置に実を付けるので、簡単に採ることはできません。
ハシゴや高枝切りハサミを使わないとなかなか採れない上、鳥に食べられていることも多いです。
(中身が空になったアケビ)
鳥かサルか分かりませんが、中身を食べられ、落ちた果皮をよく見かけます・・・。
アケビやムベの果皮は、炒めて食べることができます(僕は食べたことありません。)。
きっと、昔の人も、中の果肉を食べたいのに、鳥などに食べられて、悔しい思いで空になったアケビを眺めていたと思います・・・。
その悔しい思いから、果皮に手を出して、食べたのではないか・・・と勝手に妄想してます。
というのも、昔は、現代のように食べ物が豊富だったわけではありません。
飢饉など切羽詰まった時、火を通して食べられるものは、なんでも食べていた・・・・と思います。
もしかすると、鳥やサルが食べて、捨てられた果皮を見て、「もったいないな~」と思って、食べたのかもしれません。
アケビやムベを堪能したいなら、風倒木のチェックをオススメします。
巻きついたアケビやムベが、木と一緒に倒れて、手の届く場所で収穫できる・・・そんな幸運に巡り会うかもしれないので!
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