今回は、サクラなどのように皮目が横に並ぶ樹皮について。
その前に、「皮目」とは、簡単に言うと、枝や幹、表面がコルク化した根における空気の取り入れ口です。
そこから病原菌などが侵入しないよう、コルクが特殊なフィルターの状態になっています。
ヤマザクラやシラカンバなどは、初めの周皮は、長期間生き続けているため、肥大成長によって樹皮が接線方向に引っ張られても引き裂かれず、細胞数を増やしたり、接線方向に細胞を長く成長させたりして、横方向に繊維が発達したような樹皮となります。
簡単に言うと、横に引っ張られながらも樹皮は伸長している・・・ということです。
林内を歩くと、時々、写真の様なサクラの枯れ木を見ることもあるかと思います。
サクラ類の樹皮は、枯れた部分を囲むように残ります。
ヤマザクラなどのサクラ類では、横方向に引っ張られるとともに、皮目も横並びに形成されるので、サクラ独特の樹皮となって、樺細工として利用されます。
ケヤキも皮目を形成します。
ケヤキも最初の周皮が長期間生き続けますが、ヤマザクラなどのように繊維が横方向に長く発達することはなく、少し、横方向に引っ張られたような状態になります。
そして、壮齢木や傷がついた木、直射日光が直接幹に当たる部分などでは、コルク形成層の分裂が盛んになり、外側のコルクが鱗状に剥げ落ちて、滑らかな樹皮ではなくなります。