以前、スギの人工林に行った時。
落石が多く、地表面がよく動いてそうな現場で、大きな石を食い止めるスギを発見
落石の衝撃が原因でしょうか。
少し、重心が(矢印の方向に)偏っているように思えます。
さらに梢端部を見てみると、
今度は、逆方向に(矢印の方向に)木が曲がっています。
樹木は光を求め、枝葉を広げます。
針葉樹は基本的に上へ上へと真っ直ぐに伸び、広葉樹は基本的に光が当たる環境を目指して、枝葉を広げます。
基本的に広葉樹は、枝葉を広範囲に広げるため、重心がずれてしまい、倒木する恐れを抱えています
そこで、根を広げて樹体を支えているわけですが、光環境を独占し、落ち着いたら、偏った重心を修正するように枝葉を広げます。
雑な図で申し訳ありませんが、例えば、
樹木Aは、他の樹木と競争関係にあると、まず、光のある方向に枝葉を広げます。(幹も矢印の方向に太くなります。)
そして、樹木Aが他の樹木よりも大きく成長し、光環境を安定的に確保できると、今度は、重心を整えるように、逆方向へ枝葉を広げます。(自ずと幹も、先ほどとは逆方向に太くなります。)
人間もそうですが、一番安定した重心は、まっすぐに立つ・垂直に立つことです。
これは、広葉樹も針葉樹も同じ。
今回のスギも、落石の影響で偏った重心を上方で修正しようとしたのだと思います。(他のスギに梢端部が抑制された様子もないので・・・)
これもあくまで一例です。
樹木の偏りは、色々な要因があるので、一概には言えませんからね
でも、樹形を見ながら、これまでその樹木が歩んできた人生を、周辺の環境と照らし合わせながら、妄想するのも楽しいもんです