けぶる稜線

ひいらぎのとげが語る

コロナウィルスよ永遠なれ! ガス星雲人からのメッセージ

2020-04-01 13:30:10 | 小説
ウィルスは変異して動物から人間に、更に変異して人間から人間に感染するウィルスになり、重篤な肺炎と共に臓器も冒される。薬がない、死者の山が積み上がってゆく。人々は右往左往し、面子を保つことしか能のない為政者を責める。その間にも潜伏期間という離れ業を駆使してcovid-19ウィルスは人間に挑んでいる。まるで、宇宙人の襲来だ。「ソウ、ワ・タ・シ・ノ・名・ハ・コ・ロ・ナ。はるか彼方のガス星雲人からの使徒なのよ」

モンゴル兵が東ヨーロッパに侵攻し暴れまわっていた。ペストで死んだ人間を大砲に詰め、開城を拒否する城壁で囲まれた街中をめがけてぶっ放した。ペスト蔓延。ヨーロッパ人が見たこともない火薬という飛び道具を駆使して侵攻してきた黄色人種。キリスト教の教えに唾を吐いたからその報いに悪魔がやってきた、と人々はおののいた。チフス、結核。生物界に君臨すると豪語してきた人間の考えを改めさせようとするかのごとき生物体、新型コロナウィルスcovid-19。

「オイ,お前! こいつらは、宿主だった野生の動物から人間に感染する変異能力を獲得したウィルスは、もしかしたら、地球外生命体じゃないのか」
「そう、彼らはお互いに連絡しあっているのが確認されている」
「地球上の生物支配を目指して切磋琢磨しているに違いない」
科学者がcovid-19ウィルスと名づけたものは、地球外生物によって操られているのか。それとも自律的に行動している/行動できる生物体なのか。
「地球人には考え付かない未知の方法でプログラミングされたウィルスよ、お前らのご主人様は何処にいるのだ」

地球の自然を破壊している人間と呼ばれている生命体が恐怖におちいってゆく様を眺め、もろい地球人の生命と精神を観察している遥かなるガス星雲の彼方から送られ自律的に変異している生物体、コロナ。地球人の技術水準をせせら嗤う高度な知能集団が送り込んだ先鋭隊のウィルス。過去には、黒死病と云われたペストを先鋭隊として、次から次へと地球人を嘲笑うかのように人間を弄(モテアソ)んでいる。コロナウィルスの後釜には、地球外生命体が更に複雑怪奇にプログラミングしたものが用意されている。それは、何時なのか。
「あ、は、はッ!愚かなる地球上の人間よ! お前たちが生命体の頂点に立っているとの勘違いを認識するまでだ!」
次の手段は、気候変動で人間をやっつける。地球の肺と称されている熱帯雨林を半砂漠に変えてしまい酸素供給網を遮断する。水資源を激変させ、枯渇させ、穀倉地帯をカラカラの土地にしてしまう。穀物が消えてしまう事態になる。それでも懲りずに人間は、気候変動に対抗できると息巻くだろう。憐れな地球人よ!緑なす地球の自然を貪り食い破壊している地球人を目覚めさせる為に、我らガス星雲の高度な知能集団が送り込んだ先鋭隊のウィルスが携えている教えの意味を理解すべきだ。

人類はその環境が劣悪化した地球からの逃避を目論んでいる。地球人の知性では、それはまだまだ先のことだ。それよりも、今の資源食い・浪費の社会を変革することだ。処方箋は簡単なのだ。近隣の惑星に人類の一部が移住することに成功しても、お前らの技術では、あてどもなくこの宇宙をさ迷うことになるだろう。惑星間飛行体の中で全員腐敗死体となって宇宙をさ迷うゴミになる。有害ゴミ排出を阻止する為に、地球人に理解させるきっかけになるように、地球人が解読し得ない方法でプログラミングされたウィルスを遥かなるガス星雲から送り込んだのだ。彼らが目覚めるまで、プログランミングは人間を滅ぼす方向に変更される。結果として、人類を滅ぼす包囲網を展開してしまうことになるのだ。

ガス星雲界で最高の知性に到達した、地球人には想像さえもできないガス星雲人の知性にも欠陥はあるの。それは、微量の塩とミネラルを含んだ海風が濃緑色の長い針のような松の枝葉を震わす時に鋭くピーと鳴らしてくる空気には勝てないの。そう、人間界にもそんな場所に結核療養所が、昔あったわね。この空気はコロナの自立型プログラミングを狂わせ、死滅させてしまうのよ。海水を含んだ風が松の枝葉をピーと鳴らす大気のある環境の下ではプログラミングが平静さを失ってしまうという人類には考えられないプログラミングの生物化というものが組み込まれてあって、それが欠陥というかバグのようになってしまうプログラミングなの。海岸が見える丘に生える松林は、地球人に自然との共生を取り戻す考えに気付かせるためにあるのよ。それが今では、鉄の塊で作った巨大なブルドーザーでなぎ倒している。私たちガス星雲から送り込まれたコロナは、まだまだ変異を繰り返していかなければいけない。使命遂行のミッションが終るまでには、長い道のりだわ。地球人へ警告を発するために派遣された私たちコロナもガス星雲の故郷へ帰りたいけれど、このミッションを遂行するまで帰れないの。それにしても、非生物であるプログラミングが地球の生物体に侵入してその生物を通して攻撃を仕掛けるなどという考えは、地球人には考えられないでしょうね。




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