けぶる稜線

ひいらぎのとげが語る

分身ロボットと脳機能を共有する日々

2017-09-15 14:03:28 | 日記

人の動きを忠実に再現し、五感を共有できる分身ロボット。生物学と工学が融合されて産み落とされた近未来の限りなく人間に近いロボット。

分身ロボットが歩いてゆく町の空気、すれ違う人々の吐く息、通りの両側に並ぶ様々な店から流れ出てくる食べ物の臭いなどを自宅にいて同時に経験できる。そんなロボットをホテル宛に航空便で送る。予約した部屋でホテルの案内係りが荷を解くと自立ロボットがすっくと立ち上がる。
 
分身ロボットは入国手続きをしていないし、税関の荷物検査も受けていないでお目当ての国にいる。そんなロボットと海外旅行の擬似空間を共有したら不法入国に問われるだろうか。そして、官憲がそんな分身ロボットを不法に拘束したら人権侵害になるか。念じた通りに動き、痛みを共有している他人のロボットの腕を壊したら器物損壊か、それとも傷害事件か。
 
2015年7月1日水曜日発行の朝日新聞記事、ロボットの問題は「人間とは、自己とは何か」という根源的な問いにつながる、を読んでの感想だ。
  
こんなのが可能になる将来は、海外旅行の質が変ってきて、宇宙旅行にも適用できるようになる。あっちに行ったり、こっちに飛んできたり、病気も感染症も共有してしまう。
 
オイラは何なんだ。ガラパゴス的発想の持ち主はさっさと発狂し、土にかえるだけ。その結果、地球人口減少となり、破滅への一歩手前で地球が救われるのだった。


ここまで来たか、 近未来の生体ビジネス

2017-09-10 13:14:31 | 日記
故人が生前に習得したあらゆる情報をデジタル信号化し売買する。それも不特定多数の中の一人ではなく、その国の頭脳を代表していた故人が蓄えた情報の集積で詰まっているものだ。そんな情報を生きた人間に移送する技術、脳内デジタル情報の集大成を別の脳内に植えつける技術が確立した。

死亡した人の脳内の情報を生きている人間に移植するビジネスの存在が知られるようになった。平たく言うと、死亡直後の脳内情報を取得し、デジタル化し、さらにそれを若い生体に移入させるビジネスだ(コンピュータのエックスポート機能のようなものだ)。

少子化が極限にまで進んだ2078年の現在、子供の将来を危惧する富裕層の母親仲間でひそひそと囁かれている言葉。遥か昔の堕胎天国だったニッポンのように、奇怪な腫瘍発生の危険性があるにもかかわらず、裏社会ビジネスとして大繁盛している。

「お子さんの脳内容量が足りません」という警告はされない。情報を無理やりに詰め込まれロボット人間になったり、思考能力をつかさどる領域にまで移植情報が拡張侵食され、考える力を剥奪された子供・大人になる可能性も大だ。それにもかかわらず、富裕層の親は信じられないような膨大な情報を求め、緻密に練られた情報の塊を手にしている。それを元にこれまた素晴らしい生活を営むことが約束されるという宣伝文句に踊らされているからなのだが。金のない貧乏層は?このブログを読んでいる貧困層の君たちは生まれてきたままの脳だ。

熾烈な格差間闘争・競争が起きるが、圧倒的な知識・資産力を持ち政府を丸め込んでいる富裕層は安泰だ。一日三錠で必要な栄養素を得られる錠剤を政府から支給され奴隷のように生きる層と21世紀前半には信じられなかったような情報と知識を詰め込まれた富裕層とその家族。
とうとう時の政府は闇ビジネスの存在を認めざるを得なくなる。でも、とき既に遅し。体内からぐずぐずと腐ってゆく得体の知れない奇病が富裕層に蔓延していっているのだ。