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映画『ペンタゴン・ペーパーズ』-日本と合衆国との間の、公文書の扱い方とその存在感、メディアのあり方をの違いをまざまざと見せてくれる

2018-04-19 15:07:28 | 最近見た映画
                                             

    【 2018年4月11日 】      TOHOシネマズ二条

 「ペンタゴン・ペーパーズ」は、アメリカ合衆国の4代にわたる歴代の大統領の【ベトナム戦争介入への関わりを綴った7000ページにも及ぶ機密文書】である。その機密文書を「ニューヨーク・タイムス」と「ワシントン・ポスト」が入手して、記事として全面的に公開する手はずを整えていたが、映画はまさにこの瞬間を描いている。夫の後を継ぎ「ワシントン・ポスト」の女性社主となったキャサリン・グラハムと、その記者ベン・ブラッドリーが、時の大統領ニクソンの記事を差押え用とする圧力との息詰まるせめぎ合い-報道の真実を貫こうとする編集主幹と社運を賭けた社主の葛藤とが展開する。
   
                    

                                     


 スピルバーグ監督は、トランプの今の時代だからこそ、この映画を撮ったと言う。

        


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 アメリカに劣らず、今の日本も同じように「フェイク・ニュース」が出回り、その一方でマスコミたたきもひどい。それに輪をかけ、「自衛隊日報問題」から「森友・加計問題」までアメリカよりたちが悪い。《
隠匿する》にとどまらず《改竄》までしたら、何を根拠に検証したらいいのか、どうしようもなくなる。《公表》されても、肝心な部分が全て《黒塗り》だったらどこに公表する意味があるのか。
 そもそも、《記録すらしない》-特に重要な経過を記録しないで《結果》だけを書いて、それも不要とあらば《短期間で破毀》する。

 時の首相は、誤りが明らかな事柄に関してもよくこんな事を言う。「今の時点では、明らかなことは言えないが、歴史が検証するでしょう。」と。

 【誰が、何を、どのように言ったか】【どのような理由で決定されたか】を記録しないで、それをどのように検証できるのか! 


 一方、文書の所在が明らかになっても、《怪文書》であるとか、《あったものを、実はなかった》とうそぶく風潮もある。こんな論理がまかり通ってはどうしようもなくなる。


 日本で「公文書等の管理に関する法律」が成立したのは、2009年(平成21年)6月の事である。そして2011年の4月から施行されている。そこには立派なことが書かれているが、政府機関の各職員には徹底されていないらしい。
 アメリカの「公文書管理法」には
  「国立公文書館は政府の記録を守り,保存することにより,アメリカの民主主義に奉仕するものであること,
   またアメリカ国民の権利及び政府の措置についての重要な文書への継続的なアクセスを保証する,そして
   主主義を支え,市民教育を推進し,国家の経験の歴史的な理解を促進するものであること」
 と書かれているそうで、日本のものもそれに準じてつくられたようであるから、きちんと守ればいいのだが。


  国政にとどまらず、築地市場の豊洲移転問題についても、責任の所在があいまいなままで事が進められてきた結果がこれだ。なし崩し的に実行に移されようとしている。


          ○              ○                ○

 映画は、最後の場面で「ウォーター・ゲート事件」になだれ込んで終わっていく。



            



     
      『ペンタゴン・ペーパーズ』-公式サイト


     『ペンタゴン・ペーパーズに関する《平 和博 さんのブログ》』へジャンプ

     『公文書法』に関する記述のサイト





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