【 2017年4月21日 記 】
2〜3日前の新聞で「種子法」が危ないという記事を見たが、今日21日付けの「毎日新聞」の紙面で『種子法廃止に広がる不安』という特集記事が載っていて、【同法を廃止する法案】が自公の賛成多数で可決成立したことを知った。これにより、H30年4月より同法は廃止されるという。どんな影響があるのだろう。
そもそも『種子法』というのは何かというと、【米、麦、大豆の種子の生産や普及を都道府県に義務付けてきたも主要農産物種子法】のことを言う。
政府は同法の廃止の理由を《すでに役割を終えた》、《国際競争力を持つために民間との連携が必要》などと言い、「民間に入ってもらえれば農業者の選択肢が広がる」と付け加えているそうだ。
それにたいし廃止を懸念する声に
「廃止されれば農家はやっていけないし、遺伝子を組み替えたコメの作付けが始まれば、消費者も食の安全の瀬戸際に立たされる」
「地域振興の主要な資源になっている各地の銘柄米が、存続の危機に直面する」
などという意見がある。
そもそも種子法が廃止されて「公的機関が持つ素材や施設が民間に提供されると多くの税金で培われてきた国民共有の知的財産が海外に流出し、外国企業による種子独占の危険性」が有るという。種子価格の高騰も予想されるという。
この点について、
「世界の流れを見ても、遺伝子組み換え作物と農薬はセット。その防波堤となっていた法律が廃止されれば、食の安全保障が脅かされる」
という懸念も表明されている。
この記事を読んで、種は【F1種】と【固有種】の2種類に大きく分類されることを知った。農家でもなく、園芸を楽しむでもない自分が、今までそんなことを知る故もなかったが、現在主流に市場に出回っている作物のほとんどが「F1種」によるものだという。
「F1種」は一代限りのもので、交配した親の良いところだけを引き継ぎ、安定供給を望む生産者には都合がいいらしい。ただ一代限りなので(自家採取が出来ない-しても期待する種子が得られない)ので、毎年種苗会社から種を購入する必要があるという。
これで思い起こされるのは【モンサント】による《食料の世界支配の戦略》である。
もちろん、【F1種】と【遺伝子組み換え種】とは別のものであるが、後者が「種子法の廃止」に伴って国内になだれ込んでくる可能性は否定できない。
政府はいつでもウソを言う。「民間が入ると活力が生まれる-競争力が高まる」、「規制を外せば自由が広がり利用者の選択肢が増える」
活力が生まれるのは【新たな利益を生もうと虎視眈々と構える大企業】であって【庶民】ではない。
選択の自由が広がるのは、【利用者や農家など庶民の側】ではなく、【独占を狙う企業の方】である。
【郵政民営化】の時でも、【労働者派遣法】の時も、いつもそうだった。
労働者に《会社》や《働き方》は選べないし《ライフスタイルを自分で描く自由》など全くない。あるいは消費者には、商品が店頭に並んでしまったら《良し悪しを見分け選別・選択する自由》などほとんど残っていない。
『F1種』-についての記事
『近頃野菜がおかしい』-F1種についての記事・その2
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