この映画・本、よかったす-旅行記も!

最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

『母と暮らせば』-井上ひさしの『父と暮らせば』へのオマージュ-原爆の悲惨さと戦争の傷跡は生々しく

2015-12-31 18:50:08 | 最近見た映画


       【 2015年12月29日 】     TOHOシネマズ二条

 山田洋次監督の最新作『母と暮らせば』を見てきた。言わずと知れた井上ひさしの『父と暮らせば』をモチーフにしたものだ。井上ひさしのものは黒木和雄監督のものを以前映画館で2回見た。広島を舞台にして、原田芳雄と宮沢りえが父とその娘を演じていたが、今回のは長崎を舞台にしている。父と娘ではなく今度は母とその息子という設定になっていて、テーマは戦争と原爆の恐ろしさ、悲惨さを描いているのは変わらないが、登場人物の役割分担が微妙に違う。


 映画を見た翌日、どうしてももう一度『父と暮らせば』を見たくなってみてみたが、やはり井上ひさしの話は巧みだ。山田洋次の『母と暮らせば』も見た後はそんなに悪くはないと思ったが、『父と暮らせば』を見ると出来が違う。黒木和雄の演出・脚本がすばらしく、原田芳雄がいい味を出しているし、宮沢りえも自然でよかった。

 原田芳雄の父親の亡霊と娘の宮沢りえの組み合わせに対し、吉永小百合の母役と二宮和也の息子の亡霊の、異なった組み合わせだが、やはり前者の方が自然でかつ説得力があるような。

 違う面が多い中で面白いと思ったのは、黒木華の《佐多町子》が好きになる《黒田さん》と、宮沢りえが演ずる《福吉美津江》の意中の人である《木下さん》を、同じ、浅野忠信が配役であたっていたということである。


 黒木和雄監督で思い出すのは『紙屋悦子の青春』である。なかなか渋いいい監督だったと、改めて今思う。


 それにしても、1年の最後にいい映画を見せてもらった。






   『母と暮らせば』-公式サイト

   『父と暮らせば』-関連サイト

   『紙屋悦子の青春』-関連サイト






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