この映画・本、よかったす-旅行記も!

最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

『ゆるせない、逢いたい』-大切な内容を、親と17歳の娘の気持ちも含め、丁寧に真摯に描いた真面目な映画

2014-01-30 22:56:20 | 最近見た映画

          【2014年1月29日 PM6:45~】  京都みなみ会館


 もう一つの【17歳をテーマにした感動的映画】に出会った。『誰も知らない』で鮮烈なデビューをしてその後気がかりな問題もあった柳楽優弥が出演するというので、どんな映画かと興味半分に見に行ったが、良い映画を見せてもらった。

 恋愛映画というより、母と年頃の娘を抱える親子の葛藤、加害者と被害者の抱える問題、犯罪を犯した青少年を如何に社会に復帰できるよう支援していくかという問題、許し難い傷を負わされた少女がどのようにしてこれからの人生を切り開いていくかという問題-それらに対して茶化すことなく、真摯に向き合い、解決の糸口を見いだそうと真面目に、自然体で作った映画だ。

 タイトルの『ゆるせない、逢いたい!』は少女の率直な気持ちを、そのまま表している。


          

 母親役の朝加真由美の演技が自然体でいい。弁護士というキャリア・ウーマンの逞しさと、母子家庭の心配性で構い過ぎの、普通に子どもの未来を案ずる母親の姿を、わざとらしくなく演じている。

 柳楽優弥は『誰も知らない』の時の少年から、すっかり大人になってしまった。


                                                      


 『逢いたい!』と思わず叫ぶシーンは、やはり恋愛映画か。初めての苦い体験ではあったが。
 

                 


 陸上部仲間のマリとの交友も何気ない仕草の中に通じるものがあって、爽やかに描かれている。


                                      


  保護司の二人も、縛突で真っ正直な表現が映画にアクセントを与えている。



 『スタート・ラインにもう一度立ちたい。途中で倒れるかもしれないけど、・・・・』

 物語の終わり方もうまくまとめていて、かといって不自然でもこじつけでもなく、ハッピーエンドでも、説教的でもなく、納得できる結末である。


 脚本も担当した金井純一という人、今後も要チェックの期待の持てる監督だ。


        ○        ○        ○


 過去見たものの中で、【17歳に焦点を当てた映画】で、印象に残っているものに以下のものがあった。

 ・『17歳の肖像』・・・2009年イギリス映画
 ・『青の炎』・・・2003年日本映画 
 ・『子宮の記憶』・・・2003年日本映画
 ・『エレファント』・・・2003年アメリカ映画
 ・『17歳のカルテ』・・・1999年アメリカ映画

  いずれも17歳の高校生が主人公だ。16歳や18歳で無く、どうして17歳なのか。
 間もなく公開が予定されているフランソワ・オゾン監督の映画のタイトルも、もろ『17歳』そのまま-どんな映画なんだろうか。



                                   



 《変な教育書》を何冊も読むより、《1本の映画》の方が、ましな問題解決の方向を与えてくれることもある。そんなことを、ふと感じさせる映画だった。



 

  『ゆるせない、逢いたい』-公式ホームページ

『柳楽優弥と吉倉あおいの対談』が載っているサイト


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