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シルクロード――庫車編③

2009-11-23 09:31:34 | シルクロードの旅
砂漠に点在する仏教遺跡の数々

郊外に目を転じてみると、数々の遺跡が点在する。いずれも砂漠の中に立つものだけれど、この地域の長い歴史を体現する史跡として興味深く感じられるはずだ。

まず訪れてみたいのが、キジル千仏洞だ。クチャからは西北に約70kmほど行った拜城県にある石窟。ムザルト河北岸の断崖にあり、その長さは延々2kmにもおよぶ。新疆でも最大規模の石窟とされる大きさだ。

現在230余りの石窟が確認されていて、仏殿と僧坊で構成される。この中で最大の見どころとなるのは第38窟で、一般には楽舞洞の名で知られている。入口の壁の上には弥勒菩薩が描かれ、天宮伎楽図(4世紀頃の作)がある。伎楽天の持っている楽器は、弓型ハープ・五弦琵琶・横笛・ひちりき・阮咸などで、日本の雅楽のルーツともいわれている。

特に興味深く感じられるのは琵琶で、琵琶の起原はペルシア・アラビアとされ、やがてインド・西域・中国を経て、奈良時代に日本に伝来した。シルクロードを伝わってきた楽器を始めとして、さまざまな文化の源流をさかのぼることができるものとして注目されている。

そもそも亀茲国が名高い理由の一つに、亀茲音楽がある。この亀茲音楽は現在もウイグルに引き継がれて今日までのこっているが、クチャに残る遺跡の数々は、当時の繁栄を偲ばせてくれるもの。

この他、仏教経典に関わる故事や人物・山水・動物など、さまざまな種類の壁画が精巧に描かれている。このため多くの調査団が現地でさまざまな発掘調査を行うなど、キジル千仏洞の石窟は専門家から注目されているほど。

クチャの西南、約30kmのところにあるのは、クムトラ千仏洞だ。その昔、玄奘が立ち寄り講演を行ったという場もあるクムトラ千仏洞は、ムザト川の渓谷の東側に位置する。これまでの発掘により、全部で112の石窟が明らかになっているが、石窟には月神、風神などが描かれていて興味深い。また珍しい亀茲文字も見ることができる。

クチャの北方にあるのは、クズルガハ烽火台。砂漠の中の小高い丘の上に立つ土の塔で、漢の時代に造られた狼煙台だ。高さ16mで、上には望楼がある。その昔、約15kmおきに狼煙台が造られ、急を告げる場合にはここから狼煙台が上げられたという。

クズルガハ烽火台の近くには、クズルガハ千仏洞がある。唐の時代に造られたもので、仏殿と僧坊の石窟が確認されているが、なかでも僧坊が多いのがこの石窟の大きな特徴だ。

クチャからほぼ北に車で40分ほど行ったところにあるのは、スバシ故城だ。クチャ川の東西両岸にまたがって造られたもので、新疆最大規模の寺院遺跡として注目を集めている。

創建されたのは3世紀頃とされ、玄奘が各地の仏教の状況のほか文化・風俗などを書き記したインド・中央アジア旅行見聞録の『大唐西域記』には、「川の東、西には二つ伽藍あり昭怙厘と称す。東昭怙厘仏堂中には玉石あり、黄白帯びた海蛤である。また仏の足跡もあり、長さ八寸、広さ六寸・・・・・・」と記載されているが、この記述がスバシ故城ではないかと言われている。

ここからは貨幣や壁画・仏像・銅・鉄・陶器・木器なども出土し、仏塔や千仏洞の跡や壁画なども残り、当時の繁栄ぶりと仏教の広がりを物語っている。

このほかに、クルクダグ山の麓に、センムイム石窟がある。谷川に沿って彫られた石窟で、周囲には寺院や建物跡も残されている。

参考:中国旅行専門サイト―西部旅情クラブ


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