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シルクロード――喀什編④

2010-01-11 09:36:12 | シルクロードの旅
エイティガール寺院ほか市内にも見所は多い

イスラムの文化を濃厚に反映したカシュガルは、町のなかを歩くだけでも刺激にあふれている。特に、町の中心にあるエイティガール寺院の周辺は、バザール街であり、ウイグル族の生活のなかにどっぷりとつかるおもしろさに満ちている。中国の町では少なくなったと言われている毛澤東像も人民東路人民公園前に健在だ。市内中心地は歩いても1時間あれば回ることが出来るので、歩くことをお薦めする。また、レンタサイクルを利用するのも便利である。ロバ車は市の中心部は走行禁止になっているので、郊外に行く時に利用するようにしよう。

中国最大のイスラム寺院といわれるエイティガール寺院は、カシュガルのシンボルだ。

寺院の総面積は1万6800㎡。門楼の左右に建つ18mの円筒形の小塔(毎朝、ここから礼拝の呼びかけが行われる)を見ながら12mの門楼を潜ると、広大な敷地のなかに多くの建築物が連なっている。全長160m、奥行き16mの礼拝堂は140本の柱をもち、天井には花草模様があしらわれている。400人の学生が住み96教室をもつ教経堂などの建物もある。

寺院の創設は、1442年ころにカシュガル王が建てた小清真寺がその基で、18世紀後半、旅行中にカシュガルで病死したウイグル女性の遺産によって現在の大寺の基礎がつくられたと伝えられる。1872年にはさらに大修建が行われ、現在の規模になったものだ。

モスクは本来、異教徒の立ち入りを禁止するが、観光名所でもあるここでは礼拝の時間以外に見学ができる。ただし、短パンなどラフな服装は不許可だ。

寺院前の石段にはたくさんのウイグルの人々が腰をかけている。日の出・朝・昼・日没・夜の5回礼拝が行われる寺院のなかの厳粛さとは全く異なる開放的な光景だ。

寺院前の広場は普段でも多くの人で賑わう。路上の床屋、ナンなどの食べ物やさまざまな物を売る屋台などが並び、おなじみのシシカバブーや、ときにはイスラム料理ではないが砂鍋と呼ばれる鍋料理に出会えるかもしれない。少し油濃いスープだが、イスラム料理にあきた旅行者には最適であろう。寺院の周辺の賑わいは、日本でいえば東京の浅草のようなものだろうか。寺院を中心にちょうど浅草の仲見世のような具合に、前を走る解放路を挟んだ両側周辺の路地はバザールとなっている。因みに、バザール(市場)という言葉はペルシャ語が原語で、日本でも、明治時代は「中近東諸国の街頭市場」という限定された意味で使われていた。こんなことからも、歴史的に東側(中国)の世界よりも西側(中央アジア・中近東)の世界の影響を強く受けてきたカシュガルを理解できる気になってくる。民族ナイフ・ウイグル帽・鳥打ち帽・金属食器・新疆シルクや刺繍があざやかなチョッキ、背広の布地、仕立屋、アクセサリーなどの店が所狭しと並んでいる。

繊維類を扱う店が集中する通りはウイグル族女性のファッションのメッカとなっている。また、自分の好みに合わせてその場で加工してくれる貴金属店で品定めをしているイスラム女性に出会ったりする。イスラム女性も金の指輪が大好きなのだ。こうした所を覗いて見るのもおもしろいだろう。総合食料品売り場となっている地下街には、地方色に富んだ品々が並ぶ。


寺院に向かって左の通りをまっすぐに行くと職人街があり、道の両側に、帽子・靴・金属アクセサリー・民族楽器・木工細工・台所用金属製品などの店が並び、それらを製造するトントン・カンカン・コンコンという音が響き、商店が店一杯に並べられ、店によっては通路まで溢れている。通りを歩いていると、いろいろな店から心地よいリズムの音が聞こえてくる。そこには、今なお手作り職人芸にこだわる人々の生活がある。しかし、年々少しずつ変わってきており、今でインドやパキスタンの製品を並べる店もある。

さらに、市街地からホージャ墳に行く途中の吐曼河を渡った付近一帯では日曜バザールが開催されている。ここには、衣類から日常生活用品とあらゆる物がそろっているほか、その一角は農貿市場となっていて、近郊から、野菜や家畜などが集まり大勢の人が集まる。羊を追うための大切な馬も売りに出され、時には走らせて市にかける。まるで、競馬の予行演習みたいである。馬具用品もずらりと並び、大盛況である。

人込みを離れてのんびりしたいと思ったら、毛沢東の前から人民東路を東に400mほど行ったところにある東湖公園がお薦めだ。人造湖だが湧き水に恵まれ、魚釣りをする市民の姿もみられる美しい公園だ。人民東路をさらに東に進んだ左手には絲綢之路博物館がある。シルクロードの歴史をしりたいと思ったら立ち寄ってみよう。

カシュガルでは、子供たちの繰り広げる民族舞踊も見学できる。ウイグル族の子供たちが通う民族幼稚園で、観光客のために行っているものだ。舞踊の見学だけではなく、一緒に踊ったり、保育風景を参観したりもできるので有意義な時間を過ごすことが出来る。ウイグル族の子供たちの愛くるしさとやんちゃぶりはなかなかのものだ。ウイグル族の文化に触れるいい機会なので、ガイドさんや旅行社に手配を相談してみる価値はある。

参考:中国観光専門サイト―西部旅情