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シルクロード――トルファン編⑧

2009-08-25 18:01:51 | シルクロードの旅
蘇公塔は、美しい15種類のウイグル模様をあしらった高さ44mの塔が際立つモスク。黄色の磚(瓦)で10数種もある方法で複雑に築き、72の螺旋状階段が付けられた塔の内部には石材や木材は一切使われていないという。18世紀に、吐魯番郡王の額敏がイスラム寺院の建立を志し、息子の蘇賚満がその遺志を継いで完成した。そこで、額敏塔とも呼ばれる。町の端、東南にあり、モスクの上からの眺めも素晴らしい。

 町の中心にあるトルファン博物館では、トルファンの歴史や周辺で発掘された文物、ミイラ、壁画などが展示され、トルファンの成り立ちを知ることができる。

 博物館の並びには高昌農場市場がある。野菜、果物、肉などや香辛料など食材専門の市場で、さまざまな新鮮な食材が並び、さながらトルファンの台所をみているようで楽しい。

参考:中国観光専門サイト―西部旅情

シルクロード――トルファン編⑦

2009-08-18 10:14:23 | シルクロードの旅
カレーズは町の西の五星という村の坎児井楽園でみることができる。カレーズとは、傾斜した斜面に20~30mごとに縦穴式井戸を掘り、地下水道をつないで利用する方法で、アフリカを西端にこのトルファンまでの間に分布する。トルファンには、約1500本のカレーズがあり、その地下水道の総延長は5000㎞に達し、いたるところで井戸の小山が北から南に並んでいるのがみえる。

 坎児井楽園では、井戸のなかを流れる地下水道の様子を見学し、真夏でも冷たく澄んだ天山山脈の雪解け水が流れているのに触ることができる。カレーズの概況などをみせる展示室や民族舞踊を楽しむステージもある。

 トルファンの町は小さく、30分もあれば端から端まで歩ける。バザール(吐魯番市貿易市場)は老城路に面して、長距離バスターミナルの真向かいにある。アラビア風の建物の1階のほか、果物や野菜を積んだロバ車がひしめく広い中庭に続く路地にもぎっしりと商店がつまっている。色彩の華やかなウイグル帽や新疆のナイフ、銅製の食器、絹、干し葡萄やハミ瓜、西瓜などの果物、野菜が溢れるバザールの喧騒のなかに身を浸しているのは楽しい。バザールの近くには絨毯や玉をはじめとする土産品を扱う店もある。

 このほか、蘇公塔、トルファン博物館なども見所だ。

参考:中国観光専門サイト―西部旅情

シルクロード――トルファン編⑥

2009-08-11 09:50:50 | シルクロードの旅
    楽園を味わう葡萄溝

トルファンに遊ぶ楽しさを満喫するには、葡萄溝やカレーズの見学、バザールなどを外すわけにはいかない。西域のエキゾチシズムに満ちたそれぞれの魅力もさることながら、どれもがトルファンの人々と触れ合う機会であるからだ。

 葡萄溝は、町から東北へ10㎞、火焔山の西の峡谷に広がる葡萄の栽培地だ。長さ8㎞、幅800mの栽培地では、ウイグル族、漢族、回族など約10000人が住んで代々葡萄をつくっている。ここに観光客用の葡萄園がある。

 入口までの道筋には両脇にシシカバブーや干し葡萄、民芸品を売る屋台が並び、園内には葡萄棚の下に通路が続く。売り子の賑やかな掛け声、青空の下の葡萄の葉の淡い緑、民族舞踊と音楽、モンゴロイドとは明らかに異なる人々の陽気な表情などが、気持ちのいい開放感を伝えてくる。そして何といっても葡萄がおいしい。小さな粒の種無し葡萄を皮ごと食べる味覚の素晴らしさはほかで味わうことはできないだろう(葡萄の収穫期の7~9月開園)。

参考:中国観光専門サイト―西部旅情

シルクロード――トルファン編⑤

2009-08-04 11:31:43 | シルクロードの旅
    火焔山に抱かれるベゼクリク千仏洞
 トルファンから東へ59㎞、アスターナ古墳の北、火焔山の山中にベゼクリク(柏孜克里克)千仏洞がある。天山山脈を源にするムルトウク河の西岸の断崖に南北約400mにわたって83の石窟が開鑿されたものだ。麴氏高昌王国と天山ウイグル王国の仏教徒によって6~14世紀の間に開かれたもので、ベゼクリクとは「美しく飾った場所」という意味のウイグル語である。

 ただし、現在保存されている石窟のうち壁画が残っているといえるのは約30窟。しかもその壁画の大半は、14世紀のはじめに偶像崇拝を禁止するイスラム教に改宗したウイグル族によって破壊されたり、近代の各国の探検隊によって持ち去られたりしたことで、無残に破壊されている。塑像は跡形もなく、壁画の仏像の眼はそれにみられると祟りがあるということで抉り取られている。それでもなお残された壁画のうち、特に第37窟の「弥勒菩薩立像」、第39窟の「各国王子拳哀図」などは見事で、往時の千仏洞の絢爛さを窺い知ることができる。

 破壊された石窟の無残さをみるのは悲しいが、それでもなおこの地に魅力があるのは、周囲の火焔山とムルトウク河が造り出す風景の美しさにある。

 千仏洞の断崖の下には目を瞠る豊な緑が広がり、対岸には真っ赤に輝く火焔山が立ちはだかる。東西100㎞、南北10㎞、最高峰831.7mの襞を持った赤い岩山の連なりは、唐の岑参が「経火山」で歌って「赤焔虜雲を焼き 炎気塞空を蒸す」の詩片のままだし、『西遊記』の「唐三蔵、路を火焔山に阻まれ、孫行者、一たび芭蕉扇を調う」「牛魔王、大いに戦いて華筵に赴き、孫行者、二たび芭蕉扇を調う」「猪八戒、助力して魔王を敗り、孫行者、三たび芭蕉扇を調う」の物語を彷彿とさせる。火焔山一帯はその過酷さで人を拒むが、この千仏洞からの風景は赤い山と河と緑と石窟とが調和して美しく、さながら火焔山の懷に遊ぶ気持ちにさせてくれるのである。

参考:中国観光専門サイト―西部旅情