河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

68 / 群青色

2023年07月25日 | よもやま話

空は青い。
しかし、地上に目を移すと青色はいたって少ない。
「自然界にある空・海・花以外で、青色のものを答えなさい」とたずねられても、なかなか思いつかない。
孫にたずねたら、即座に「どらエモン」と答えた。

「好きな色はなんですか?」という質問の第一位は青色。
青色は空や海をイメージさせるからだという。
その心理をたくみに利用したのが葛飾北斎。
青色をふんだんに使用している。

日本の絵画で古くから使用されてきた青い顔料は、アズライト(藍銅鉱)という鉱物から作った色で、群青色(ぐんじょういろ)である。
夕闇がせまり、物が色を失う頃になると、空気の青色だけが際立ちすべてが群青に染まる。
海のコバルトブルーや青空の空色は爽やかさが感じられる。
群青色は人を安らかな気持ちにしてくれる。


※葛飾北斎『冨嶽三十六景 相州梅沢左』
※川瀬巴水『馬込の月(「東京二十景」より)』

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