「なぞなぞ」は「何んぞ何んぞ」を略したものだが、江戸時代の「なぞなぞ」は、大喜利などでよくやる「なぞかけ」だ。
「AとかけてBととく、そのこころはC」というやつで、ABの部分が問題で、Cが答えになっている。
(例) 谷間のウグイス とかけて 破れた障子 ととく そのこころは?
答えは「はるを待つ」となる。
「谷間のウグイスとかけて桜の花ととく」のように、A・Bを似かよったものにすると答えがわかりやすいので、A・Bを相容れない、かけ離れたものにするのがコツだ。
だから、答えはかなり難しい。
なぞなぞというより、答えを聞いて「ああなるほど」と感心する言葉遊びだといえる。では、なそかけを!
①新婚夫婦 とかけて ガラスのコップ ととく、そのこころは?
②まずい料理 とかけて 海の底 ととく、そのこころは?
③いろはの「ろ」 とかけて 朝の白露 ととく。そのこころは?
答えは、①なかよくみえる ②くうきがない ③はのうえにある
A・B・Cからなるので「三段なぞ」ともいうが、同じ形をとっているのに「缺欠文字」というのがある。
上の図の①を例にすると
①の字 とかけて 留守 ととく、そのこころは?
答えは「内に人がいない」となる。
②の漢字 とかけて 男所帯 ととく、そのこころは?
③の漢字 とかけて 人の名前 ととく、そのこころは(名前)?
④の漢字 とかけて 人の名前 ととく、そのこころは(名前)?
「日本で一番長い川はなんという川?」というような質問・クイズは、学校の試験と同様に、わからなくともそんなにもやもやしない。
ただ知らないだけで、知らなくとも人生に影響はないからだ。
ところが、考物・字謎・謎かけ・なぞなぞになると、わからないともやもやしてくる。
試験ではなく「遊び」だからだ。
わからないと自分だけ遊びから外されたような疎外感を感じてしまう。
その試しとして、上の②③④の答えは書かないことにする。
などというと、もやもやしたままで不評をかってしまうので書く。
答えは、②女の姿が見えない ③田中十内(田の中の十がない) ④上野伝七(七の上の部分が出ていない)。
答えが書いてないなぞなぞの本があれば面白いかもしれない。
そこで、答えを書かない考物(なぞなぞ)である。
すべて答えてスッキリとしたい方は自己責任で挑戦を。
モヤモヤ感を味わいたくない方は、写真の下は絶対に見ないでください。
※缺欠文字の図は『日本文学遊戯大全』海賀変哲 博文館 明42.11(国立国会図書館デジタルより引用)
①三人で十八日を費やして植えた庭木は?
②百二十二尺から百二十尺九寸を引くと建物になる?
③「ゑひもせす」というお菓子は?
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