河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

70 / 青色

2023年07月28日 | よもやま話

四月以来、久々に備前の国にやって来た。
美作(みまさか)に近い山あいの村ゆえに、夏は涼しいであろうと思っていたら、なんのなんの。
中国山地というだけあって山ばかりなのだが、中国山脈の南、瀬戸内側のほとんどの山は標高100~200m程度。
その山あいの平地となれば富田林とたいして変わらない。
それどころか、空気が澄んでいるぶん日差しは半端ではない!
日差しの裏の自分の真っ黒な影を久しぶりに見た。

夜、酒を酌み交わしていて、ふと思い出した。
そうだ、これを見に来たのだ!
水割りのコップを片手に、カランコロンと澄んだ氷の音をさせながら外に出る。
あった!
ウルトラマリンブルー!

ヨーロッパの有力な王族、貴族が莫大な金をはたいて買い求めた石、ラピスラズリ。
その石から作られた顔料は深い夜空の色をしていてウルトラマリンブルーとよばれた。
その色をふんだんに使った絵を画かせることが権威の象徴だった。
昔はどこの夜空もウルトラマリンブルーだったが、今はあまり見ることができなくなった。
しかし、「晴れの国」とよばれる備前にはウルトラマリンブルーがあった。
ごくりと酒を飲みながら、吸い込まれそうな空を見る。
この青の向こうにはどんな世界が広がっているのだろうか。


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