アセンションへの道 PartⅠ その理論と技法

2012年には銀河の中心と太陽系そして地球が整列し時代の節目を迎えます。アセンションの理論と技法について考えます。

第12章 万教帰一 ⑥クンダリニ昇華

2011-01-07 06:35:41 | 第12章 万教帰一
本章①‘二つのアセンション’を読み返して頂くと判る通り、筆者の関心は今、ニューエイジ的なアセンションではなく、‘解脱’に至る為に何をなすべきかに移っている。そして、解脱に至る為には、シッディ(所謂サイキック能力)という状態を達成出来るかどうか、そしておそらくはその前提となる、クンダリニ昇華を経験出来るかどうかが、極めて重要であるというのが、筆者の到達した結論である(但し、必ずしも必須条件ではないかも知れない)。しかし、このように説明したところで、クンダリニ昇華が何であるかが解らない限り、雲を掴むような話になってしまうので、先ずは本節においてその説明を試みたい。
因みに、筆者がこれまで読んだ本では、クンダリーニと書いたり、クンダリニーと最後の音節を延ばしたり表記はまちまちであるが、本ブログでは出来る限りクンダリニで統一して記述する。

ここで話は突然変わるが、筆者はジム・キャリーとキャメロン・ディアスが主演した『マスク』という映画が割合気に入っていて、これまでに3-4回繰り返して見た。1994年の作品で、TVで何度も放映されたので、ご覧になった方も多いものと思う。内容はかなり荒唐無稽で名作とは言い難いが、面白くて大笑い出来るのでストレス解消にはもってこいの映画だと思っている。この作品を見ていない方の為に簡単に要点のみ説明すると、ジム・キャリー扮する主人公のスタンリーは、気が小さくてお人よし、現代風に言えば‘草食系’の銀行員なのだが、マスクを被ったとたんに超人的な力を得ると共に、それまで心の奥底に抑圧していた欲望を自由に表現し、又それを容易に達成出来るようになってしまう。ということで、マスクを被ったスタンリーの大活躍が始まるのだが、映画の中の話なので、面白おかしくするためにかなりマンガチックになっている。ということで、何も考えずに見るだけでもかなり楽しい映画なのだが、最近スピリチュアル系の書籍に接するにつれ、『マスク』の作者は、若しかしたらクンダリニ昇華とシッディをあのような形で表現したのではないかと考えるようになった。つまり、クンダリニ昇華によって、人は様々なサイキック能力を得ることが出来るが、事前に各チャクラの浄化を確り行っておかないと、脊椎基底部から上がるクンダリニ・エネルギーをそのチャクラの場所で止めてしまうことになる。そして、それは結果としてそのエネルギーをそれまで押えこんでいた欲望を充たす為に用いることに繋がり、延いては霊性の向上という本来の目的から逸脱し、場合によっては命さえ危険に曝すような状態をもたらす可能性があることを暗に示唆しているのではないかと近頃は思っている。

『マスク』のように極端なことにはならないにせよ、この危険性に就いてはドランヴァロ・メルキゼデクも、『サーペント・オブ・ライト』の中で次のように触れている。尚、最初の引用文は、過去に“地球のクンダリニ・エネルギー”の移動がパナマ運河で遮断されたことを問題にし、それと同じことが人間に於いても起きる可能性とその危険性を指摘している。また、次の引用文では、ドランヴァロは「サイキック能力」という言葉を使っているが、これはシッディと同義である。

「(筆者註:以前チベット・インドの地域から、地球のクンダリニ・エネルギーが南米に移動する過程で、それがパナマ運河で止まってしまったことを受けて、)地球のクンダリニ・エネルギーは、不活発になり、遮断されてしまいました。多くの人は、サーペント・オブ・ライト(筆者註:地球のクンダリニ・エネルギーを指す)のこの休止状態が、コロンビアやその近隣諸国で起きた戦争や紛争などの原因であったと信じていました。地球のクンダリニ・エネルギーは運河を渡ることが出来ず、それによって甚大なエネルギーの不均衡が生まれてしまいました(同様のことは人間にも起こります。クンダリニ・エネルギーが人間の背骨を上がって行くとき、万一チャクラに障害があればエネルギーが上昇しようとしてもできません。この状況が改善されない場合、痛みや病気、延いては死さえももたらす可能性があるのです)。」

「(筆者註:クンダリニ昇華に伴ってもたらされる)サイキック能力は、殆どのスピリチュアルな伝統において重要とはみなされていません。それでも人は、向こう側の世界に辿り着くために、人間の意識におけるこの領域を通り抜けなければならないのです。私は“ナカール・ミステリースクール”(筆者註:アトランティスが沈む時にユカタン半島に向かって逃げた神官たちで構成される、ナカール同胞団に由来すると思われる。ユカタンで発見され、現在大英博物館に保管されている“トロアノ文書”にこの辺りの事情が記録されている。)で過ごす間、天使の指示の下で様々なレベルのサイキック能力について学びました。しかし、人間は非常に高いレベルのサイキック能力を達成しても、なおエゴを保持し続けてしまうことがあります。ですから、マインドの性質やサイキック能力というものは、多くのスピリチュアルな伝統において危険であると認識されている事実も知っておいてください。用心して進まなければなりませんが、確実に進んで行く必要があります。これは、スピリチュアルな悟りに至るために不可欠なステップなのです。」

それではクンダリニ昇華とはどのようにして起きるのだろうか。実は、この点を明快に説明したスピリチュアル系の本は極めて少ないのであるが、偶々筆者はその本を以前買って読んでいたことに気付いた。それは長谷マリ氏の書いた『癒しの風』(たま出版)である。以下にそのサワリを引用するが、質問形式で書かれている。

「Q クンダリニとは何ですか?
A インドのサンスクリット語で、“とぐろを巻くもの”という意味の言葉です。クンダリニは尾骨の内側に眠っているとされる、螺旋状のエネルギーです。これは、大地のエネルギーとも生命力の根元的なエネルギーともいわれており、古くからこのクンダリニの覚醒によって、超能力や潜在能力が覚醒するといわれています。
Q クンダリニの覚醒と昇華について教えてください。
A クンダリニ・エネルギーが覚醒すると、尾骨や仙骨が振動を始めます。覚醒したクンダリニ・エネルギーは、背骨を通って頭頂まで上がっていきます。これを“クンダリニが上がる”といいます。そして、クンダリニ・エネルギーが背骨と頭を突き抜けて宇宙につながり、一体化することを“クンダリニの昇華”といいます。宇宙と一体化した世界、そして、この世界こそ釈迦が到達した世界です。クンダリニの昇華は、至高体験の総合版といえます。クンダリニが昇華すると肉体は変化し、サイキック能力も開花します。但し、その期間は短く、7日~30日程度です。その期間が過ぎると波動が落ちて、以前に近い状態まで戻ってしまいます。クンダリニ・エネルギーが上がる時のエネルギーはすさまじく、エネルギーラインに詰まりがあると内出血などを起こし、部位によっては重大な事故になる場合もあります。エネルギーラインの整備は、クンダリニの活性を促し、事故を防ぐための大切なヒーリングの一つです。」

ということで、ここでもクンダリニ昇華の危険性に触れている。尚、ここで長谷氏は、クンダリニ昇華の期間は30日程度までとしているが、ヨーガ関連の書籍によると、適切な方法を用いて行うのであれば、サイキック能力などは持続するものと考えられる。ということで、筆者がクリヤー・クンダリニ・ヨーガを始めようと決心する契機となった、『ババジと18人のシッダ』(マーシャル・ゴーヴィンダン著)から、関連する部分を引用する。

「・・・ヨーガの求道者が、脊柱内にある霊妙なエネルギーの通路であるイダーとピンガラーの両ナーディ(筆者註:脊髄に沿って、その左右を通っている気脈)を浄化してその均衡を図り、更に背骨の基底部にあるクンダリニ・エネルギーを徐々に活性化すると、クンダリニは脊髄の中心にあるスシュムナー・ナーディ(筆者註:ナーディは気脈を意味する)を上昇するようになる。この上昇が起きる時、クンダリニは心霊エネルギーセンターである数々のチャクラを通過して行く。これらチャクラは脳の未開発の部分と繋がっているために、クンダリニがチャクラを通過すると、人の潜在能力や聖なる可能性の全てが目覚めるのである。
18人のシッダ(用語解説より:シッダとは、心の統制を実現し、その潜在能力をヨーガの奇跡的な力、シッディを通して、メンタル体、生気体及び肉体の各レベルにおいて顕現している聖者)たちは、覚醒して間もなく統御が難しいクンダリニのことを“カーリー・デーヴィー”という女神の名で呼んだ。現代心理学の視点からすると、この根元的なエネルギーは、人間の潜在意識に現れる。クンダリニの力が統御されて、安らぎと至福をもたらすものに変わった時、シッダたちはこれを虎に跨る美しい女神、“ドゥルガー”と呼んだ。覚醒したクンダリニは、洗練度が異なる様々なレベルにおいて、創造的なエネルギーとして現れる。こうしたクンダリニの顕現は、ラクシュミー、パールヴァティー、サラスヴァティーを初めとする“聖なる母”の化身として崇められてきた。
強い磁力を持つ指導者、天才、優れた創造の才に恵まれた人々は、脳の特定の潜在能力がクンダリニによって目覚めた人々である。クンダリニによって覚醒した能力は、その人の心の傾向や性癖に応じて、洗練度が異なる様々なレベルにおいて表現される。クンダリニが完全に覚醒すると、脳の未活性の部分が活性化されて、神性がその人を通して顕現されるようになる。覚醒したクンダリニが上昇して、サハスラーラ・チャクラ(筆者註:頭頂部のクラウンチャクラ)に至ると、意識の最高の状態である“ニルヴィカルパ・サマディー”(不動の三昧)が実現する。シッダたちはこの境地を、シヴァとパール・ヴァティ・シャクティとの合一と呼んできた。この段階において、“見る者”、“見るという行為”、“見る対象”が全て一つに融合する(筆者註:この部分は哲学的で難解な表現であり、いずれ本ブログにおいてヨーガスートラなどを引用しながら、別途詳しく説明したいと思う)。クンダリニの覚醒は肉体にも変化をもたらす。細胞は強力なエネルギーによって充電されて若返る。ホルモンの分泌にも同様な変化が起こる。こうして、完全な変容への過程が始まるのである。
18人のシッダの科学によれば、求道者は様々なヨーガの修行を通してクンダリニ・シャクティをムーラダーラ(筆者註:ルートチャクラ)からサハスラーラにまで上昇させて、そこにおいて静かなる至高の意識であるシヴァ神との合一が実現するとしている。こうして人間の両極が結合して宇宙意識が顕現する。すると求道者は天上の喜びを味わい、聖なる甘露(ネクター)が分泌されて血流に入り、細胞の若返りと長寿が実現するのである。」

最後に、『あるヨギの自叙伝』から、パラマハンサ・ヨガナンダ師の次の文章を引用して本節の締め括りとしたい。

「クリヤ(筆者註:クリヤー・クンダリニ・プラーナヤーマを指す)は誰にでもできる簡単な技法である。しかし、普通の人間の体は、いわば50ワット程度の電球のようなもので、いきなり過度のクリヤによって生ずる十億ワット相当の電流は受け入れることが出来ない。クリヤは、規則正しく徐々に回数をふやしてゆくことによって、安全に、人間の体の幽体構造を日ごとに少しずつ変化させ、ついには、宇宙エネルギー(神の表現活動の第一段階の構成要素)の無限の力を現すに相応しいものにするのである。」

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