ウィッシュ研究所

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認知療法-2

2009-08-02 | 産業カウンセリング

リフレーミング・・「言い換え」
前回の“マイナスのスキーマ”の話に象徴されるように、認知療法では、人の問題行動や精神的苦痛とは“誤って学習した考え方・イメージ・記憶に基づいている”とし、このいわゆる「認知の歪」が固定化・習慣化して自己否定につながり、環境を非現実的に捉え、誤った行動が維持されると考えます。この「認知の歪」を変えることによっての行動の改善を図るのです(角張,1990)。
 このような認知~気づきに関する療法の一つに「リフレーミング」があります。たとえば「忘れるな」という否定的な枠組みから、「覚えていてね」という肯定的な枠組みに変えていきます。「邪魔をした」を「手伝おうとした」というように“言い換え”によって“消極的な枠組み”から“積極的な枠組み”で言い直し、考え直してみるのです。「遊ぶは悪」を「たまには遊ぶことは必要」などと“物事の見方を変えてみる”ことも「リフレーミング」の活用と言えるでしょう。この他には同じような技法で「ポジティブコノテーション」や「トラッキング」などもありますのでこれらは仕事や生活全般にも様々な場面で応用しうるのです。ある物事に対して、一つの側面にこだわる「頑固者」から、多様な側面を観ようとする柔軟な考えをめぐらす「自由人」へ変わっていこう、「マイナス思考」から「プラス思考」に変えていこうとするものなのです
 次回は認知療法のうちでも代表的な「論理療法」での「ビリーフ」について考えます。

参考文献 : 国分康孝 編著 1990 「カウンセリング辞典」 誠信書房 《引用は角張憲正》、武藤清栄 1993 「心のヘルスケア」 日本文化科学社 



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